じっくり攻略、訓練ダンジョン・その4
二日目!
ゴブリンタイプを倒しつつ、ちょっと奥へ。
カランコロンと乾いた音が。
「小型二足種、マリオネットタイプ。核となる魔導水晶を破壊できれば苦戦する相手ではないが……」
魔導水晶を破壊。
つまりは経験値を破壊。
もちろん却下デース。
ゴブリンより数が多く、しかも怯まない。
ゴーレム系みたいな無機物だからかな。
せめてもの救いは力が低いことだろう。
3体くらいまでならムリヤリ引き剥がせるし。
油断や慢心がなければ致命傷は大丈夫。
あとは斬って。
斬って。
斬りまくるッ!
はっはっは! 細切れにしてやるぜッ!
……。
…。
ふむ。
ぼちぼち強化。
たしかに魔力酔いは回避できておりますな。
何人かはギリギリらしく、今日はこれ以上はいらないってさ!
コイツらは一応評価の対象なので、余り物はありがたく貯えにしましょ。
さて、次は―――むッ!?
「ね、ね! デュラン、いま! 声がッ!」
シズナに聞こえたなら気のせいじゃないな。
みんな!
「「おうッ!!」」
回収を放棄してダッシュ!
あまり歓迎できない叫び。
人の声と戦いの音。
それが徐々に近づいてくる。
実際はボクたちが近づいて行ってるんだけどね!
血の匂いはしない。
手遅れの気配は感じないが……さて。
「くッ! このォォッ!!」
「正面はアタシらが引き受ける! 急いで後ろに穴開けなッ!」
「クソ、怪我人が多すぎる……ッ! 練度の低い奴らだけで逃げられるか……ッ!?」
「ゴブリンタイプ変異種!?」
「チッ! そういうのもいるのかッ!!」
名前の通り、普通のゴブリンの強化版。
何故か武器っぽいモノを持っている。
それだけの知能があるのだろうけど……うーん? なにか、こう、違和感が……。
っと、今はそんなことを考えてる場合ちゃうねん。
術式“降り注ぐ狩人の氷矢”ッ!
「「―――、―――ッ!?」」
「術式ッ!? 誰が―――顔文字かッ!!」
よしよし。
命中率は4割ちょいくらいかな。
半分以上外れてるけど、祝福なしで、かつ味方に当たらなかったことを考えれば充分でしょ。
そ~れ! 間に割り込めッ!