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魔王の娘は最強過ぎた!?  作者: えびふらいのたるたる
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街へ入ろう!…入れるよね?

「お嬢様が見えてきましたよー!」

「お、やっとついたわね。」

あれから北へ進んでキローク王国の都市を無事発見することが出来た。


キローク王国の南門は閉まっている。都市の南側が戦場になっていたのだから当たり前だが。


ミルが尋ねてくる。

「お嬢様容姿をそろそろ変えておいて下さい。」

「そうね。忘れていたわ。」


元々魔界の人間の見た目は人間界の人間と変わりないのだが額の所に注意して見るとわかる程度の角が生えている。


魔界から人間界に渡っているのがこちらの世界でバレると面倒事になるので角を消し、東側へうつり、東門から入国することにした。


「止まれ!!お前達、何処から来た。」

東門の兵士に止められる。


予想通りの事なので、ミルに前もって作ってあった話をしてもらう。

「私たちは獣人の大陸から来ました。私が、捨てられてからずっと両親を探す旅をしています。この女性はその途中で友人になったものです。」


「ふむ。事情はわかったが、なにか身分を示すものはあるか?なければ銀貨4枚で入国証をつくるが。」


(お嬢様どうしましょう!?魔界の身分証は提示出来ませんし、こちらの世界のお金なんて持ってませんよ!)


(お、お、落ち着くのよミル。お願いすればきっと何とかなるわ)


バレないように小声で話すミルと私。

(頼んだわよミル!)


「じ、実は、身分証もお金もないのですが、なんとか入れてもらうことは出来ないでしょうか?」

「それは無理な相談だな。どうしても入りたいのであればここでヒール草の買取をしているからそれを3束見つけて来てくれるなら、銀貨2枚と許可書を発行してもいいぞ。」


「分かりました!見つけてきます!」


ミルはわかりやすく喜んでヒール草を探しに走り出すがすぐに振り返って戻ってきた。

「あ、あのぅ…ヒール草ってどんな草なんですか??」

「……」


兵士も呆れたような目でこちらを見ている。

「はぁ…ヒール草なら現物が隣にあるから見てから取りに行ってくれ。」

「あ、ありがとうございます…。」

流石にミルも恥ずかしかったのか顔を俯かせながらお礼を言っている。

ヒール草は普通の緑色の草だったが葉にうっすらピンクがかっているもののようだ。


現物を見た私たちは探しに行ったのだが、思ったより見つからない。


「ミル、そっちにはあった??」

「ありませんね。なかなか見つからないですぅ。」


森の方へ行かなきゃないのかしら…?


「お嬢様の召喚術でヒール草やお金も召喚出来たらいいんですけどねー」

「そんな事出来るわけないじゃない。それが出来たら苦労しないわよ。」


ん…?召喚術?


「ミル、ナイスよ!」

「へ?」


ミルが頭の上に?マークを浮かべているが気にせずに私は召喚術を使った。


「召喚…オリジンフェアリー」


出てきた妖精に私は頼む。


「ねぇ、ヒール草っていう草を見つけれない?」

妖精ならそういうのも分かるのではと思ったのだ。


緑色の妖精はコクリと頷き、さっきまでいた門の方へ向かっていく。


「えっ、そっちにあるの?」


門の50m手前ぐらいの所で止まった。

「なんにもないわよ?」

緑色の妖精はクルクルと飛び回っている。

その時ミルが言う。


「お嬢様、もしかしたらこの草がヒール草なんじゃないでしょうか?」

「え?でも周りに生えているものと何も変わらないわよ?」

周りを見渡すが全て同じものに見える。

「とりあえず抜いてみましょう。」


「「あっ!!」」


ミルが抜くと私達は思い違いをしていたのだと気づく。

抜いてから、段々葉の方がピンクがかってくる。

「地面から抜くとピンクになるのね!」

「みたいですね!」

それから私達はオリジンフェアリーに導かれながらヒール草を抜き集めて、5束集めた。


「これで入れますね!」


私達はまた門の兵の所へ行き、ヒール草5束を許可書と銀貨6枚と交換してもらった。


「許可書の期限は2日後までだからそれまでに身分証をギルドで発行してもらうんだぞ。発行したらその許可書はギルドに返してくれたらいい。そしたら銀貨2枚が帰ってくるからな。」


私達はお世話になった兵士さんに挨拶をして街に入った。


「疲れたわね。まさか入るだけでこんなに時間がかかるとは思わなかったわ。」


既に日が沈み始めていた。


「こんなにかかるとは思いませんでしたね。では、早速宿を探しに行きましょうか。」


「そうね。早く宿を見つけてご飯にしましょう。」


思えば、朝食を食べてから何も食べずに今までいたのだ。お腹も減っている。


「そうですね。宿…どこにあるんでしょうかね」

ミルが呟くと近くにいた子供がこちらに走り寄ってきた。


「おねーちゃん達、宿を探してるの?ボクの所に泊まりにこない?今は、その、ちょっとお客さんは少ないけど、お父さんとお母さんの料理はとっても美味しいんだよ!」

「お嬢様、どうします?」

「どうせ行く宛もないのだしお世話になりましょう。」


「やった!ボクはカロ!宿はこっちだよ!着いてきて!」

カロについて行くと立派な宿屋があった。

「いらっしゃい。あら、カロが連れてきてくれたの?ありがとうね。」


「うん!おねーちゃん達泊まってくれるって!」

「いらっしゃい。うちは1泊銀貨2枚、2食付きで、お風呂は悪いけど故障中だから体を拭くタオルとたらいに張った水くらいしか出せないよ。」

「2人で1泊。ご飯は今からすぐ食べれる?」


「あいよ。銀貨4枚ね。ご飯はすぐに準備するから少し待っとくれ。これが部屋の鍵だよ」


私達は鍵を受け取り部屋に行く。思ったより立派な部屋だった。

内装を確認しているうちに呼ばれる。


「ご飯の準備が出来たよー!」


私たちはすぐに食堂に行って、ご飯を食べる。

「お嬢様、これ美味しいですよ。」

「これも美味しいわ。カロの言った通り本当に美味しい料理ね。」


2人で食べ進めていると、男の人が近づいてくる。


「カロの父親です。ご飯、美味しいと言ってくださってありがとうございます。宿の自慢の料理、堪能してください。」

「ええ、美味しく頂くわ。」


本当に美味しい料理だったわね。

私達2人はご飯を食べた後、疲れていたのか、部屋に着いたらすぐにベッドで寝てしまった。


明日は身分証の発行をしなきゃね。

宿の方も何やら訳ありの様子ですね。

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