表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

元マリオネットは返答を得る

大変難産で苦労致しました。甘々をもっと上手に書けるようになりたいです。


「………リン?」


「………………。」



あれ? いま、私は、何を?

つい口走っちゃったけど、あれ?



───……私、セオの事が好き。



っっっ!!!

私、何をいきなり告白してっ!?


「あ、違!いや違わないけど、違うのっ!」


つい後退ろうとして椅子がガタッと鳴り響く。


こんなっ、こんないきなり告白なんてするつもりなかった!女の子として意識して貰えれば、今はそれで良かったのに…っ。

パニックになった私はもう何を言いたいのか、言い訳したいのか、否定したいのか。自分でもわからなくて涙目になってしまった。


「リン、落ち着いてください。」


「うぅ~……っ」


「リン───いえお嬢様。」


「!」


明確な線引きの言葉に思わず息をのむ。

待って。まだフラれる覚悟も、何も出来ていない。


「お嬢様の、感謝や好意を伝えられる時に伝える、という行動は大変すばらしいと思います。ですが……その。例え相手が私であろうと、異性に好意を伝えるのはお控えなさったほうが宜しいかと存じます。」


「───は?」


「男は単純なんです。勘違いする男が必ず出てきますので。」


「なっ!」


最初は意味がわからなかったけど、付け足された言葉でさすがにわかった。


「た、確かに感謝は性別関係なく伝えるけども!異性への『好き』は特別だもん、今まで誰にも…っセオにだけだよ!」


「!」


とんでもない注意に反射的に反論したら、逆に驚いた顔をされた。

まさか誰それ構わず好きだって伝えてると思ってたの?さっきの告白は、ただ普通の好意を伝えただけだって?

好きって言っても伝わらないって、恋愛対象に見られてないにも程がない!?



……うん、もういいや。フラれても。

それより()()()()()()()()()って、伝えたいから。



「私は、セオが好きだよ。操り人形だった時から、ずっと好きだった。誰よりも、異性としてのセオが好き。───大好き。」


「………。」


真剣なんだって伝えたくて、必死に目を合わせ続ける。

沈黙が怖い。セオの表情からは、何の感情も読み取れない。



「……これ、夢ですかね。」



ようやくセオが呟いたセリフは、私をガックリさせるのに十分な威力で、思わず項垂れた。


「……前世今世あわせて初めての告白を夢扱いされたら、さすがに泣くよ?」


「すみません。ですが、さすがに私に都合が良すぎる気がしまして。」


都合?

意味が分からず顔をあげると、何故か困ったように微笑んでいた。


「昨夜まで、私はリンに異性として見られていないと思っていました。好意を寄せられているのは気づいていましたが、私は女性に異性として好かれることがありませんので。きっとリンもそうなんだろうとずっと思っていました。身分も違いますしね。」


「え?でもセオって背も高いし顔も整ってるし、モテそうに見えるけど。」


「見た目はそのようです。ただ私はネイア曰く『淡白な冷血人間』だそうで。確かにその通りなんですがね。」


待って、つまりどういう事?

私、好きだって態度は全然隠してなかったよね。理由をつけては会いに行ったり、手料理やお菓子を差し入れしたり頑張ったよね?メイドさん達には言わなくても伝わってたよ?


でもそういえばネイアも言ってたっけ。

確か『見た目が良くても中身がアレじゃねぇ』って、夫にしたいランキングで常に最下位に近い、って。

淡白で冷血って…、セオは優しいし素敵だし、そんな事ないと思うんだけど。


「ですので私の事は【恩人】として、好いてくれているのだろうと思っていたのです。」


───恋愛対象に見ないんじゃなくて、そもそも全然伝わってなかった?

あれ、セオって意外と鈍い?




「ですがリンがデートを望んだと聞き、少し期待をしてしまいました。」


「え。」


「きっとそういう感情からではないと自分に言い聞かせましたが、期待は膨らむばかり。リンといると自分の感情さえコントロールさえ出来なくて困ります。」


それってつまり……?


胸がキュウッと苦しくなる。心臓の鼓動がドクドク言ってるのが自分でもわかるし、身体も頬っぺたもカッカと熱い。


「ずっと望んでいて、けれどありえないと自制しようとしていたのに、そのありえない事が起こったんです。夢だと思ってしまっても仕方ないと思いませんか?」


そんな私にセオは、ありえないくらい甘く、優しく微笑んだ。



「貴女が私を望んでくださるのなら、私も遠慮は致しません。貴女を愛しています、リン。私の妻になっていただけませんか?」




恐らく次でデートはラストです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