そこそこ始まってたハンター試験?
ハンターギルドに素材を売りつつ、異世界生活をのんびりと。
ハンター登録もしない。
商売もしない。
便利な術式道具をばらまいたりもしない。
平和だなぁ。
蝶のそよ風の女の子たちには空間術式バレたけどね。
きっかけはハウリアに使わせたシャンプーの香り。
最初はそこまで気にしてなかったそうだ。
しかし、ある時、ハウリアが湯桶を部屋に運んでないことを不審に思われたらしい。
お湯も無いのにどうやって洗髪しているのか?
黙っているなら危険なことはしていないだろう、と思いつつも、オーナーとしては問い詰めないワケにもいかず。
で、まぁ、見せたよね。
そりゃ、まぁ、驚くよね。
そして何故か。
「では今後、デュラン様がご来店くださいました際は持ち回りでもてなすこと。一人が二夜以上独占することを禁止します」
「「異議なーし!」」
これもある意味ハーレムなのだろうか?
お店の女の子全員で相手してくれるというのなら、こちらもしっかりと稼がねばなるまい?
と、街から出るときに。
「すまんがの、森ハウンドを狩るのは遠慮してやってくれんか? この時期はハンター登録試験に挑むのが大勢いるもんでな」
門番のおっちゃん曰く。
この時期はフォレストハウンドが大量に発生するらしい。
そしてこの街のハンター登録試験の合格条件はフォレストハウンドの魔導水晶。
一人につき三個。
制限時間はソロなら1日、後はパーティーの人数に合わせて長くなるのだとか。
うむ。
そういう理由なら仕方ない。
森の外れ、山のそば。
森犬たちの代わりにコボルトをサクッと。
野犬たちも俺のことを覚えたのか、解体作業の側でのんびりと過ごしている。
ん?
なに、ホネ欲しいの?
こんな固いもの食べるのかよ。
あ、かじるだけ。
なんだろう、歯磨きみたいな、牙の手入れなのかな?
もしくは歯応え楽しんでんのかな。
人間にとってのガムみたいなもんか。
「グルル………」
おや。
何匹か森の方を警戒しだした。
どれ、ミニマップ。
お?
これは……フォレストハウンドか。
スゴい勢いでこっちにくるな。
よし、お前らちょっと離れてなさい。
よしよし、いい子だ。ちゃんとお肉あげるから座っててね。
「―――、―――ッ!?」
ハイ、終わり!
飛び掛かってきたところをカウンターナイフで一撃必殺!
切り飛ばした首を、さっそく野犬たちが……。
うーん、Z指定。
おぇっ。
魔導水晶は後で回収しよ。
よーしお前ら、食べていいよー。
「「ワンッ!!」」
はは。カワイイやつらめ。
「「あぁーッ!?」」
あぁ?