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まさかのいきなり呼び出し

 2日目、夜。


 自室で街の構造を頭に叩き込んでいる真っ最中。


「フェイ……デュラン、起きてるか? まぁ寝てても起こすがな」


 確認の意味。


 それでグリージニア隊長、どうしたんですかね?


「おう。お前、革命派にちょっかいかけられてただろ。それについてウチの大将閣下がお呼びだぜ」


 革命派?


 ……あぁ、なるほど。革命ね。


 専守防衛からの。


 そして大将閣下の呼び出し。


 不安しかない案件なんですが。


「だろうな。アタシがお前の立場なら、まず上の人間を無条件で信用したりしねぇ。ってかできねぇわな。気持ちはわかる……が、諦めてついてこい。お前だって知りたいことも色々あるだろ? 悪いことばかりじゃねぇ」


 たしかに情報は欲しいところ。


 仕方ない。


 ここで断るには、まだ手札が無さすぎる。


 正直、ものすご~くイヤだけど。




 んで。


 連れていかれた部屋の中。


 グリージニア隊長。


 マルライツァー少将閣下。


 と、あとひとり。


 自動的にその人が、だよね?


 いや、でも……そうきたか~。


「初めましてデュラン君。南方グラナーダ領を任されています、ヴェンティ・インペティスと申します。よろしくね?」


 とってもお上品なお婆さん。


 マジか。


 この人が……この人がシャベル担いでドブ掃除してたんか!


「なんの話を……あぁ、キサマらを出迎えたときの話か。ヴェンティ閣下はこう見えても武技も術技もかなりの使い手だぞ? そこのグリージニア大尉が一方的に手玉に取られる程度にはな」


 つまり俺よりは……はるかに強いと。




 さて。


 思うところはたんまりあるけれど。


 まずは話を聞きましょ。


「そうねぇ。まずはこれを確認しておきましょうか。革命派の子たちがね? アナタを戦力として欲しがっているのだけれど……」


 え? もちろんお断りですけれども。


 さすがの俺も人の頭をサッカーボールにしてくれやがりましたお姫さまに従うのはイヤだよ。


「そう。それはよかったわ。アナタを革命派に取られるのはとても困るもの。えぇ、これで安心して取り引きを持ちかけられるわね」


 取り引き?


「そう、取り引き。これはエスタリア国防軍3等武官のアナタに向けた命令ではなく、旅の術師デュラン・ダールへの取り引きのお願いよ?」




 ………ふ~ん。


 この人が上官ならば、マルライツァー少将殿から報告は上がっているだろう。


 なら、俺が術師であることを知っているのは別に普通。


 なんだけど。


 そういう雰囲気じゃなさそうだ。


 もったいぶってる感がそうだもの。




 さて―――()()()()()()()()()




「フィンブルム王国、西方スノール領かしら。鉱山系の迷宮からゴーレムが溢れているのを解決したあたりね」


 あの辺か。


 俺の異世界生活的には始めのころ。


 4国同盟とエスタリアは不仲というし、スパイのひとりやふたりは。


 一応聞くけど、あのゴーレム誘導は。


 違う?


 ブルム帝国と交戦しているスノール領が不安定になると困る。


 なるほど。




「もちろんルジャナでの幻想種との戦いについてもね。もっとも、最終的にはアナタのいたプロミネーズ領ではなく帝都で、それも幻想狩りと呼ばれる謎の集団が仕留めたと報告が届いているわね」


 つまりはボクなんですけどね!


 しかしまぁ、バッチリ調べていらっしゃるねぇ。


 その上で、取り引き。


 部下ではなく、術師としての俺に。


 もしかしなくても無理難題きそうな予感。




「とりあえず……そうねぇ、強化人間計画について話しておきましょうかしら」


 いきなり物騒な単語きたぁーッ!!


 耳を塞いでも……ダメ? はい。

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