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奴隷商人は嘘をつかない  作者: 狼子 由
第3章 Causing a Commotion
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11 王宮で待つ

神無器かんなぎ 朔夜さくや。奴隷商人ね、今日は商品はないのかい?」


 門番がオレに問いかける。

 オレは明るく首を振った。


「ご覧の通り、売り切れだ」

「はは、景気のいいことだ。獣人奴隷なんか連れてなくて良かったな、お兄ちゃん」


 オレも笑顔を返す。

 書類にサクヤの名前でサインをすると、簡単に門の中に通してくれた。夕方の滑り込みだったが、門番はそろそろ上がりの時間の為か、もともとの性格か、機嫌良く対応してくれた。


 門を通り抜けると、さすが王都。広い街は、この時間でもにぎわっている。もちろん、店じまいを始めている露店も幾つかあるようだが、飲食店や宿屋はまだまだこれから、という様子だ。


 サクヤやアキラとは、街壁の門の近くまで一緒に来たが、そこで一端別行動になった。

 もちろん、アキラは、獣人なので、正面からは街に入れない。

 夜になってから、こっそり壁越えをすると言っていた。ディファイ族は身軽だから、何の魔法の恩恵もなくても、壁を越えるのは簡単だろう。

 今までも、斥候が何人か、街に忍び込んだことがあるとも言っていた。ただ、人間の街の中で、目に見るもの全てが慣れない状態の獣人達は、耳と尻尾を隠してはいても、受け答えに違和感があるらしく、どうしても警戒されてしまうのだとか。そのせいで、今まで、うまく忍び込めても、情報収集は捗らなかったようだ。


 一方サクヤは、壁の手前でオレに通行証とメモを渡すと、「後で合流する」とだけ言って姿を消した。

 何か、用事があるのだろうか、とも思うが。

 オレと一緒にいたくないだけの可能性も大いにある。


 あの後、サクヤとは、ほとんどまともな会話をしていない。


 向こうは、必要最小限の指示のみしか発しない。あからさまに、避けられている。しゃべりたくないオーラを出されていて、非常に話しかけづらい。

 正直、さっき久し振りに声を聞いて、「ああ、男に戻ってるな」と思ったくらいだ。いつ怪我が治ったのかも、全く知らない。


 オレの方は、あのときのことを、どう言い訳すればいいのかと悩んでは、声をかけるタイミングを逸してばかりだ。サクヤをかなり傷付けだのだろうという自覚がある。それなのに、何も言わず知らん顔をして声をかけるのも、どうかと思うのだ。

 それに、何をどう言えばいいのかも、良く分からない。


 ついでに言うと、アキラとサクヤは基本的に会話をしないので、この2日間は、オレとアキラだけで話しながら歩くという、非常に雰囲気の悪いパーティになった。


 サクヤだけが会話に参加しない状態というのは、オレにすると、何か、弱いもの虐めをしているような、そんな感覚だ。後ろめたい。

 正直、このままの状態が続くのであれば、いっそ合流したくないくらいだ。


 しかし、現実的にそんな選択肢はないので、オレはサクヤに渡されたメモを、もう一度見直した。

 サクヤらしい、きっちりとした字体で、宿を指定してある。あちこちの街に行きつけの宿があるというのは、やはり、旅人ならではというところか。


 サクヤの書き込んである通りに、道を進んでいると、途中、神官らしき人物と行き合った。

 丁度、表通りを少し外れたところだったので、その白いローブは少し珍しい感じで、かなり遠目からでも目立っている。


 ローブの色は、ディファイの長老トラと同じ色だ。ただし、人間の神殿で、神に仕える神官達の服は、トラのものより、飾りが多い。

 向こうから近付いてくる神官の水色の髪は、肩で切りそろえられ、優しそうな灰色の瞳は、楽しげに細められている。

 整った顔をしているが、そんなことより、その微笑んでいる様子が、すごく魅力的だ。

 サクヤの例があるので、大声で宣言するのはやめておくが、……うん。多分、女性。

 やはり、神に仕える人というのは、いつだってこんなに幸福そうなのだろうか。こんな表情が出来るのなら、カミサマというのも、悪くないかもしれない。


 すれ違うために、オレが少し道の端に避けると、向こうも同じ側に寄った。

 お見合いする形になって、オレが反対側に避けると、向こうも同じく。

 2、3度、同じことを繰り返したところで、神官が口を開いた。


「――あなたが、カイさんですね?」


 名前を当てられて、オレは驚いた。神官は、オレの驚いた様子を見て、もっと驚いた顔をした。


「あっ、驚かせてごめんなさい。余りに予想通りの方だったので。エイジ様とナギ様から、お話は伺っています」


 ――師匠とエイジの関係者だと!?


