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しっかり手合わせしてみて

 投げに投げたり100人オーバー。


 我ながら頑張った。


 よくまぁスタミナ切れなかったもんだ。


 訓練兵団でさんざん走り込んだおかげかな?


 おかげで、最後まで祝福を使わずに済んだ。


 ふぅ。


 自己満足というメンツは保てたぜ!



「お疲れさん。どうだい? アンタの完勝とはいえ、後半の連中はなかなかの粒揃いだったろう?」



 ホントにさ。


 掴むまでの道筋を組むのが大変だったよ。


 俺の動き。見て学習してたな。


 それに、単純に動きが良かった。


 逆にね。


 投げ技だけ、と決めてなかったら危なかったかもしれない。


 迷ってたら一撃くらいは食らってたかも。


 ただ。


 ちょっと気になることが。



「うん? あぁ……そうだね、たぶんデュラン先生くらいじゃないかな? 素手での戦いってのは。そりゃ、霊気で身体強化してるとはいえ、武器無しってのはなぁ」



 徒手空拳、需要無し?


 なんというか。


 この世界そのもので、素手の格闘がイマイチな扱いされているような気がする。


 まぁね~、魔法が存在するファンタジー世界だもんなぁ~、素手は発展しないよなぁ~。


 俺みたいに、武器がなくても戦えるようにしとこ……ってほうが珍しいのかもしれん。


 そもそも武器を失くすなよ、と。



「そういうところは一人旅に慣れているデュランさんならではの感覚でしょう。教務主任も言っていたように、だからこそデュランさんの旅のお話は価値があるのです」



 ハッハッハ。


 悪意のない言葉でも受け取り方次第だね!


 旅のお話が1番難易度高ぇっす。


 どうしようかな……。



 ◇◇◇



 腹が減ってはなんとやら。


 ひとまずお昼の時間。


 カツオだしではなさそうだけれど、それでもなんとなく馴染みのある味わいの蕎麦つゆ。


 うーん……アリだな。


 セットの野菜の天ぷらも美味でござる。


 異世界のざる蕎麦、普通にいい感じ。


 ……さて。


 いまのところ、怪しい気配はない。


 露骨に探ることはできないので、こっそり背広の内側に仕込んだ祝福タブレットで探知中なんだけど。


 対象、魔獣の魔導水晶。


 条件、魔力の流れに異変が起きている物。


 まぁね、学院全体は元より、セカンダリエリアだけでもほとんど歩いてないからね。


 そんなにすぐ見つかるようなご都合展開はなかろうさ。


 じっくり探すしかない。



 んで。


 それとは別の問題。


 仮にも教師、やはり学生たちには実りのある時間を提供してあげたいと思うワケで。


 そりゃね? 他の目的、ありますよ。


 依頼として来たってのもあるし。


 ナイフ、探さないとだし。


 でもさぁ……その、事情を多少は聞いちゃったもんだから。放っておくのも忍びないというか……。


 ………。


 カモフラージュ。


 うん。


 任務をスマートに遂行するためには、やはり現場に溶け込む必要がある。


 そして俺は教員。


 学生たちとの交流も必要だな。


 適度な交流を実現するためには?


 学生たちにとって、利用価値のある教員として振る舞う必要がある。


 うむ。


 学院の様子を見ながらね。


 俺はなにをするべきか考えるべ。

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