のんびり野営模様・睡眠とか
「さて、見張りの順番を決めるか。といっても今回はデュランは依頼主だからな。俺たちで済ませるから、ゆっくり寝ていてくれ」
だ、そうです。
そりゃありがたいけどさ。
でも俺も戦えないワケじゃないんだけど、いいのかな?
「そこのけじめを付けられないハンターは二流だよ」
なぁなぁで済ませて許されるかどうか。
きっと色々あるんだろうな。
でも言われてみれば、契約だもんなコレ。
しかし何もしないのもちょっとなぁ。
再びカバンに手を入れて~♪
祝福!
夜の見張りといえばコレでしょう。
「なになに~? んー、なんだか芳ばしいイイ匂い~♪ コレ……コーヒー! わぁお、なんてレアな物を!」
………。
やっちまったか?
「へー、珍しいじゃねえか。フィンブルム王国では紅茶が主流だからよ、なかなか出回らねぇんだ」
「野生のコーヒーを探すのは手間ですからねぇ。せめて植物系の魔獣なら、妖気を探って採集もできるのですけど」
……セーフッ!
どうやら珍しいといっても、単に集めるのが面倒なだけらしい。
コーヒー集めの依頼もある?
なるほど、コーヒーの実を探すのが大変だから人気がない。
でも飲む習慣はあるのか。
「紅茶より準備が楽だし、集中力を高める効果があるって言われてるからな。しかし本当にいいのか?」
そんなふうに確認してくるわりに、ガストも嬉しそうだな?
昔、何かの漫画で見たコーヒー。
砂糖と同じ量をドロドロになる感じでお湯で溶く。
「変わった飲み方だな……んッ……おぉ、これはいいな。美味い。それに効き目もありそうだ」
とりあえず先に見張りをする風斬りの弓のメンバーに振る舞う。
ブラックハートの分は粉で渡しておく。
一人悠々と寝るんだし、これくらいは許されるでしょ。
で。
先に寝ていいと言われたけれど、正直困ったな。
寝具の類いは持ってない。
そもそも俺はいざとなったら寝なくても大丈夫なんだよな。
寝なくてもオッケーな祝福アクセサリー作るだけだし。
しかしそれを言うワケにはいかないので。
「……いつもは木に寄り掛かって、ねぇ。んー、ワイルドだね~♪ それで寝袋の用意を忘れちゃうなんて、キミって結構オチャメさんなのかな~?」
「なら、予備の毛布をお使いください。あら、遠慮なんて必要ないですよ? まったく知らない相手ではないのですから」
気を使われてしまった。
寝袋、ねぇ。
みんなの使ってる物を参考に、次回の冒険までには用意しとこう。




