じっくり身体を労りながら・その1
女神チャレンジ~。
女神の祝福で蓄積したダメージを解放してみた!
いえーい。
結果?
無事、死にかけました。
いやぁ~、超絶ヤバめのボスキャラバトル、後遺症もハンパねぇな!
『その反動も我の加護で抑えつけることもできたろうに。ほんに、おヌシも変なトコロで真面目というかなんというか』
仕方ないのだ。
痛みがなければ覚えませぬのだ。
前までは、なんとなく鍛えようかな~程度に軽く考えてた。
けど、アカンね。
本格的に肉体改造しないと。
また。女神の秘宝やそれに類するモノとの戦い。
そのときに備えてね!
「失礼します。お食事をお持ちしました」
キリッとした軍服の女性がカートにご飯を乗せて登場。
3食昼寝付きにこの待遇。
う~ん、気分はVIP!
では……うぉ。
「ムリしないでください。あれだけの大ケガだったんです、見た目の傷が治っても体力はすぐには回復しませんよ?」
体を起こそうとしたらフラついてしまった。
俺だってインフルエンザとかは経験あるし、体力の低下なんて……と、思ってたけど。
いや、これ、マジでスゴいわ。
身体が悲鳴上げるって、こういうのなんだなぁ。
世話役の女性に支えられながらなんとか体を起こす。
メニュー、なかなかいい感じの和食。
1週間でようやくお粥から解放されたか。
アッサリした味付けだが、焼き魚の脂っけがじんわり胃袋に広がる喜び。
そして小鉢のホウレン草のおひたし。
一口つまんで食べれば、これがまたメチャクチャうまい!
助けてくれたハンターも言ってたが、エスタリア、野菜すげぇうまいんだな~コレが。
あー、幸せでごさる。
……で、なんでしょうか?
そんなにじっくり観察しなくてもよくない?
監視って、そういうことじゃないでしょ。
「あ、いえ。その、只人族のかたで鬼人料理を好むかたは珍しいな、と。申し訳ありません、つい……」
あー。
そういえばそんなんあったね。
鬼人料理や森人料理がいわゆる和食系統。
んで、只人族……前世の感覚でいうところの普通の人間は洋食系統。
もちろんソッチ系の食事も大好きですとも。
ただ。
日本での食生活がお米中心だったからねぇ。
異世界転生、だいたい和食の調味料獲得で苦労したり儲けたりしてるけど。
どっちも面倒くさいし、そもそも知識もない俺にはこの世界、超絶ありがたし!
ふむ。
ごちそうさまでした。
「はい。お粗末さまでした。それでは包帯を取り替えますね」
………むぅ。
「ふふッ。いい加減、観念したようですね。これも自分の任務ですので」
こういう経験なかったからね。
治療行為とはいえ、むしろ気恥ずかしい。
まぁ……タオルで身体を拭くのでさえ苦労したからね。
素直にお任せしましょうか。