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真面目にバトル! 姫将軍レグルナルヴァ・その1

 さて。


 ケガ人ひとり、守りながら強敵とバトル。


 うーん、なかなかムリさせてくれますな!


 できるならいますぐリズを抱えて祝福結界で逃げたい。


 それやったら結界の境界でズンバラリンしちゃうからできないけれど。



「さて、覚悟はいいですか? アナタに小手調べは不要ですわね? ―――疾ッ!!」



 まっすぐ突っ込んでくるレグルナルヴァ。


 それはいい。


 問題はその後ろ。


 いやいやいや!


 その巨人の幻影はどちら様ですかねッ!?



『女神の力で産み出した……なんじゃろなぁ、魔力を具現化した武器みたいなもんかのぉ~。さて、どうする? と言っても、やれることなぞ―――』



 ひとつしかない! よッ!


 これは手札の防御系、全部使わんとムリなんデース!


 前回は蹴っ飛ばされて。


 今回は拳。


 この姫さまとの出来事こんなんばっかだなッ!



 ◇◇◇



 ……リズ、生きてる?



「えぇ……なんとか。魔力酔いがまだ……少し、酷いですが」



 地下から地上まで。


 建物いくつかぶち抜いて。


 現在、瓦礫の中なう。


 体は……大丈夫、動く。


 祝福を利用したガードではなく、組み上げた術式での防御だったのが正解だったかな?


 反発とかは、特に無し。


 とりあえず、無傷。


 よし。


 まずはここから脱出するか。―――黒雷どーんッ!



「おっと! ……ふむ。やはりキサマだったか。無事? なようでなによりだ。それで、アレについて説明をしてくれると助かるのだがな」



 あ、マルライツァー少将殿。さきほどぶりです。


 アレの説明。


 もしかしなくてもレグルナルヴァの背後の巨人のことだろう。


 説明ねぇ。


 ひと言で表現するなら……お姫さまの武器ですかね?



「……そうか。なんとなく察したが、このゴーレムどもを用意したのはあの力によるものか。なるほど、これなら反乱軍の連中が慢心するのも理解できる。アレの存在についてはサッパリ理解できんがな」



 ぐるりと周囲を見渡せば。


 たぶん反乱軍のみなさん。かなり大歓声。


 でしょうね。


 奥のほうから歩いてくる妹ちゃん、強ボス感スゴいもん。


 ふーむ。


 ゴーレムたちもなんだか元気そうで。


 敵の大将狙い、完全に失敗。


 これがもしも俺ひとりだったら、は……完全に言い訳だな。


 だったら最初から、ほかの人たち無視してレグルナルヴァのところへ向かえばよかったんだから。


 つまり。


 俺はこの状況に対して1番責任があるんじゃないかな?


 と、なれば……うん。


 考えようでは逆に気楽かもしれない。


 こうして理由が増えれば増えるほど、遠慮なく女神さまの力も使えるし。


 そうと決まればさっそく始めるか!



 準備不足なりに、前回の反省を踏まえまして。


 大規模な祝福はギリギリまで我慢。


 だって反動でお陀仏は勘弁してほしいもの。


 と、いうことで。



「まぁ、そうなるな。どのみち今のレグルナルヴァ……に、は。そしてあの巨人には並みの戦力ではぶつけるだけ無駄な消耗にしかなるまい。よかろう、反乱軍と騎士ゴーレムどもは国防軍と―――ハンターたちで相手するとしよう。なかなか良いタイミングで駆けつけてくれたものだ」



 ここにきて味方の増援。やったぜ。


 ご都合主義ばんざーい。


 とりあえず近くにいた軍人さんに―――おや、貴女はいつぞや治療院でお世話になりましたっけ。


 うん。リズを任せるのにはちょうどいいや。


 ―――よし。



 祝福、起動。


 対象、装備品全て。


 範囲、装着者。


 効果、近接戦闘技能特化。



 どのみち悠長に式陣をばら蒔いてる余裕はないだろう。


 中途半端にトリッキーなことしても、どうせ女神の力同士の反発でオシャカになる可能性も高いし。


 ここはシンプルに。



 ―――殴るッ!!



「フフッ……正面から堂々と来るかッ! その意気や良しッ! エスタリアは姫将軍、レグルナルヴァの武を持ってお相手しようッ!!」



 ◇◇◇



 さすがに素手と剣をぶつける勇気はない。


 武装代わりに黒雷を纏わせて殴っているけれど……。


 硬い。堅い?


 旅の術師という設定上、こういう殴り合いはあまりしないけれど。


 それでも違うとわかる。


 さすがは女神が造った武器ってコトかな。



『あの剣に宿る加護と、ワシの加護との相性があまり良くないというのもあるかのぉ。創造の力は再生の力にも通じるモノがあるけぇ、こちらの火力が足りとらんね』



 まったく無キズではない。


 が、武器へ与えるダメージよりも修復される速度が上回っているらしい。


 さらに祝福で攻撃力を強化しないと……そういう問題でもない?


 詳しい説明は後回しとして。


 とにかく決定的な一撃を加える必要がある……と。


 むむむ。


 それはいいんだけど、コレなぁ、なかなか厳しい―――よッ!!



「まだまだッ! 疾ッ!!」


「―――、―――ッ!!」



 くぅ~ッ!?


 近距離は剣技、距離を開ければ巨人の拳ときたかッ!


 厳しいぞ~コレはッ!


 っと。


 問題はレグルナルヴァ本人を巻き込む可能性。


 それだけは避けないと。


 なるべく範囲を絞り込めて、決定的な破壊力を持つ手札。


 そんなもん俺持って……持って……。


 持って……た、わ。


 しかし、それを確実に実行するには……。


 うぇ。マジか。マジかぁ~……。



『う、う~む……たしかにそれなら……いやぁ、ワシもサポートするがね、そうとう危険じゃぞ? ソレは』



 だよなぁ。


 けれど、うっかり手遅れな致命傷を与えるよりはマシ。


 俺は人の命を奪う覚悟なんて持ってないし持ち合わせる予定もないんだもの、それ意外の部分は諦めないと。


 さてさて。



 祝福、開始。


 左腕、痛覚消去。



 下準備はコレでオッケー。


 あとはタイミングと、レグルナルヴァの動き方次第か。


 それでは―――懐にッ!!



「―――ッ! さすがですよッ! この程度で怯むようではッ! 勧誘するに値しないものッ! さぁさぁさぁッ! もっと私に力を見せてみなさいッ!!」



 よし! 乗ってきたなッ!


 焦るな、俺。


 狙いはすでに絞れてるんだから、その1発を落ち着いて待てばいい。


 ―――。


 ―――。


 ―――きたッ!


 突きの一撃ッ! コレをッ!!



「なッ!?」



 うげぇ。


 痛みは無くても腕に異物がめり込む感覚。


 めっちゃ気持ち悪い。


 むしろ、痛みが無いからこそ酷いのかも?


 だが―――掴まえた。


 切り札、切らせてもらおうかッ! ……の、前に。



 術式“静かなる命の鼓動の種”



「これは……アナタ、なにを―――」



 準備オッケー。


 頼むから、死んでくれるなよ?



 ―――祝福結界、起動。

この1話の展開を数万文字(10話くらい?)書いていた過去の自分に言ってあげたいひと言。


とりあえず、落ち着こう?


やはり、これぐらいのサクサク感のほうが作者の性に合ってますね。反省。

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