世界パーソライト協会
魔族以外の一般人から採れる、魔術粒子が濃縮に濃縮を重ねてできた宝石をパーソライトという。
パーソライトとは、人の石という意味がある。
このパーソライトが認識されるようになったのは15世紀に入ってからとされる。
聖職者階級に多かった魔術師は、その研究の過程で、特定の人にだけに発症する胆石のような猛烈な腹痛と、それの突然の消滅を確認したとされる。
その人物が亡くなってから、腹部を切開すると、半透明のガラス状物質が出てきた。
いま、この時に取り出したとされるパーソライトは、イギリスにあるアマーダン教会付属博物館に収蔵されている。
また、この取り出した人物によって、パーソライトと命名された。
このパーソライトの発見により、魔術粒子の研究が進みだした。
パーソライトは魔術粒子の塊であり、それが人体による生物濃縮を起こし、魔術を行うために必須である元素である魔術元素の塊だということもわかった。
100年かけての研究の成果である。
そして、そこから魔術を行うための仕組みも判明し、一層重要視されることとなった。
人から採れるのはごくわずかの場合もあるし、数キロという巨大なものが採れるということもある。
最大のものは15キログラムという記録が残っている。
これらは大変貴重なものとされ、天文学的金額がつくこともあった。
それも大きいものほど高い。
18世紀に入り、これらの価格統制を目的として、パーソライト協会が設立された。
国家機関を除き、全てのパーソライトはこのパーソライト協会が保有し、レンタルするという形をとった。
19世紀には世界パーソライト協会と称し、各地域や国ごとに支部を作ることとなった。
これらにより価格の異常な上昇は抑えられ、少なくとも、投機的な値動きをすることはなくなった。
だが、20世紀の半ば、特定の大きさ以上をオークション形式で販売することが決定。
大きさ1cm以上はすべて競売とされたため、これ以上の大きさのものの価格は暴騰した。
品薄となったため、これ以下の大きさのものもあっという間に価格が上昇し続けた。
このオークションについては、世界パーソライト協会と出品者で折半されることとなっている。
今では1cmのA級クラスと呼ばれる上から3番目のものであっても数千万から数億が相場となっている。




