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コソコソと大義名分を求めて・その3

 俺の部屋リターン。


 もらった資料に軽く目を通す。


 少将閣下の言っていたとおり、当たり障りのない内容。


 普通に遊びに行く前の基礎知識としてはアリ。


 が。


 俺的に遊びに行く前の予備知識としては物足りない。


 そのへんも含めて単独行動のできる人間、か?




 ……うーん。


 やっぱり違和感というか。


 こんな大事なことを頼むほど、俺はいつのまに信用されたんだべ?


『もしくは、それだけこの国に余裕がないか、じゃの~。先の軍人の態度。ありゃあ、なかなか気骨のある善人だがね、そのせいか気苦労しとるんじゃろうなぁ。ワシらから見えている以上に参っておるやもしれん』


 藁にもすがる思いってか?


 それなら納得できなくもない。




 が。


 納得できないこともある。


 あんな……人をバーサーカーみたいな扱いしてくれて……まったくもぅッ!


 結構さぁ、我慢できてると思うんですけど?


『ん~、おヌシのことはフィンブルムに居たころから観察しとったと言っておったよな。と、いうことは国を出るときの様子も知っておるじゃろうし』


 タイミングとしてはそうだろうね。


 それが?


『いや、それがっておヌシ。自分がどんなふうに旅立ちを繰り返したか忘れたのか?』


 どんなふうにって、そりゃあ……。


 ………。


 ………。


 うん……警戒されるわな……。


 俺の中ではそれほど深刻に考えていなかったけど。


 思いっきりバーサーカーしてるわ。


 特に2回目。


 国を相手に。


 警戒されるわなぁ。




 しかし。


 そうなるともうひとつ疑問。


 俺が暴れる前提で引き入れようとしたってこと?


 何者をも受け入れる。


 異世界だし、そんなもんか? 程度の認識だったけど。


 スゴいこう……危険なことやってるんだなぁ。




 ま、いいや。


 政治的なことは政治家をやったことのない俺にはわからない。


 視点と価値観が違うのに、俺の基準でアレコレ悩んでも答えなんて見つからないだろうし。


 ぐぬぬ、俺にもラノベの主人公みたいに万能な閃きがあればッ!


 そういう教育、受けてこなかったもんな~!


 ふふふ。


 さて。


 順番としては。


 ナイフを優先してくれていい。


 その気づかいはありがたい。


 が。


 如何せん手がかりが少ない。


 たぶん革命派の仕業。


 しかし保守派の可能性もゼロではないと言われた。


 閣下曰く。


「私は保守派の人員全てが聖人善人だとは思っとらん。そうならどれだけ私の仕事も楽なものか……」


 管理職、お疲れ様ッス!




 と、いうワケで。


 強化人間計画、追いかけましょう。


 実際、コッチが先でも悪くないと思う。


 ストディウム内で計画が見つかって。


 それにエスタリアの、できれば革命派が関わっているとわかれば。




 堂々と、殴れる。


 大義名分バンザイ!




 気持ち的にもスゴく楽だよね。


 個人的な小さな恨みだけで女神の加護を使うのは、なかなか遠慮というか、制限というか。


 ……え? 別に気にしない?


 与えた加護なんて好きに使っていい?


 いやいや。


 女神さま、そこはほら、気持ちよくぶちかませるのが大事!


 昔、なにかのマンガであったんだよな。


 正義のヒーローも、悪の怪人がいないと成り立たない。


 俺の中で、これは女神チート案件ッ! と、納得できるのが大切なのですよ。




 よし。


 とりあえずは1週間、ちゃんと仕事もやらんとな!


 楽しみが見つかったからと、浮かれ気分で適当な振る舞いを見せるワケにはいかない。


 いまの俺はまだ軍人。


 民間人にカッコ悪いところは見せられないでアリマスッ!


 なんつって。

次回、第3者視点で一区切り。


だいぶ迷走していた様子でしたが、ようやく“らしさ”を取り戻してくれて作者としても一安心ですね。

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