 詳しく分かる程オレは博識ではないが、この衣冠、飾りの多さからすると、それなり以上の高位の神官なのではないだろうか。

 そういう人に、『様』付けで呼ばれるとは……あいつら、何者なんだ。


「あ、申し遅れました。私は青葉の国の大神官で、アサギ……神来社からいと 浅葱あさぎです」


 神殿式の礼を深々とされた。

 アサギの年は、オレと同じくらいだろうか。

 声が女性の声だったので、その点について、とりあえず一安心。


「エイジ様とナギ様は、近くに来ているのですが、余り自由に歩ける状況ではありませんので、私が伝言を承りました。幸い、サクヤさんもいないし、お伝えしてもよろしいですか?」

「お、おう」


 丁寧すぎて、こっちが申し訳ない気分になってくる。

 しかもさっき、自己紹介でさらっと流したが、大神官と言えば、中央神殿では上から3番目、地方神殿なら2番目の位だ。

 青葉の国は、北の方の小国なので、そこにあるのは、地方神殿。

 こんな若い娘が、そんな上の官位についているとは、随分と才能ある神官のようだ。


「まずは、こちら。カイさんのお財布と通行証をお預かりしてました」


 手渡されたのは、確かに、いつかの村に置いてきた。オレの財布と通行証だった。

 師匠とエイジが、きちんと回収してくれていたらしい。あの2人にしては、随分と気が利く。これさえあれば、サクヤから離れて行動することも可能になる。

 そして、これを持っているということは、アサギが師匠達の関係者だという証拠の1つになる。


「――あ。気が利きついでに、オレのショートソード、もしかして師匠が預かってくれてたりしないかな?」

「ショートソードですか? すみません、それはちょっと聞いてないです」

「――だよな。いや、分かってた」


 やっぱり、あのなまくらは、捨て置かれてしまったのだろう。師匠なら、そうするだろうと思ったよ。

 変にここで、アサギがショートソードのありかを知っていたら、その方があやしかったのだが。


「あの、それでですね。お2人は、この国の王宮で待つ、とおっしゃっています。サクヤさんのことですから、今のこの国の状況を見れば、王宮にいらっしゃるはずです。カイさんには、ぜひその日時と状況を、知らせて欲しいのです」

「つまり?」

「――いつ、どんな口実で、いらっしゃるのか」


 にっこりと微笑むアサギは、変わらず優しげに見える。

 しかしそこが、逆に一筋縄ではいかない感じで、まさにエイジと師匠の関係者だと思えた。

 アサギは懐から、綴られた紙を取り出し、こちらに差し出す。


「これは、神殿で私が祝福した、ペーパーバードです。一枚破って、空中へ投げてみて下さい」


 言われた通り、破った紙を空中へ放ると、ひらひらと落ちる途中で、紙が膨らみ、一羽の小鳥の姿になった。

 その羽が力強く羽ばたいて、アサギの肩に止まる。


「この街の中からであれば、情報を書いて、飛ばすだけで、必ず私の手元に届きます。紙のままならただのメモに見えるから良いのですが、飛び立つところは、サクヤさんには見えないようにしてください。あの方なら、ペーパーバードの存在から、すぐに私のことに気付くでしょうから」


