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闘技場の解説者  作者: 破壊と絶望の申し子
3/10

身体能力測定

4/8 内容を少し修正しました

階段を降りると、大柄な男性が待っていた。スキンヘッドに黒い顎髭で顔もいかつく右頬に大きな縦傷がある。全身ムキムキすぎて怖い。俺に気がつくと声をかけてくる。


「アルさんから聞いているぞ!俺の名前はマリオス・カストレイヤだ!よろしくな!」

「ロイ・フロイスと言います。よろしくお願いします。………ん?カストレイヤ?」

「ああ、オレリアは俺の妹だ!」

「えっ…ええええええぇぇぇ!!?」

「まあ良く似てないと言われるな!ははは!」


この筋肉ダルマとあの美女が兄妹……?マジかよ。あれかな?義理の妹とかかな?マリオスは話を進めようとする。


「よし!では時間も勿体無いし、広い部屋まで歩きながらでいいか。何にも知らないという話だからまず説明するぞ」


話を聞いた感じこういう事らしい。


身体能力のパラメーターとして、


HP…………… 生命力の量

MP…………… 魔力の量

力……………力の強さ

耐久力………肉体の頑丈さ、スタミナ量

魔法耐性……魔法に対しての耐性

素早さ………動きの速さ、反応速度

賢さ…………頭の回転の速さ、知識の量


これらを測定する事で数値化するらしい。ただ、HPは定義し辛いし、実際に測るわけにもいかない。耐久力の肉体の頑丈さや、魔法耐性についても同様だ。この3つに関しては実際に戦闘を経て自分で学んでいくものだ。魔法耐性は魔法を使えない者だと、ほぼ0なのだそうだ。そして、〈人族〉の初期パラメーターは


HP……………5

MP……………5

力……………… 5

耐久力…………5

魔法耐性………0(魔法士は5)

素早さ…………5

賢さ……………5


らしい。測り方は力なら握力を調べたり、数kgある鉄球を投げて飛んだ距離を測ったり、ある程度物質を破壊して攻撃力を測ったり、色々な面での力を測る。そしてその結果から数値を割り出すのである。賢さは敵と遭遇した時の対処の仕方、またアイテムや、魔法についてどれだけ理解しているかで数値化される。また、魔法を行使する際に賢さが低かったら適性があったとしても上手く発動せず、効果は弱まる。


ちなみに、賢さを測る問題では、過去にこのような問題が出た。


問: 目の前に3体の狼型魔物が現れました。1体は前に、もう2体は後ろにいます。後ろの2体は足を怪我していて動きは鈍いようです。敵の実力は1体なら問題無く倒せますが、2体同時だとやられてしまいます。あなたは相手を1回だけ一定時間拘束する術を持っていて、剣を所持しています。安全に勝つにはどうすればいいでしょうか。


脳筋[戦士]Mさんの解答


「突っ込んで目の前のやつからぶん殴る!」


[魔術士]Oさんの解答

「前の魔物と比べて後ろの2体は動きが鈍いため、後ろに下がって魔物同士の距離を広げる。そして前にいる1体を剣で速やかに倒し、後から来た2体の片方を拘束。そして拘束してない方を倒し、残った1体も倒す。以上。」





Mさんに対して試験官のコメント: せめて剣を使って下さい。


Oさんに対して試験官のコメント: 中々いい解答だと思います。もちろん不測の事態に陥り上手くいかない事もあるでしょうが、きっと乗り越える事が出来るでしょう。あなたのこれからに期待しています。



Mさんってヤバいな…てかこんな人いないか普通。多分Oさんが模範的な解答で、Mさんがダメな例の解答だろう。ダメってレベルじゃないが。


「よし、説明も終わった事だし、まず力を測ってみるか!測定器用意してくるから準備体操して待っててくれ!」


そう言ってマリオネは部屋の奥の扉に入っていった。数分後準備体操が終わったところで帰って来た。


「まずは握力測定だ。上限が100kg、300kg、500kgの3つがある。俺は握力が412kgあるから500kgのやつで測ることになるな。ロイ、とりあえずお前は初めてだし、100kgからいってみるか」

「そうですね。測ったことないですし、100kgからいってみましょう」


正直100kgは軽くあると思うが、まあここは先輩のマリオネさんに従っておくか。


「それじゃいきます」


軽く力を込めた。


ミシミシ……メキッ!!!


握力計は針が振り切れて壊れてしまった。持ち手に関しても自分が力を入れた部分に手の跡がクッキリと残っている。


「ほ、ほほう…。な、中々力があるようだな…。次は300kgいってみるか?」


「そうします」


300kgの握力計を手に取り、力を込めた。


ミシミシミシ……メキョ!!!


さっきの握力計と同じものが出来上がった。マリオネは口を大きく開けて驚愕している。動く様子が無いので、自分で500kgの握力計を取りに行く。


握力計を手に取り、かなり力を込めた。


ミシ…ミシミシ……ミシ…………ベキャ!!!


マリオネの方を見たら口をパクパクさせて目を見開いて驚いていたが、頭に血が上りすぎたのか、ぶっ倒れた。側に測定結果が自動記録される魔道具があったため、順番に測定していき、3時間程で全部終わったが、何やら測定結果がおかしいことになっている。どういうことかと聞こうと思ったが、未だマリオネは寝ている。仕方なく担いで階段を上がって行く。


「あらお疲れ様……ってお兄ちゃん!?どうしたのロイ君!何があったの!?」


オレリアは俺に抱えられたマリオネを見て驚いて駆け寄ってくる。本当に兄妹なのか…?見比べても似てなさすぎる。


「ちょっと気絶したみたいですが、大丈夫ですよ。それより測定結果がおかしいのですが、これどういう事なんでしょうか?」

「ちょっと気絶って一体何が…まあいいわ、後でお兄ちゃんに聞くから。ちょっと紙見せて……っ!?あなたこれ……?」


測定結果が文字化けしてて読めないのだ。オレリアに聞こうと思ったら、彼女は信じられないものを見たかのような顔をしている。どういうことだろう。


「…ん?あれ、俺は……」


マリオネが目を覚ましたようだ。キョロキョロと周りを見て俺を見つけると、すごい勢いで詰め寄ってくる。


「お、おい!さっきのアレ!お前どういう力をしているんだ!?」

「お兄ちゃん待って!聞きたい事は山ほどあるだろうけど、アルさん交えてにしましょ。あ、ロイ君は終わったからもう帰っていいわよ」

「あ、そうですか。で、あの結果はどういうことなんでしょうか?」

「詳しいことは後で教えるわ。あと今日中に探険者カードも出来ると思うから、アルさんに渡しておくわね」

「わかりました。そういう事なら。失礼します」


軽く頭を下げて建物から出る。よく分からないが、待てば何かしら分かるだろう。お腹空いたし何か食べて帰ろう。




小ネタみたいなものですが、問の解答をしたMさんとOさんは駆け出し時代のマリオネオレリア兄妹です。0点とほぼ100点の解答をした兄妹という事で、この2人の解答が例として上げられる事になりました。


ちなみに結構年月も経ったため、今のマリオネなら未だにバカですが、20点ぐらいの解答は作れるようになりました。


「目の前の奴を拘束して、ぶん殴る!」


コメント: 「いや、だから剣使えっての」

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