ぼちぼちお金稼ぎ・その3
昔話でよく、お爺さんか背負ってるヤツ。
アレってスゴく便利な輸送手段だったんだなーって。
バラバラにしたゴーレム素材を担ぐのにちょうどいい。
適当にその辺の木を切って。
それっぽく組んで。
あとは術式で強化して終わり。
「なんというか……お前の術式は戦闘以外でも、その、豊富なんだな。ひとりで旅をしていたのだから、わからなくはないが……」
おや。
一人旅の設定がこんなところで活きるか。
となれば、生活に関わるような形なら祝福を使ってもイケるかな?
もちろん、加減を忘れずにね!
ハンターギルドにて。
買い取り受付のお姉さんは大喜びでした。
「助かるわ~! 最近、帝国の動きがキナ臭くてなぁ、武具の素材はいくらあっても足りんのよ。しかもこれ! 上物の鉄! いやぁ、至れり尽くせりだねぇ!」
上物の鉄、というのがポイントらしい。
普通の鉄と混ぜてもちゃんと武器を作れるから。
性能、生産性、そしてお値段。
むしろ、希少金属だったほうが厄介?
なるほど。
需要と供給のバランスか。
買い取り受付と違い、別のカウンターでは渋い顔。
ゴーレムが歩き回ってたこと、けっこう大変なことらしい。
とりあえずは情報の共有。
お金になる、というのも理由だけど、それだけじゃない。
ゴーレムが人の生活圏まで来たらえらいことになる。
逃げるのは簡単。
ただ、破壊される建物の被害は甚大。
ギルドに残ってたハンターたちの表情、ガチのヤツ。
何人かは早速外へ……こんな時間から?
夜間活動に慣れてるパーティー?
ほー、それはそれは。
ふむ。
餞別代わりにコーヒーの粉を渡したら喜んでくれた。
まさにコーヒー無双。
換金、完了!
俺たちは宿に戻ろうか、と。
「デュラン!」
おや、ガノッサのおっさん。
「すまん。現地の連中から話は聞いた。わざわざ向かってくれたのに無駄足に……なってない? は? ふんふん、素材。ゴーレムが、ねぇ……ゴーレムぅッ!? 森の中でかよ! あちゃー……」
頭を抱えるクラスS。
基本、いい人なんだろうな。
……そっち、手伝おうか?
「へ? あ、いや、そりゃ助かるがよ……いいのか? ウチのバカどもがやらかした後だってのに」
それはそれ、これはこれ。
それに、だ。
あんな態度をとれるってことは、まだまだ余裕があるって証拠でもある。
地元のハンターで解決できるなら、そのほうが面倒も少ないんじゃないかな?
主にメンツの部分で。
「……すまねぇ。マジで助かる。何か見つけたらギルドに伝言を残してくれ」
……さて。
そういうワケだから、みんなとはここでお別れ……にはならないのね、ハイ。
なんとも義理堅いようで。
ワクワクしてるように見えるのは気のせいだとしておこう。




