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勉強バトル! 鬼(人族)の戦闘教導官・その1

 前に出て拳を突き出す。


 なにか動きがあれば、すぐ下がる。


 ひたすらシンプルに。




「いい動きをするじゃないか。そして素直だねぇ! 対人戦闘にしては少し! 真っ向が過ぎるけどなぁッ!」




 こちらの踏み込みに対して、教官も前に出た!


 手の平は?


 開いてる!


 よし。


「―――ッ!? うおっと!」


 体を丸めて加速。


 どのみち、初心者は急に止まれない。


 止まれないなら―――止まらないッ!




 体当たり……ではなく。


 教官の脇をすり抜けるようにして背後へ。


 とっさのことで向こうはバランスが乱れた。


 このチャンス、逃すワケがない!




 ―――逃げるんだよぉッ!!




 ふぅ。


 適度に距離を保ちつつ、再び向き合う形に。


 一応、膝蹴りの可能性とかも考えたけど。


 向こうも踏み込んできてたし、重心が前にズレていたなら……と。


 結果はなんとか思い通りのものに。


 完全な“待ち”の状態なら危なかったかもしれないね。


 うむ。


 これは一回きりだな。


 次はもうカウンター食らって終わるだろう。




 俺が警戒したのは投げ技。


 いまはまだムリ。


 組まれたら。


 いや、そもそも腕を掴まれた時点でアウト。


 どう対象したらいいのかわからない。


 これがなんでもアリの生存競争なら別なんだけどさ。


 そんときはもう、相手の目玉に指をブッ込むくらいの覚悟を……。


 覚悟を……。


 う、う~ん……やっぱ、できれば遠慮したいなぁ……。


 諦めて祝福でなんとかやるっきゃないね。


 そもそも、向こうもその程度は想定して対策してるだろうし。


 なにせ軍隊の、それも新兵訓練の教官だもの。


 潰しにいった指をへし折られるんじゃないかな。


 ともかく。


 投げ技系は優先度マックスで避けるべし。


 せっかくのお勉強の時間、すぐに終わったらもったいない。


 よし、いくぜ!


 ……。


 …。




 教官。


 やはり桁違いに強い。


 状況を動かしていくために先手を狙っていたのに。


 いくらかの攻防で、いまは向こうのペースに完全に飲まれてる。


 何時間も釘付けにされてる気分。


 もっとも、体感時間は長いけどこれ、たぶんまだ数分しか経過してないパターンだべ。


 あっという間に守りに追い込まれたね!


 ひゅー。


 でもちょっと楽しい!

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