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がっつり調査、怪しいイケメン・その1

 とりあえず。


 オルトロットがウソつきなのは確定でいいんじゃないかな?


 ヤツ本人が盗んだのではなかったとしても。


 それなら人から貰ったと言えば済むこと。


 もちろん、そうじゃない可能性もゼロではないだろう。


 盗んだあと迷宮の奥に捨ててそれをオルトロットが本当に偶然にも拾ったとか、そういうパターンもあるかもしれん。


 うむ。


 可能性は可能性。


 なんだっけ……シュガーなんとかのネコ?


 物事は確定させるまでは可能性なのだよ。


 と。


 いうワケで。


 学生諸君。


 オルトロット先生って、ぶっちゃけどんな人なんでしょ?



「「胡散臭い人」」



 ………。


 マジか。


 もっと好意的な評価が返ってくるかと。


 わざわざセカンダリに様子見来てるし。


 イケメンだし。



「顔が整ってるのは否定しないけど、なんというか……雰囲気が好きじゃないかな」


「丁寧なしゃべり方が、逆にバカにされてる気分になるんだよな」


「なんて言うの? 気配りのできる自分を見せておけば学生なんてチョロいとか思ってそうじゃん?」


「セカンダリのことも気にかけてますよ~、みたいなこと言うわりになにかしてくれるワケでもないし」


「男と女で露骨に態度も違うし。本人はバレてないと思ってんだろうけど、ありゃ女の敵っしょ」



 おやまぁ。


 流れるように不満が出てきたな。


 学生が教師にグチグチ言いたくなる、って気持ち。


 それ自体はわかるけれど。


 しかし、この場合は……どうかな。


 新顔の俺よりも、接する機会はダントツ。


 その学生たちが胡散臭いと断言する。


 それも、普通にガチのトーンで。


 う、うーむ……。


 本人は2枚目気取り。


 周りから見ればピエロ?


 いや。


 道化師は人を楽しませるプロ。


 オルトロットは不快を振り撒いてる。


 なんつーか……なんだろ。


 イケメンだから許される、ってのにも限界はあるんやなって。



 ◇◇◇



「オルトロット……先生ですか? そうですね、個人的な、主観的な評価になりますが……彼がプライマリの教員で本当によかったと思ってます。もしも毎日顔を合わせるとは……あまり想像したくありませんね。不愉快で」



 サミルニールさん、一刀両断。


 不愉快って……そんなに?


 アレかな。


 女性に対しては下心的なモノが見えるとか。



「下心のほうがまだマシですね。アレは女を憐れんでひとり悦に入ってるナルシストですよ」


「女はか弱くて可哀想だから男が面倒みてやなきゃっていう、なんつーか……まぁ、そういう変わった価値観の男だよ。いまどきそんなこと考えるヤツなんてハンターの世界にだっていねーし」



 ウンウンと頷く女性教員たち。


 ちなみに野郎どもに対する態度は至極まとも、とのこと。


 うん。


 たしかに普通の教師って感じだったね。


 表向きは。



「それと、本人は上手く立ち回っているつもりでしょうが、プライマリへの教員の引き抜きを積極的に行っていたあたりも信用がない理由ですね。私も声をかけられましたが……街のゴロツキのナンパのほうが、よっぽど気が利いてますよ」



 そんなにも?


 う、う~む……。


 なんか、俺の想定と全然流れが。



 こういうのってさ。


 アイツが怪しいって疑って調べ始めるけれど、周囲の評価はスゴく良くってさ。


 そんで、実はヒドイ男なんだよって教えても信じてもらえないとかそういう……ねぇ?


 まさかの、そもそも周囲の信用が無いパターン。


 しかも、策士気取りの残念なヤツという評価も。


 そんな男にフローライト奪われたのかと思うと……なんだかなぁ、怒りよりも悲しみが強いわ。



 ま、俺にとっては好都合の部分もあるけれどね!


 フローライトを持ってる以上、エスタリア革命派との関わりがあることはほぼ確実。


 直接か間接か、それはわからない。


 けど、調べる価値はあるだろう。


 今夜にでも、祝福ステルスの出番だな!

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