どっぷりバトル! 幻栄女王の宴・その1
タイトルは誤字ではないです。
さて。
突撃するのはいいとして。
どこ目指そうか?
やっばり中枢かな?
革命だし、そういうトコは最初に押さえるんじゃないかな。
よし。
疲れてるかもしれないけれど、もう少しだけ走ってもらえるか?
「―――、―――!」
すまん、助かる。
……爬虫類、以外と感情もわかるもんだな。
魔獣だから?
召喚獣とはいえ、なんか愛着が。
ますます使いづらくなっちゃうよ。
ソシャゲでノーマルのカードすら捨てられない人間には不向きだったな。
うむ。
スノーウルフたちにも出番、作ろ。
◇◇◇
門の周辺は人気なし。
偶然か、それとも革命派の仕業か。
十中八九、後者だろう。
ふむ。
市民のみなさんの気配は感じるな。
血生臭い暴動の類いはまだセーフっぽい。
よし。
◇◇◇
おや。
あれは兵隊さんと……あの雰囲気はハンターたちかな?
なにやら揉めてる雰囲気。
どうしようかな。
状況が把握できていないのに突貫かますのはさすがに―――
「さぁ! ムダな抵抗は止めて大人しく恭順しろッ! 新しく生まれ変わるエスタリアのために働けることを、むしろ光栄に思うのが―――」
状況、把握。
ぶちかますぞ、いいね?
「―――、―――ッ!!」
よし。
スピードアップ!
パラリラパラリラ~♪
「……んん? いったいなんの音が―――」
ふんふんフフ~ン♪
飛べオラァッ!!
「ぽぎょんッ!!」
「「た、隊長~~~ッ!?」」
ナムアミダブツ。
まだ生きてるけどね。
さて。
お前さんたち、ハンターだよね?
「あ、あぁ……そうだが」
ちょうどいいや。
ひとつ、依頼を受けてくんろ。
内容は簡単だよ。
市民のみなさんの生命と安全を確保してほしい。
革命家気取りのバカは、なにをやらかすかわかったもんじゃないからな。
必要な犠牲とか言って、街に火を放たれたらかなわんよ。
あ、そうそう。
お金、手元にないんで。
出世払いでここはひとつ。
「……フッ。ハハッ! まったく、突然現れて一方的に言いたいことを言ってくれる。まぁいい。市民の安全だな。いいさ、引き受けてやろうじゃないか。だが、方法はオレたちに任せてもらおうか? 軍人にイチイチ口出しされるのも癪なんでな」
どうぞどうぞ。
でも革命派の……いや。
反乱軍の身柄はなるべく確保で。
このバカ騒ぎが終わったあとに、コイツらを上がどんな判断で処理するかわかんないし。
「生け捕りだな、わかった。―――聞いたなお前らッ! 軍人さんの直々のご依頼だぁ、失敗は許されねぇぞッ! ひとり残らず叩きのめせッ!!」
「「おうッ!!!」」
「なッ!? キサマら、正気かッ!?」
「ソイツはただの3等武官だぞッ!? そんなヤツの言葉を聞き入れるのかッ!!」
「クソッ! だからハンターなんか放っておけばよかったんだッ! こんな品性のないヤツらなんて新生エスタリアには必要ない―――へびゃッ!?」
「品性がなくて悪かったわね?」
「仕方ねぇさ。ワシらぁ普段から魔獣どもと切った張ったばかりじゃからなぁ! さてさて。軍人さんがたよぅ、そんなもんだからよ? 手加減を間違えても堪忍してくれな?」
頼もしいなぁ。
あんなノリと勢いだけの交渉で引き受けてくれるあたり、ハンターたちにも思うところはあったんだろうな。
ただ、切っ掛けが必要だったのかもね。
「あんちゃん、ここはオレらぁ任せて別んとこ行ってくれや。革命派……じゃねぇや、反乱軍だっけ? どこでどんな悪さしてっかわかんねぇからよッ!」