 アサギが、肩の小鳥を優しく両手で包む。手を開いたときには、小鳥は先ほどの紙切れに戻っていた。


 へえ、便利なものがあるもんだ。

 神官は、神殿に用意された便利な道具を色々使うことが出来るので、この手の魔法は魔法使いよりもそつなくこなすことが多いそうだが。

 その実際を、目の当たりにした気分だ。


 転移魔法だって、魔法使いが使う場合には、非常な魔力と集中力が必要と聞く。

 それが神殿では、大神官以上の神官なら、安全に自由に神殿間を転移できると言う。古い魔法陣が受け継がれ、そのバックアップが得られるのが大きいそうだ。


「分かった。何か分かったら、連絡する」

「はい。それでは、サクヤさんが来ない内に、私は退散します。神のご加護を」


 アサギは再び、丁寧に神殿式の別れの挨拶をすると、そのままオレの横を通り抜けて、大通りの方へ抜けて行った。

 終始笑顔だったが、ただ優しいだけの女性ではなさそうだ。

 でなければ、サクヤの隙を見て情報を流せなど、人を欺くような指示を、すらっと言えるワケがない。


 ただ、悪事を働いているという後ろめたさもほとんど感じなかった。

 つまり、よほど強い芯があるのだろう。

 アサギが絶対的に信じるそれが、神なのか、それとも他の何かなのかまでは分からないが。


 ――王宮で、師匠が待っている。

 それさえ分かったら、サクヤと一緒に来た理由の、半分は果たしたことになる。

 残りの半分は、うまくサクヤを師匠の思うとおりに罠にはめられるか、だったのだが。


 師匠は、なぜサクヤを追いかけるのだろう。

 サクヤの何が目的なのだろうか。


 師匠の為にここまでついてきたはずなのに、サクヤのことを考えている自分に、少し矛盾を感じる。

 こういうのを、絆される、というのだろうか。

 たった一週間やそこら、一緒にいただけなのに。


 サクヤが美人だから?

 もし、そうだったら、オレは最悪の人間だけど。

 多分、違くて。あいつが、あんまりにも、一生懸命だからだ。


 ふと、前方にサクヤが書いてくれたメモの通りの、宿の看板を見付けた。

 もう辺りは暗くなりかけているのだが、灯りもまだついておらず、店の中は暗い。


「こんにちわー」

「何だい」


 恐る恐る、入り口をくぐると、思っていたよりも近くから人の声がした。


「あんたね、悪いけどここは一見さんはお断りだ。大通りの方に行けば、具合のいい宿屋がいくらでもあるから、そっちへ行きな」


 中が暗すぎてよく分からないが、声の主は女性のようだ。

 影が、ゆっくりと椅子から立ち上がった。部屋の暗さで表情は分からないが、身長は高い。酒焼けしたハスキーな声をしているので、声だけでは年は分かりづらいが、オレより一回りは上じゃないだろうか。

 オレの顔を見もせずに、片手で追い払うような仕草をする。

 追い出されてはミッション不成功になってしまうので、オレは慌てて手元のメモを見せた。


「いやいや、これ見てくれよ。サクヤが」

「サクヤ? あいつに連れがいるとこなんて、見たこたないよ。それとも、あんた自分が奴隷だとでも言うのかい? 若いのに、そういう嘘つくのは良くないよ――あら、ほんとだ」


 メモを手渡す為に近寄ると、ようやく顔が見えた。

 若くはないのは確かだが、世のおっさん達は、このくらいの女性を女盛りと呼ぶのではないだろうか。身体も出っ張るべき所は出っ張り、凹むべき所は凹み……つまり、素晴らしい身体をしている。少しくたびれた感じはあるが、身長が高いのもあって、迫力のある美人と言っていいのではないか。

 年上とは言え、こういうタイプの女性をおばさんと呼ぶのは、少し気が引けるところだ。


 文句を言いながら、メモの最後まで読んだところで、宿の女主人はようやく信じてくれた。

 筆跡も分かるのかもしれないが、やはり、決め手は、最後の一文なのだろう。メモの最後には、彼女宛のメッセージが、一言書いてあった。

 『あんたの娘に挨拶してから行く』

 女主人は、ふん、と鼻を鳴らすと、オレに部屋の鍵を2つ渡した。


「3人だね、金は後でいいよ」


 メモに書いてある通りに、部屋を提供してくれた。

 鍵を受け取って、部屋にかさばる荷物だけ置くと、オレは暗くなり始めた街へ、再び向かう。

 女主人は、相変わらず、入り口の横に椅子を置いて座り込んでいた。挨拶をしたが、手を振りさえしてくれなかったので、まだ警戒されているのかもしれない。


 ……いや、どちらかと言うと、あれがデフォルトのような気がするな。

 愛想が悪いのが、通常運行。

 そんな宿をサクヤが馴染みにしてるのは、事情があっても使いやすいからだろうか。

 それとも、娘を知っているくらいだから、過去に色々とあったのかもしれない。

 150年も生きていれば、人脈も広げ放題だ。


 街中をぶらぶらしながら、ぱっと目に付いた店で、晩飯を食うことにした。多分、サクヤは食べないだろうし、肉食のアキラは壁の外で狩りをしながら待つと言っていたので、合流の時には食べ終わっているはずだ。


 店のお姉さんにこの辺りの名物を聞くと、聞いたことのない川魚の名前をあげられた。折角なので、それをお願いする。名物だけあって、よく注文されるのか、あっと言う間にテーブルに載せられた。

