表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/306

わくわく帝国潜入・その3

 第二皇子ゼフィランサスの情報を集めてみた。


 一言でいうなら、主人公。


 俺が国民ならぜひとも次の皇帝になってほしいぞ。




 ラノベなんかではよく見る話。


 民衆の生活を第一に考え、奴隷を嫌い、能力のあるものは身分問わず重用し、貴族だろうと下衆には容赦なし。


 まぁ、なんだ。


 この時点で素人目で見りゃ名君の素質アリアリです。


 しかも文武両道、術式の扱いも上手いときたもんだ。


 気性は穏やか。


 これは母親の影響っぽいな。


 第3夫人……皇帝の嫁だとなんだ? 皇后?


『皇后は第1夫人かの。第3なら側室じゃろうし、皇妃かのぉ』


 へー。


 その母親は支配下の国の王族らしい。


 夫婦の仲は良好らしいが……まぁ、嫉妬されるよな。


 もちろん本人も兄や姉からも嫉妬。


 そんな環境からよくもまぁ……ご立派な統治者に育って……。


『まったくじゃのぉ……ホント、ワシら何目線なんだって話じゃが』




 一瞬、まさか転生者かとも思ったけど。


 それってこの世界に対してかなり失礼だよな。


 だって、優秀な人間=現地人のワケがないって言ってるようなもんだし。


 そりゃね、俺はこの世界を調子コキまくりで好き勝手に生きる決めたとも。


 けど別にこの世界の人たちを見下したいなんて思っちゃいない。


 それにイレギュラーなら女神さまの誰かが即対処してるはずって言ってるし。




 おっと。


 そんなことはどうでもよろしいのだ。


 んー、どうしようか。


 天才か、努力家か。


 どちらにせよ、部下が敬い民衆が慕う名君。


 イタズラしたら……メッチャ、面白そう。


『あっはっは! 下衆いな! それで、どう仕掛ける?』


 止めないのね。


 知ってたけど。




 そうだな。


 上に立つ人間が優秀なら、ちょっとくらいはっちゃけても上手いこと処理してくれるだろう。


 しかしあまり無難に乗り切られても困る。


 多少は国の内側に注意を向けてもらわないと、時間稼ぎにならないし。


 となれば。




 ……。


 …。




 夜。


 現在地、中央区の中央。


 の、ゼフィランサス殿下のいる城の中。


 の、見張り塔の上。


 ふむ。


 パッと見た感じ、あの魔人族。


 大勢に向かって指示をしているように見える。


 あれが噂のゼフィランサス君かな?




『たぶんな……仕掛けるのか?』


 いや。


 こちらからは仕掛けない。


 向こうに気付かせる。


 ではステルス解除ッ! ……の、前に。


 防御系の祝福効果をアクティベーションするざんす。


 油断、ダメ。


 攻撃は適当でいいや。


 服装も変更。


 前回、グローインドではサソリだったからな。


 今回は……獅子でいくか。


 獅子のイラスト入りの仮面。


 では、今度こそ……ステルス解除ッ!




「やぁやぁお兄さん、いくらお月様がキレイだからってねぇ。こ~んなところに登っちゃダメでしょ?」


 背後からとぼけたような男の声。


 反応はえーなオイ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