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奴隷商人は嘘をつかない  作者: 狼子 由
第1章 Beautiful Stranger
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8 奴隷商人なの?

 朝までに何とかたどり着いた麓の町で、オレとサクヤは素直に並んで開門の時間を待っていた。

 開門の合図が鳴ると、小さな町の門前は少しだけざわつき出す。とは言っても小さな町だ。訪れる旅人も定期的にこの辺りを回っている行商人が少しいるくらいなもの。役人が1人ずつチェックをしてから町に通しているけど、しばらく並んでいればすぐに順番が回ってきそうだ。


 隣のサクヤは、会ったときと同じように目深にフードを被っている。

 その身体がさりげなくオレに近付いて、甘い声で耳元に囁きかけてきた。


「……これを」


 サクヤの細い指先が、するりとオレの手に絡められる。

 その感触があんまり滑らかだから、何かを期待してうっかりどきどきしちゃうんだけど。こちらの思惑とは無関係に、手の中に何か固くて薄っぺらいものを捩じ込まれた。


「……身分証?」

「順番が来たら、役人に渡せ」


 わざわざオレの肩に手をかけて、背伸びしてる。潜めた声が温かい息を伴って、耳の中に吹き込まれた。

 この何とも言えずぞくぞくする感じをどうするべきか……判断し切れずにいる間に、勝手に近付いてきた身体はまた勝手に離れていった。


 こら、誘惑するだけして放置かよ。

 だいたい何で自分でやらずにオレにやらせるんだ。オレのこと何だと思ってるんだよ、と聞きたいけど、聞くと後悔しそうなので黙っておいた。


 胸中に渦巻く反発の気持ちをよそに、役人は無愛想にオレ達の順番を告げる。


「次」


 オレはさっきサクヤに渡された身分証を、黙って役人に見せた。

 身分証を見た役人が、書類の書き込みをしながら呟く。


神無器かんなぎ 朔夜さくや……奴隷商人か」


 奴隷商人の身分証なんて便利なものを持ってるな、と改めて感心した。奴隷商人なら仕入れや売買のために、身分証のない奴隷を連れて歩くのが当たり前だ。オレの身分証は泊まっていた宿に置いてきてしまったので、本来なら町にも入れず立ち往生するとこだったんだけど。

 サクヤの身分証のおかげで、簡単に町に入れるならありがたい。


 国によって発行基準の違う身分証は、正直に言えばそんなに信頼度の高いものではない。裏ルートを探せば意外に簡単に手に入ったりする。それでもないよりマシってもので、各国で採用している身元保証だ。

 勿論、サクヤは魔法使いだから、魔法で偽造も出来るのかも知れないけど。


「後ろが商品か?」


 役人が顎で指したのは、フードを被ったままのサクヤだった。

 言われて初めて気が付いた。身分証には名前や職業なんて情報だけで、顔や身体の特徴すら書いていない。どうやら第三者の目線では、身分証を差し出したオレが奴隷商人に見えるらしい。背後に立ってる怪しい姿のサクヤが奴隷に見えるんだ。


