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じっくり攻略、訓練ダンジョン・その1

 ルームひとつ5人。


 それが5つで25人。


 部隊というより、修学旅行のクラス分けの気分なのは秘密。


 んで。


 魔獣との戦闘経験、俺を含めて8人。


 ダンジョン探索、俺を含めて3人。


 かなり適当に振り分けていたことを考えると、経験者がいるだけ幸運なんだろうか。


 さて。


 とりあえず提案。


 まずは目的を確認しよう。


 俺たちがやるべきこと。


 検定期間中に、指定された素材を必要なだけ集めること。


 オッケー?


「そりゃ、まぁ……」


「それ、わざわざ確認するようなことなワケ?」


 もちろん。


 例えば、どうせなら最速でクリアしてやるぜ! とか。


 例えば、どうせなら1番大量に集めてやるぜ! とか。


 いらん見栄のために余計な苦労するのは面倒だろう?


 検定、つまりは俺たちの能力評価。


 評価となれば、そういうヤツは必ず出てくるのがお約束。


 そして足並み乱れて最低限すら達成できるか怪しくなるのもお約束。


 手段のために目的を見失う。


 はたから見ればただのバカだぜ?


「「あぁ~……」」


 納得してくれたようでなにより。




「うん……すまん、正直、オレそれだわ。フェイスがなにも言わなかったら1番クリアとか言おうとしてたわ」


「わたくしもです。そうですよね、冷静に考えれば、これは優劣をつけるためではなく、わたくしたちの能力の確認のための検定ですものね」


 やっぱりいたか。


 しかし素直に引き下がるあたり、話のわかるヤツでよかった。


 それとも、これも訓練の成果なのかな。


 連帯責任。


 チームワーク。


 だとしたら……いや、たぶんそうなんだろう。


 教官たち、マジすげぇ。




「それでそれで? デュラン、とりあえず最初はどうするの? なにか考えはあるのかな?」


 そう……だな。


 まずは浅いところで経験値稼ぎでいいんじゃないか?


 強行突破なんて論外。


 魔獣との戦闘に慣れつつ、魔導水晶を吸収していこう。


 どうせ指定された素材、奥に行かなきゃ手に入らないべ。


 ついでに、出現する魔物の傾向がわかれば儲け物だが……仮に、指定された素材が全部手に入るものならそれも難しいな。


 色んな魔獣の色んな素材、指定されたからねぇ。


「仮に、って……指定してきたんだから、その素材が採れる魔獣、全部いるんじゃないのか?」


「いや、そうとも限らないだろう。ダンジョン内だからといって、必ず同じ魔獣しか出ないワケじゃない。教官が指定した魔獣は、ここで確認されたことがある魔獣をリストアップしただけかもしれん。そういうことだろう?」


 え? あ、そっち?


 そういえばそうだったね。




 うん。


 俺は別のこと考えてた。


 さっきの余計な縛りプレイの話に戻るけれど。


 教官が意図的にダミーを混ぜてた可能性。


 そっちで考えてたわ。


「えぇ……? そんな、デュランさん、さすがにそれは考えすぎというか……その」


「あらぁ、わからないわよぉ? そういうイジワルなことをする教官もいるかもしれないしぃ。もしかしたら、私たちの判断力とかを試すために……なんてこともあるかもねぇ?」


「目の前に目的の対象がいるのに、無視して存在しない獲物を探す姿はかなり滑稽だろうな。となると、少量でクリア扱いになる素材が怪しいか?」


 例えば、どうせならレア物ゲットしようぜ! とかね。




 とりあえず、最初の数日の予定が決定。


 まずは慣れること。


 急いては事を仕損じる、ってね。


 ………。


 パターン的に。


 なるべく浅い階層で、質より量。


 そっち狙いのほうが楽なんじゃないかな?


 たぶん、他の部隊はみんな奥に行きたがる気がする。


 んー。


 さすがに侮りすぎか。


 決め打ちはよくない。


 臨機応変に対応していこう。

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