ピリ辛食材と激辛実験・その2
「好奇心は……ハンターにとって必須……フフン」
さようで。
と、いうワケで。
幸いにして他に宿場を利用している人はいない。
試すには好都合。
何が起こるかわからないからね。
……うん。
ウソです。なんとなく想像できてます。
だって、ねぇ?
俺、日本にいたときゲーム大好きだったもん。
と。いうワケで。
雪ウルフの式陣を展開ッ!
案の定、雪ウルフが現れたッ!
「「お~!」」
ハンターたちから上がる声はのんびり。
そりゃそうだ。
見た目こそ魔獣のアレと同じ。
でも纏うのは穏やかな霊気。
霊気。
そう、俺の霊気に近い性格の霊気を宿している。
あとカワイイ。
カッコいいけどカワイイ。素晴らしいじゃないか。
ふむ。
よし、俺のことは理解できるか?
できる?
そりゃよかった。
とりあえず沼トカゲの肉が焼けているな。
どれ……おお、食べる食べる。
うーん、犬だな。まんま。
ブラシがないのが残念だが、とりあえず撫でておこう。
モフモフ。
……。
…。
「俺は術式のことは詳しくはないが……まぁ、なんだ。スゴいってことくらいはわかるぜ。使い魔っていうんだっけ? たまに見かけるけど、霊気の質が桁違いだ。クラスC……は、ちと厳しいか。うん、クラスDハンターじゃコイツにゃ勝てねぇだろうな」
犬人族だからかな?
ジンガーに撫でられてご満悦な雪ウルフ。
言葉を話すことはできないが、こちらの言葉は理解しているっぽい。
一通り挨拶を済ませたら警戒ゼロ状態。
「いっつもは面倒な相手だと思ってたけど、こうして見ると愛嬌あるわね? なかなか素直だし」
「うんうん、カワイイね! ……まぁ、普通の雪ウルフより強そうだけどさ。私、クラスCだけど勝てる自信ないよ……」
さすがはハンター。
戦闘力については冷静な判断してますな。
ふーむ。
戦力として期待できるかな?
んー。でもなー。
俺、結構愛着とかさ、すぐにさ。うん。
逆にコイツを助けようとして危ないことなりそう。
使い捨てにするのが一番効率的なんだろうけどさぁ~、ムリだよぉ~。
「気持ちはわかるがな。もう少しな、せめて感情を持たない状態なら遠慮なく使えたかもしれんが」
ねー?
さて。
もし俺の予想通りならば。
左手の手首に式陣をコピーしましてー。
あ、でもそのままだと微妙だな。
リング状に変えちゃえ。
よす。見た目よさげ。オサレなタトゥーっぽい。
―――戻れッ!
「「おぉ~!」」
フッフッフ、思った通り!
とりあえず実験はこんなもんでいいだろう。
魔導水晶の式陣。
なかなか興味深いじゃないか!
……うん?
何か忘れてるような……。