 なるほど、サクヤはこれを狙ってたのか。

 役人と会話するなら、フードを取って受け答えする必要がある。顔を晒したり声を出すことを、最小限にしたいのだろう。


 そもそも追いかけっこの時からずっと、何であんなださいフードを被ってるのかと思ってたんだけど。

 顔を見て分かった。あの可愛い顔を出して歩けば、トラブルを呼んでいるようなものだ。実際の性別が男にしろ女にしろ。


 そんなことを考えていると、いつの間にか立ち上がった役人がサクヤに歩み寄っている。


「一応、改めるからな」


 オレもサクヤも答えを返さない内に、役人が勝手にサクヤのフードをめくった。

 雑な手付きにサクヤが鬱陶しそうに眉をひそめる。その顔を見て、役人の手が一瞬止まった。しばらく無言で舐め回すように見つめている。

 サクヤが嫌そうに顔を背けた。本気なのか、そういう役作りなのかは、この状況からはちょっとよく分からない。

 商品の様子を気にかける程度、と心掛けながら、オレは役人に声をかけた。


「何かまずいことでもありましたか?」

「……いや――」


 役人は視線を外すのが勿体ないってくらい穴が空くほどサクヤを見つめてから、ようやくオレに答えを返した。


「――あんた、これは随分な商品を仕入れたらしいな。もし買い手が決まってないなら、紹介するぞ」

「あいにく大金持ちのぼっちゃんの所に身入れするのが決まっててね。客を紹介してくれるなら、またの機会に」


 オレが肩をすくめて見せる。

 その答えで途端に興味を失って、つまらなそうに机に戻って行った。それでも何だか諦め切れない様子で、時折サクヤを盗み見ながら、書類に判を押してくれた。


「……行っていいぞ」

「どうも」


 振り向くと既にサクヤは元通りフードを被っていた。後ろを付いてくるのを気配で確かめながら、オレは早足で町の門をくぐった。

 背後から向けられる舐めるような嫌な視線を感じていたけど、オレもサクヤも何も言わなかった。


 門を離れて町中をしばらく進み、視線が無くなったのを確認してから改めて後ろを振り向く。サクヤも気を緩めたのか、小さく舌打ちをするところだった。


「……下種が」


 相変わらず、綺麗な声なのに口が悪い。

 声を聞くとまだ女のものだったので、どうやら『戻って』はいないようだ。


 心底、嫌そうな声。どうもさっき役人に向けた表情は芝居ではなかったらしい。


「まあ、そう言うなよ。あんたみたいなの見たら、誰でも同じような反応になるだろうさ」


 別に役人を庇う必要もないんだけど、一応フォローを入れておく。ついついサクヤを眺めてしまう気持ちは、正直分からないでもないんだ。

 そんなオレの気も知らないサクヤには、ますます嫌な顔をされたけど。


「さすが、あの変態の弟子だけあって、言うことがそっくりだ」

「……そうかな?」

「誉めてない」


 吐き捨てるように言われたけど、師匠に似ていると言われれば、やっぱり嬉しい。変態だし根性悪いヒトでも最強であることは疑いがない。オレの憧れなのだ。


 フードを取らないまま、サクヤはオレと並んで歩く。

 朝一だけど、町の中心通りの両脇には、小さな店が既に開店していた。


 店先をちょこちょこ回りながら、サクヤは旅に必要そうなものを買い集める。

 店員と話すのは基本的にオレの仕事。そんなオレに金を渡して、アレを幾つ買え、と指示を出すのがサクヤの役割だ。


 町の入口でのやりとり同様、声が戻らない間はあまり話をしたくないらしい。幾らフードを被っていても、この声を聞かれれば女であることは疑いがない。

 フードの中の顔を拝みたくなるヤツも出てくる。で、フードを外せば周囲は騒ぐ。こんなことで目立つと困る、ということなのだろう。


 小さな町の朝だけど、人通りもそれなりにある。商店の他にも、行商人が早速開いている屋台がちらほら。

 さっきオレ達の前後で町へ着いたばかりの旅人達もうろうろしている。


 町中を折角美人とショッピングしてるのに、こうして黙ったままなのも味気ない。本人が今は(・・)女だ、と言っているんだから、少し位デート気分を感じてみるのもいいかな。

 どうせしばらく一緒に行動しなきゃダメなんだし。距離を詰めておくにこしたことはない。


 オレは、誰でも答えを返しそうな当たり障りのない話題を、女慣れしない自分の頭の中を必死に探って引っ張り出した。


「えっと……この町は割と小さいな」

「ああ。だから何だ?」


 ――サクヤさん、即答は卑怯です。

 だから何だと言われれば、返す言葉もない。悪かったな……こういう時、何の話をすればいいのか分からない無粋な男で。

 だけど言葉は乱暴なのに、本当に声は綺麗だ。勿体ない。


「あ、あんなところに神殿がある」

「……だから何だ?」


 冷たい素振りを見せつつも、2回同じことを言ってくれるのは実は付き合いが良いのかな、この人。

 最近良く昔のこと考えてたから、するっとそのことが口から出てくる。


「そう言えば、小さい頃は神殿の中を外から良く覗いたなぁ」

「ああ……」


 サクヤは頷いて一瞬考えた後、納得したように言葉を続けた。


「貴族の子女は神殿で読み書きや歴史の授業を受けるらしいから……外から覗いていたということは、お前は貴族ではないってことか」

「そんな大層なもんなワケないじゃん。話をしてた神官のお姉さんが、あんたみたいに声が綺麗だったな、って言いたかっただけだ」


 で、自分が納得したら、もう返事をしてくれなくなった。

 この無言が、声を褒められて照れてるなら可愛いんだけど……多分そうじゃなくて、どうでもいい話が続いたから呆れているんだと思う。

 フードの下の表情は見えないけど、何となくそんな空気が伝わってきてる。

 別の話をした方が良いらしい。もっとこう……普遍的で知的な?


