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サクッと挨拶、学院案内・その1

「とにかく指導員が足りんのです。エレ先生が連れてきたのなら信用できるでしょう。できれば術式以外にも、旅の経験を子どもたちにぜひ聞かせてあげてください。間違いなく喜ぶでしょう」



 それでいいのか?


 仮にも国営だろうに。


 それとも、それだけ人手不足なんだろうか?


 だってなぁ。


 非常勤とはいえ、外部の人間に学院の中を歩かせるワケで。


 もっと色々突っつかれるかと覚悟してたんだけど。



「プライマリの採用試験ならそうかもしれません。もっとも、私の時代とは違い、現在のプライマリでは正規教員以外は存在しないようですが。セカンダリの学生は基本的に平民なので、わざわざ不埒な考えの人間が潜り込む可能性も低いという事情もあります」



 不埒な考えの人間?


 目の前にいるんだよなぁ。


 でも話を聞くと納得できる部分もある。


 この国では……国と言っていいのかワカランが、とにかくここでは学院の権力がダントツらしい。


 それこそ、国家も口出しできないくらい。


 その中で余計なことをしでかして目を付けられたら……そりゃ大変なことになるわよねぇ。


 権力の有効活用。


 仮に平民出身の学生が狙われたとしても、学院の顔に泥を塗ることに違いはなく。


 なんだかんだ貴族に守られてるワケだ。


 とはいえ。


 それでも、最近は少し不穏な空気らしいけど。



「まずは学院の中を一通り案内しましょう。全てを案内するとなると数日はかかってしまいますが、デュランさんに必要なのは主に戦闘と術式でしょうから。もちろん生産学科もぜひ見学してみてください。学生とはいえ、なかなか満足できるモノが見られると思います」



 そもそもいま着てるスーツが上出来だもんな。



 ◇◇◇



 学院の授業形態。


 なんとなくハンターギルドに近いね。


 1年勉強して試験で進級、ではなく。


 生徒の好きなタイミングで進級試験が可能。


 そしてクラスAで卒業。


 クラスSは学院に残ってそのまま職員コース。


 みたいな雰囲気。


 当然、同じレベルで勉強してても年齢もバラバラ。


 刺激や新しい発想を求めて戻ってくる卒業生もいるらしいからな。


 生涯勉強。さすが。



「国民性でしょうね。経験豊富な先輩の……まぁ、場合によっては後輩かもしれませんが、熟練者の存在もまた、良い刺激になりますから。それを知る卒業生が数年後、なんらかの形で学院に。良い循環と言えるでしょう」



 ◇◇◇



 とりあえず、なにをするにしてもお世話になるであろうエリア。


 売店と食堂。


 時間はお昼にはまだまだ早いが、チラホラと食事を楽しむ学生さん……と、たぶん先生。


 どれどれ、今日の日替わりは……ホットオイルのスパゲッティ。


 つまりペペロンチーノですな。


 それにハムのサラダと果物が少々。


 値段が控えめなところがいかにも学食だね!



 売店は……さすがにシャーペンはないか。


 学院都市ならもしかして? とも思ったけど。


 アレかな。


 やはり魔法が発展してるぶん、カラクリ的な部分の進化がのんびりしているのかもしれん。


 でも、もしかしたらそのうち誰かが閃くとかもあるかも?


 他には……ちょっとした食べ物。


 お菓子とか保存食も。


 この辺も学生さんのお手製か。


 ふむ。


 あとで一通り食べてみるか!

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