まったり帰宅、したけれど……?
バルドークとギルザ、しばらくして回復。
遺跡の中はあいかわらず殺意マシマシの寒さだったけど、外は暖かくなってました。
おかげで休憩も気楽でしたよ。
んで。
俺は正直満足したから帰っていいんだけど。
調査部隊はそうもいくまい?
いうて、戦ってたの入り口だし。
「いや……そうだな。リーダー権限で調査は中断する。吹雪も治まったことだし、今後は本格的な調査も可能だろう。俺たちがムリをする理由はない」
ホークアイ、冷静。
さすがに元のパーティーでもまとめ役やってるだけある。
不満そうなのは案の定、若手ふたり。
だが文句を口にすることはなく、静かに俺を睨むだけ。
……なぜ?
うーん、まさか最初のアレ、そんなに根に持たれるとは。
ジンガー、キルシア、ラムステラの3人はもともと依頼外なので問題なし。
ただ、ジンガーからは装備の修理待ちの間、なにか狩りに出ようと誘われた。
うむ。
正直、今回は俺も疲れたからね。
どこかもう少し気楽に歩ける場所にしよう。
帰還道中?
カットだッ!
……。
…。
と、いうわけで。
デンジャラスなお土産ふたつ。
困ったのはギルドの職員。
説明をしたものの、まぁね、精霊なんて信じられないよね。
野次馬してたハンターたちの反応もそんな感じ。
うむ。
ならば試してみればよろしい。
じゃ~ん!
ラービーナの魔導? 水晶~!
やはり体験するのが一番手っ取り早いからね。
では早速、封印を解きま……あれ? みんな?
「オーケイ、わかった。デュラン、俺たちが悪かった。疑ったことは謝る。マジで、うん、本気で心から謝罪する。だからよ、だからその危険物を今すぐしまってくれッ!!」
えー?
ちょっとくらい試してみない?
とりあえず即死はしないと思うよ?
はい。
ガチで睨まれたので大人しくしまいましょ。
だいたいクラスが上のハンターたちが面白い反応だったな。
たぶん危険に対する嗅覚が鋭いんだろうね。
クラスD以下のハンターたちはイマイチわかってない感。
ま。
とりあえず俺たちの言葉は信用してくれたっぽいのでよし。
「実物を見せられたのでは、納得するしかないですよ。ほんの少し漏れ出した妖気だけでも背筋が凍るかと思いましたよ……」
はっはっは。
で……これ、どう管理する系?
「アタシとしてはアンタに預けときたいところだがね、まぁギルドとしてはそうも言ってらんないのが厄介だねぇ」
いわゆるギルドマスターのバアちゃん(本人がこう呼べと言っているらしい)も苦笑い。
一応、俺の個人的な獲得物。
けど、なにせ地域に問題起こしてたシロモノだし。
区長さんとか、あるいは領主さまに報告も必要だしょ?
仕方ないにぃ!
「いや、そうじゃなくて。なんか起きたらアンタに止めてもらおうかと思ってねぇ。一回やったんだから余裕だろ? ウチのガキどもにそんな危険なモンの後始末はさせらんないからね!」
ケラケラ笑うギルマス。
おい。
結局、魔導水晶も精霊結晶もギルドの管理に。
もちろんなにかあれば俺もすぐに協力するつもり。
うむ。
やることやったし、今日はもう寝よう……。