ほどほどに戦いを
とりあえず歩いていたら、魔獣が出た。
いわゆるコボルト…コボルド? どっちだろ?
まぁ、アレだよ。
人型の犬。
でも武器らしい武器は持ってない。
小学生が反応しそうな、手頃な木の棒だけ。
「―――、―――!」
襲ってきたか。
オッケー、返り討ちにしてやろう。
俺が今身に付けている服は、実は祝福済みなのだ。
はい。
戦闘描写は必要ないくらいの楽勝。
女神さまの加護、さすがだ。
普通に殴るだけでも強い。
しかし、これは手加減を覚えないと、人間とトラブルになったときに困るかな。
その辺りもボチボチ練習しなきゃな。
で。
解体作業は……どうしようかな。
う~ん……。
あ。
魔獣の死体に祝福かけてみるか。
そうだな、“素材になるパーツ毎にキレイに分解”でどうだ!
はい。
パーツに別れました。
ちゃんとキレイになってる。
そして血液ドバー。
……うん。
次からのこと、ちゃんと考えよ。
さて。
こうなると祝福アイテム、ちょっと作らんと。
アイテムボックス的な物……冷蔵庫でいいか。
普段は指輪で、使うときに自由に冷蔵庫に。
素材はその辺の小石でいいから楽だね。
もうひとつ。
世界を知るための道具。
これは……使いなれてるし、タブレットでいいかな。
カメラ付きのタブレットで、バラバラにした素材をパシャリ。
おー、やったぜ。
解説出た。
ふむ。
肉は食用。
内臓類は薬の素材。
骨や皮は道具の素材。
魔導水晶は燃料か。
なるほど……魔導水晶?
あー、この、宝石みたいなヤツか。
解説によると、これが魔獣の脳ミソ的な役割りらしい。
戦うときは狙えば弱点になるのか。
なるほ……経験値にもなる?
ふむ?
取り込むと……取り込んだ人間、と、魔獣もパワーアップしちゃうのか。
へー。
俺には……関係ないかな?
うーん。
一応、たまにはレベルアップしとくか。
と、いうわけで。
ぼちぼち狩りの時間でも。
生きるだけならお金はいらない。
けど、それじゃ~もったいない。
どうせ帰れないなら、異世界、楽しまないと。
……多少、ヤケクソな気分もあるけど。
で。
色んな魔獣、狩りました。
魔導水晶だけ普通にキープ。
素材は全部、冷蔵庫。
あと、たまにやってくる野性動物にお肉のお裾分け。
魔獣と動物の見分け方は簡単だった。
眼から魔力の赤い光が出てるのが魔獣。
しかし、動物。
人間慣れしてる感じ。
もしかしたら、解体した余りを貰うっての、よくあるのか?
なかなか賢い。
では。
いよいよ街へ向かうとしよう。
タブレットで地図を起動して……あ、けっこう遠いな。
ま、女神さまの加護あるし。
のんびり向かいますか。