わくわく新エリア
グローインド王国・南方ゼルシア領。
王国多いなぁ。
『んー……そうじゃねぇ、おヌシにもわかるように例えるなら……あぁ、地球の日本人じゃろ? 三國志っちゅうんは知っとるかね?』
三國志?
まぁ、演義とかゲームがほとんどだけど。
『そうそれ。いや、女神の中にはイレギュラーの文化にどっぷりハマるのも多くてなぁ。その三國志とかいうのを熱く語るヤツもおるけぇ。まぁ、それじゃ。群雄割拠。ちゅうても、そこまで殺伐しとらんみたいやね』
へー。
ならフィンブルム王国は大陸の南東よりだから、孫呉の国あたりのポジションなのかな。
ゲームのイメージで赤系の衣装を想像しちゃうんだぜ。
で。
これから南地区の街に入るんだけど。
おおー、なかなか大きいな。
学問都市と呼ばれるだけはある。
それはいい。
問題は格好どうするかだ。
このまま入るのは論外。
自分で作った転移術式で移動しているから、何かあったとき不自然になっちゃう。
つまり変装が必要。
そして、どんな格好になるかだけど……普通のスーツ姿でいいかな。
さすがは学問都市というだけあって、ホワイトカラーのワイシャツにネクタイ姿が普通に歩いてる。
コンセプトは旅の学者でいこう。
スーツにローブ、見た目より機能重視の頑丈そうなブーツ。
あとは剣では不自然なのでダガーナイフを二本。
もちろんカバンも忘れずにね!
鏡で確認。
うん、ぽいぽい。
ローブの裾がちょっとボロいのが味わいあるね。
ま、いざとなったらステルス無双ですよ。
「待て。その格好、知らせにあった新しい教師ってのはアンタかい? ……違う? 旅の学者? そうか。ようこそゼルシア南地区へ。学者さんならきっと楽しい街だと思うぜ」
門番さん、イイ人だ。
おじゃましま~。
街の中はコルキュアス領中央区とは違った活気がある。
向こうがお祭り的な賑やかさとするなら、こっちは観光地的な賑やかさ。
なんでそう感じるかって?
そりゃ学生服があちこち歩いてるからだよ。
修学旅行かな?
学問都市というだけあって、やっぱ学園みたいな施設があるんだろうね。
とりあえず宿確保。
まだ空は明るいけれど、タブレットに送信された情報も整理したいからね。
風呂場無し食事無しの素泊まりだが、部屋が俺好みのシンプルで落ち着いた感じ。
「とにかく落ち着いて眠れればいい、ってお客さんをターゲットにしてるからな。だけどベットの寝心地だけなら他の宿には負けないぜ!」
どら。
おー、ちと固めだけどモフンとするじゃない。
軽く昼寝……時間的に夕寝? して。
夜ご飯に焼きそばパンなどモグモグしつつ、タブレットをいじる。
余計な約束しなきゃよかったかな……なんて思いつつも、こうして色々考えるのは嫌いじゃない。
クラスDハンター、ね。
同じランクの上位に合わせて……いや、クラスCの下位ランクあたりに合わせた道具のほうが、頑張ったご褒美としては……。
むむむ……!