「えっと……神殿って、本当にどこでもあるよな」


 で、捻り出したのがこれなので、オレの頭本当に残念な感じ。

 知的とか意識したことないから仕方ないっちゃ仕方ないんだが……もう。

 オレ自身ががっかりしてるのが伝わったのか、スルーされるはずの言葉は、珍しい優しさで軽く拾ってもらえたらしい。マントの端から覗くサクヤの白い手が、神殿を指す。


「……ここもそうだが、どんな小さな村にでも簡易神殿があるものだ。神殿は世界最大の宗教機関にして、教育機関だから」


 綺麗な細い指が動く様子に見とれて、ついその指先を見つめているだけなんだけど、向こうからはオレがマジメに聞いているように見えたらしい。涼やかな声が後を続ける。


「神殿組織の中で一番偉いのは、古代王の国にある中央神殿の神王官。こいつ1人が全ての神官を従えているんだから、考えようによっては、各国の王なんかより遥かに強大な力を持っている」

「ふーん、凄いな」


 さして興味があるワケでもないんだけれど、話をしてくれるのが嬉しくて、感心したように答えておいた。


 オレより年下に見えるのに、旅をしていると知識が増えるのだろうか。

 それとも、魔法使いはそういう知識も必要なのだろうか。若いのに良く調べてるなぁ、とこっちについては割と本気で感心している。

 素直に聞いているオレの様子に気を良くしたのか、更に言葉が続く。


「政治と軍事を司るのが各国の王で、宗教と教育が神殿の役目なら、経済を回すのが商人と銀行だ。商人の中にも国を跨ぐ大商人もいるが、一番は銀行かな」


 随分気持ち良さそうに喋っている。

 オレは適度に相槌を打ちながら、右から左に聞き流す。

 むっつりと黙られるより、喋ってくれる方が嬉しいに決まってる。出来れば、もうちょっと色気のある話だともっといいんだけど。


 こういう話をさせると調子に乗って喋れるんだから――この人、多分すごいマジメなんだろうな。

 口は悪いのに。


「銀行は、これも古代王の国に中央本店を置いて、各国の王都に支店を持つ巨大な組織だ。商人のみでなく王や貴族達ですら、経済活動において銀行の意思を無視して動くことはできない」

