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わくわく帝国潜入・その2

 初手、ステルス。


 堂々と門通過。


 場所が場所だけに、旅人の出入りは無い。


 防衛砦の人員と行商人かな?


 ちょっと驚き。


 敵対してる国側から来る商人も受け入れるんだな。


 まぁ無条件ってことはないだろうが。




 さっそく街の名前、判明。


 ゼフィランサス領・東3区。


 ……東3区?


『十中八九、1区と2区もあるじゃろなぁ』


 だよねー。


 仮に全部そんな感じなら、フィンブルムと比べて国力3倍か。


 まさに帝国だな。


 もちろんそんな単純な話じゃないだろうが。




 街並みのほうは……うん、兵士の街って感じ。


 なんつーのかな。


 ムダな物っていうか、兵士たちに不要な物は排除しました感。


 といっても娯楽が無いわけじゃなくて。


 菓子の店もあれば、ちょっとしたオモチャ……あれは知恵の輪かな? とかもある。


 他にもチェスができるカフェとか。


 福利厚生、しっかりしてるじゃないか。


『それだけ国力あるっちゅう話じゃけんね、油断ならんね』




 うむ!


 この街はもういいかな。


 別に俺は戦力を探りに来たわけじゃない。


 ブルム帝国を知りに来ただけなのだ。




 ………。


 ……。




『と、いうワケでぇ~やって来ました中央区! いよッ! これは賑やかじゃのぉッ! 活力が段違いじゃて!』


 いや~こりゃスゴいわ。


 デカい。


 広い。


 人も店も多い。


 ぶっちゃけ賑わい過ぎてて俺は住みたくないけど、これはマジ帝国だわ。


 さて。


 驚きはしたけど、やるべきことはしっかりと。


 放った使い魔からタブレットにいくらか情報集まってきたな。




 東方ゼフィランサス領。


 領主はなんと、皇帝の息子。


 ゼフィランサス・ガルデンブルム。


 皇帝グラジオラス・ガルデンブルムの第二子。


 18歳で領主に就任。


 そして就任からかれこれ5年、3国相手に睨み合いを続けてる……と。


 東はフィンブルム王国、北はグローインド王国、そして南は武国トドロキなる国。


 へー。


 ……マジかよ、本物の天才ですか?


『優秀なのは部下だけで、本人が暗愚の可能性もあるじゃろうがな。もっとも、ここの人間たちから感じる穏やかな霊気……は、統治者が無能では証明が難しい』


 本物の天才ですか。




 ふむ。


 これ、ヘタに俺が引っ掻き回したらダメなヤツじゃね?


 逆に大戦争に発展しそうで怖いんだけど。


 しかしなぁ、攻め込まれるのは困る。


 戦火と無縁でも、私は一向にかまわん!


 どうしようかなぁ~。


 なにか奇跡の一手が唐突に頭に閃いて……。


 ………。


 逆じゃね?


 効果的な一手は、むしろダメ。


 その場しのぎの、安っぽい時間稼ぎのが正解でしょ。


 シンプルというか、あれこれ考えないで適当に一撃入れておくだけ。


 うん。


 そうしよう。




 当たり前だが狙いはガッツリ絞る。


 民間人はもちろん、兵士もハンターも被害を出さず。


 物資に影響とか論外。


 もしも何かのはずみで食糧倉庫みたいなとこに被害でたら、そらもう祝福でズバァンッ! と元通りにしてやるくらいの気持ちで。


 よし。


 もう少し情報を整理したら、女神さまとも相談しなきゃな。


 うーん、コイツはわくわくしてきたぜ~。

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