イライラは溜め込まない・その3
今回のイメージは、なんとなく執事っぽく。
燕尾服、って言うんだっけ?
あの後が尖ってヒラヒラしたスーツ。
ホワイトカラーのワイシャツに赤いネクタイとかしてね。
グレーのロングヘアーのカツラとかも用意してね!
『カツラとはまた味わいのある表現じゃのう』
……グレーのロングヘアーのウィッグとかも用意してね!
ネクタイとお揃いの赤、リボンで後ろでまとめてみたり。
もちろん顔には仮面。
サソリ、ライオン、ときたら生物系で揃えるしかあるまい。
生物っても鵺なんだけどね。
……鵺って神様? 妖怪?
んで。
迫り来るモブどもを片っぱしから地面にアイラブユーさせてるワケなんだが。
思ったより面白くないね?
なんかなー、想像してたのと違うんだよなー。
楽しくない。
これなら粘着ローラーでカーペットでも掃除してるほうがよっぽどテンション上がるわ。
なんだろう。
……。
そうか。生産性がないんだコレ。
俺が得るものゼロ。
あと、手ごたえが無さすぎるのも問題か。
チートだから、とかじゃなく。
1回目は正真正銘のクラスSパーティー。
2回目は帝国の武将。
比べる相手が悪いのかもしれない、けど。
この間の……クラスCに昇級したワイルドファングの戦いのほうが間違いなく強かった。
霊気の強さとかじゃなく。
質が。
20人くらいダウンさせたところで流れが変化。
目の前に並ぶハンターたち。
見るからに怯えている。
感じる霊気も乱れまくり。
そりゃそうだ。
おそらくはクランの先輩ハンターたち、に。命令されて前に出てきたのだから。
んー、いいね。この流れ。
神経を逆撫でしてくれるその対応、おかげさまで少しくらいやり過ぎても気にしなくてすむ。
執事の使う武器といえば?
色々あるだろうけど、俺はやっぱり“糸”かな。
赤と、黒の、ちょっぴり禍々しくこーでねーとして。
目の前の哀れな新人君たちを無視して、後ろで偉そうにしていた連中を束縛する。
「なんだこりゃッ!?」
「ちょっとッ! 放しなさいよッ!!」
はいはい。
いま解放して差し上げますよ、っと。
指パッチン!
「「~~~~~~ッ!!!」」
場の空気が一気に冷え込む。
先にネタバレしちゃうけど、ハンターたちはちゃんと無事。
傷の深さなんて数ミリ以下だよ。
ただ見ているほうはそう思わないだろう。
身に付けていた武器防具は細切れに。
切り刻まれたハンターたちの全身から真っ赤な血が勢いよく吹き出した……ように錯覚してるはず。
はい。幻術ってヤツね。
装備をブッ壊したのはマジだけど。
そして激痛もマジで感じている状態。
俺を取り囲んでいた……もともと顔色が悪かったハンターたちはもう顔面蒼白。
さすがにこの子らは殴れないですよ?
なので説得を試みる。
ザコはすっこんでろ! ……とは言わない。
できるだけ穏便に、彼らのプライドを尊重するように。
いや、まぁ……気を使われた時点で屈辱かもしれんけどさ。
まぁいい。結果オーライだ。
道は開かれた。
さてさて、国内最高のハンターはどんなものかな?