「え、銀行の支店ってそれぞれの国の王都にしかないの?」


 聞き流している話の途中で、知らない知識が入ってきたので、慌てて聞き返した。


「稀に例外もあるが……基本的には王都にしかない。この町にもないだろ?」

「まあ、そう言われてみれば見てないな」


 ここまでの道のり、銀行の支店はなかった。

 ただし、オレ自身はここがどこの国の何という町かも知らない。だからそのことは、サクヤの言葉の証拠にはなっていないのだけど。

 現実的に、この大きさで王都ということはないと思うので、信じておこう。


 喋りながら幾つかの店で毛布や食糧を買い回った辺りで、不意にサクヤが立ち止まった。

 不思議に思ってオレも止まると、ふぅ、と息をつく音が、フードの下から聞こえる。


「どうしたんだ?」

「――戻った」


 短い声は確かに、昨日の夕方に聞いた低い低い音だった。

 思わず腰を屈めてフードの中を覗き込む。こちらを見る紺碧の瞳と眼があって、どきりとした。


「戻ったって言うけど声以外に変わったところないぞ。相変わらず可愛い」

「うるさい。信じられないなら触ってみろ」


 オレの手を取って、マント越しに自分の胸元に押し当てた。

 今朝は確かにあった柔らかい感触がなくなっている。ぺったんこの胸板を残念な気持ちでしばらく確認していると、「気持ち悪い」と蹴られた。

 自分で促しておいてそういうのはひどいんじゃないだろうか。

 思わず睨みつけると、オレの非難の意味が分かってバツが悪くなったのか、あさっての方向に視線を向けた。


 これで、最初に言ってたことがある程度本当だと分かったワケだ。

 ……ある程度、と言うのは、どこまで信じていいかが確実ではないから。少なくとも胸が膨らんだり縮んだりする部分については、信じることにするけど。

 ふと思い出したように、小首を傾げながら手を差し出してくる。


「……忘れてた。さっきの通行証、返せ」


 言葉遣いは腹立たしいが、もともとサクヤのものだ。別に理不尽な要求ではない。差し出したその手に、ポケットから取り出した通行証をのせてやる。


「あんたも便利なもん持ってるな。通行証を偽造するような魔法があるのか?」


 尋ねると、サクヤは小首を傾げた。


「偽造? ……する必要ない。俺は正真正銘、奴隷商人だ」

「はあ?」


 思わず変な声が出た。

 転移魔法というオレでも知ってるような大魔法を使える人間が、奴隷商人なんて下級の仕事をする必要性が全く分からない。


「あんた、魔法使いだろう? どこかの国の王宮付魔法使いじゃないのか?」

「魔法が使えるからって、どこかの王に仕えなきゃいけない決まりがあるか?」


 馬鹿にしたような口調で、質問を質問で返された。


「いや、決まりじゃないけど。だって王宮付魔法使いなら贅沢も権力も思うがままだぞ。奴隷商人の稼ぎなんて、たかが知れてる」

「だから何だ?」


 本日3度目の「だから何だ」だ。フードで遮られてその表情は見えないが、どうもオレの質問はお気に召さなかったらしい。声がイラついている。


「いや、金に興味がないってのはずいぶんおキレイな話だけどさ……」

「誰が金に興味がないと言った。金は重要だ。だから奴隷商人をやってるんだ」


 確かに、貧乏人や戦勝国から余った人間を安く買い叩いて高く売れば、奴隷商人の儲けはでかい。

 それにしたって、王宮付魔法使いになって平均して安定した収入が築けるなら、そっちの方が旨みは多いのではないだろうか。地位も権力も一商人とは大違いだ。


 だけど、もうそれ以上、オレと討論をする気はないらしい。

 取り返した通行証をしまうと、オレを置いてさっさと歩きだした。


「ちょっと待てって!」


 慌ててその背中を追いかける。


「なあ、じゃあ神無器かんなぎ 朔夜さくやって名前は本物なの?」

「何で本物の通行証に、わざわざ偽名を書く必要があるんだ?」


 質問を質問で返すのは、サクヤの癖なんだろうか。

 やられた方は非常に腹立たしいんだけど。

 まあいいや。出会ってからこっち腹立たしい言動はそれだけじゃない。


「じゃあ、オレも名乗っておくよ。オレは三之宮さんのみや かい

「……名乗る必要、あるか?」

「片方だけ知ってるなんてフェアじゃないだろ」


 オレが答えると、フードの下でふっと息を吐く音がした。どうやら少し笑ったようだった。

 半日一緒にいたのに、笑うところを見たのは初めてだ。フードに隠れて表情が見えなかったのが、何となく残念。

 和らいだ様子に勇気づけられて、もう一つ言葉を続ける。


「なあ、もう一個聞いていいか?」

「お前が聞くのはお前の自由だ」


 答えるかどうかはサクヤの自由ってことね。

 皮肉っぽい言い方ではあるが、気にせず質問を続けた。


「その通行証、オレがそのまま持ち逃げするとは思わなかったのか?」


 そんなことになったら通行証を持たないサクヤは、町から出られない。うまく人目を避けて抜け出したとしても、今後の旅には大きな影響があるだろう。

 どこの国に申請するにしても、通行証の許可を受けるにはそれなりの手間と時間がかかる。師匠が追い付くまでの十分な足止めになるはずだ。


 サクヤは息を吐くと、子どもに言い聞かせるような口調で言い放った。


「俺は魔法を使えるとお前に教えたし、不用意なことはするなとも言った。これで通行証を持ち逃げしようとしたら殺してくれと言ってるようなもんだ。幾らお前がバカでもそこまでバカとは思いたくない」


 嫌な言い方だが、その考えに自分で思い至らなかった時点でオレがバカだと言ってるようなもんだ。素直に両手を挙げて降参の姿勢を表現した。


「もう1つ。お前にとっては、変に逃げ出すより俺と一緒にいる方が都合がいいんじゃないか? ナギやエイジと合流するには」


 ……読まれているらしい。

 まあ、当然か。誰だって今までの経緯を総合すれば、そう考える。


「……おっしゃる通りです」

「置いて行かれないように、せいぜい俺の機嫌を取っておけよ」


 こちらを見上げたフードの奥から、歪めた唇だけが覗く。

 はい、前言撤回――こんな笑顔だったら見なくていいです……。

2015/05/29 初回投稿

2015/06/12 サブタイトル作成

2015/06/16 長い説明ゼリフが読みづらかったので、改稿・サブタイトル変更

2015/06/20 段落修正

2015/08/06 校正――誤字脱字修正及び一部表現変更

2015/09/16 校正――誤字脱字修正及び一部表現変更

2015/10/04 校正――誤字脱字修正及び一部表現変更

2017/02/12 校正――誤字脱字修正及び一部表現変更

2018/02/03 章立て変更

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