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ほのぼのおでんタイム

 のれん。


 のれんだ。


 ガチおでん屋さんじゃん。


「ここは俺の行き付けでな。味もいいが値段も優しいんだ。……じゃまするぜー」


 ガラリと扉を開ける音。


 いやん、日本を思い出しちゃう。




 店の中もこれまた和風だなぁ。


 甚平姿の鬼人のおっちゃんと、店内を満たす醤油の香り。


 小ぢんまりとした作りにお客さんがチラホラ。


 鬼人とエルフかな。




 ボルバンに言われるままにカウンター席に。


 うわっ、うまそ。


「らっしゃい。何からお出ししやすか?」


 迷う。


 前世含めて久しぶりだからなぁ。


 うーん、こういうときは。


 お任せで。


「へい。それでは順番に」




 飲み物は名前を見てもわからんので水で。


 オレンジジュースとかくらいはわかるけどさ、おでんに甘い飲み物はなぁ。


 アレだよ。


 久しぶりのおでんだから純粋に味を楽しみたい的な。


「へぇ。なかなか“通”なこと、言うじゃねぇか。さて、酒じゃないが……乾杯」


 乾杯。




 おでん、うまし。


「それで、お前さんけっこうな使い手だがよ。この街にはなんでまた?」


 来たか。


 他愛の無い世間話だろうが、こっちは設定組んでおかないといけないってのが辛いところだぜ。


 俺は術式の研究を趣味にしている風来坊。


 路銀が尽きて換金に立ち寄ったってな。


「ほーん。面白い生活してんだな。でもハンターギルドも術式協会にも所属してないと不便だろう?」


 ハンターは依頼が面倒。


 協会には求める物がない。


 カッコつけて言ってるけれど、その実態は何も知らないだけという。


 いいんだよ、下手に知ったかぶりすっとボロ出るから。




 しかしそこはハンター。


 自由に生きる性分なのか、俺設定にも共感してくれるようだ。


 どんな場所を巡ってきたのか聞かれたけれど、それはお前が冒険するときにネタバレなっちゃうから。


「はははッ! 確かにな! なんでも先に知っちまったら面白くねぇわな!」


 気さくなヤツめ。


 しかし、ラノベとかだと案外こういうのが鋭かったりするんだよな。


「おやじぃ~、熱燗もう一本つけてぇ~」


 上機嫌で空の徳利をフラフラと。


 あ、これは大丈夫なヤツだわ。




 しばらくして俺はお暇することにした。


 この後、お楽しみの時間なんでね!


 ふひひ。




 ちなみにボルバンはまだ呑むらしい。


 イメージ通りの飲兵衛め。


 しかし付き合いやすい感じなのはいいな。


 何かあれば相談してみるか。

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