イライラは溜め込まない・その4
「あぁん? ナンだテメェは?」
サーチ発動~。
ふむ。
ふむー?
なるほど。
案の定、中央でお決まりのセリフを吐いたのがリーダーか。
なんとなく勇者っぽい装備の感じあるもんな。
英雄の剣。
8人ぱーちー全員が特殊な装備で……身を固めてる。
武器だけじゃなかった。
防具とかアクセサリーとか、そういう系統も。
んー。
俺としては、これはひとつのスタイルとしてアリだと思う。
能力の不足を道具とその使い方でカバー。
それだって立派な才能なんじゃないかな。
しかし……意外。
男たちは美女を、女たちはイケメンをはべらせて。
酒やら料理やらも大量にあるのに。
全員、体格はマトモなんだなぁ。
もっと残念な肉々しいボディーしてるのかと。
ホントは太ってるけど装備補正で痩せてるだけだったりして。
『さすがにそんなもんは無かろうよ。外した瞬間に脂肉が飛び出るとか、想像しただけで笑え……酷い絵面になるぞ?』
そんなんあるならむしろ見てみたい。
さて。
一応、確認しておいたほうがいいのかな?
「アンタさぁ、アタシらが誰なのかわかってんのかなぁ? クラスS、ランク1だよ? 英雄の剣、知らないワケないでしょ?」
確認するまでもありませんでした。
オレらァ英雄の剣だぞ~ナメとんのか~? みたいなこと言い始めたよ。
ふーむ?
別にダベるの付き合ってもいいんだけど……そんなことより。
気になるよね。
噂のエーテルウェポンの性能とやらが。
女神さま。
『おう! 調整はバッチリじゃッ!』
―――空間を祝福。時間を隔離。
喧騒が消える。
無音の世界。
そして、人々の動きも全てが停止。
正確には停止でなくて超絶スローモーションなんだけど。
うん、違ったわ。
俺が超絶ハイスピードな状態になってるんだったわ。
苦労したなぁ、この力を調整するのは。
いや、もう、試行錯誤したよね。
女神さまもね、長々と相談と調整に付き合わせちゃって……ゴメン、じゃない、ありがとうね。
『いやぁ……ずいぶん失敗も重ねたが、おかげで納得のできる仕上がりになったからのぉ。よかよか』
空間系や時空系の加護ではないので、けっこう細かく調整しないと思ったようにならなくてさぁ。
まさかねぇ、停滞した空気がクッソ重くて動けないとか。
空気を動くようにしたら今度はチリやホコリで動けないとか。
ひとつひとつ問題を処理してね……うん。
完成した時は感動ものだよね。
『結局、帝国では使わんかったからな。さて、次の一手は何するかの?』
とりあえず、後ろに回り込もうか。
で。
このまま攻撃すると大変残念なことになります。彼が。
時間の流れの狭間……いや、断面か断層か。
この状態の俺の周囲にはそういうものが発生している。
そこに取り込まれたモノは時間の流れの差によって切断されてしまうのだ。
そんなことなるとは思わなかったからね。
発動したときにね、足下の床をぶち抜いちゃったよね。
そのままバランス崩して地面にめり込むよね。
誰もいない山小屋でよかったよね。
まぁそんな俺の苦労話なんてどうでもいいのだ。
祝福結界、解除!
「「―――なッ!!」」
驚いた? やっぱ驚くよね!
お疲れちゃーんッ!
「ぐあぁッ!!??」
お外の広場までグッドバイッ!
……。
……あれ?
普通に……吹っ飛んだ?
あの、反応とか、その、受け身とか……防御は……?
ん、んんー?