 一口大にぶつ切りにして、揚げてある。唐揚げなのか、フリットなのか。

 川魚はくせがあるらしいが、油で揚げてあるならば、大丈夫だろう。

 食べてみると、油は何度も使い回しているようで、少しくどいような感じもあるが、魚の身はふんわりとほぐれるような柔らかさで、確かにうまい。

 だいたい、どんな食材でも、油で揚げると、ちょっとジャンキーな感じになるのだが、育ち盛りのオレには、それくらいがちょうどいい。

 サラダをつつきながら、次々にかじっていると、あっと言う間に平らげてしまった。


 ふと、周囲を見渡すと、店の中は、酒を酌み交わす人間が増えてきていた。

 居酒屋と食堂を、足して割らないくらいの店という感じだ。値段の割に、そこそこうまいので、結構繁盛しているのだろう。

 さっきのお姉さんに、別のお勧めを聞くと、忙しなくメニュー表を指さされた。だいぶ忙しくなってきたので、悠長にオレの相手をしていられなくなったらしい。


 料理の説明もそこそこに、お姉さんのお勧めを注文すると、緑色っぽいニョッキのようなものと、水のグラスが出てきた。

 バジル和えだろうか、と油断して頬張ったところで、緑色が丸ごとの唐辛子だと気付いた。青唐辛子を何かで漬けたようなものらしいが、もの凄く辛い。

 このためのものか、と半分納得しつつ、慌ててグラスを一気に呷った。

 ――で、呷った瞬間に、喉から燃えるような感覚が広がって、再び気付いた。


 ……これ、酒だ。


「兄ちゃん、いけるねぇ」


 隣の席のおっちゃんが、やんやと拍手をしている。

 思い切り飲み込んでしまったので、グラスの酒は完全に空になっている。

 オレが深く息を吐き出すと、おっちゃんは笑顔で、手元の瓶から、オレのグラスに再び注いだ。今度は、見ただけで水ではない、琥珀色をした飲み物だ。


「奢ってやるよ。まあ、飲みな」

「どーも……」


 酒を、こんなに一気に飲み込んだのは初めてだ。

 師匠やエイジは良く飲んでいたけど。

 頼み込んで一口もらっても、どうも旨いと思えないもので、今までは、それ以上飲むことはなかった。


 なので、自分がどれくらい飲めるものか、試したこともない。

 最初に喉を通るときこそ、焼けるような熱さを感じたが、その後は、特に何ともない。どうやら、飲めば飲める方ではあるらしい。


 折角おっちゃんから貰ったものでもあるし、そもそも、この青唐辛子を食べるには、飲み物が必須だ。

 意地汚いだけなのかもしれないが、出されたものは、出来れば残さないようにしたい。

 オレは2杯目のグラスを空けながら、青唐辛子を、噛まないように飲み込んだ。

 ふと見ると、おっちゃんは、オレの青唐辛子に興味があるようだ。


「兄ちゃん、粋なもん食ってんじゃねぇか」

「残りで良ければ、どーぞ」


 好きな人がいるなら、その人に食べてもらった方がいい。残った青唐辛子は、酒のお礼に、つまみとして隣のおっちゃんに提供した。


「本当にいいのかい?」

「オレは、もう出るから。おっちゃん、ありがとな」

「おお、元気でな」


 陽気なおっちゃんに手を振って、支払いをしてから店を出ると、周囲はすっかり暗くなっていた。


 それでも、大通りの通行人はさほど減っていない。王都だけあって、活気がある。

 約束の時間はそろそろかと考えながら、大通りを外れて、街壁の方に歩いていった。

 街壁の一つ手前の通りをうろつくながら、周辺で見張りの目がないところを探す。


 獣人と緊張関係にあるためか、日が沈んでも壁外を見張る兵士がいる。それでも、結局は人の目に過ぎない。うまく、タイミングを見計らって、見つからないように壁に近付くのは、そう難しくはない。

 近付いた壁に、コンコンとノックしてやると、程なくして、壁の上から2つの影が降りてきた。


 1つは、アキラ。

 壁から自由落下で、無音のまま綺麗に着地する。

 オレの方を見て、得意げに唇を上げた。

 今は服の中に仕舞われているようだが、尻尾が外に出ていれば、ピンと立っていたに違いない。頭の上の耳も、髪と一緒にバンダナに包まれている。


 アキラを追うように、ふわりと風を纏って着地したのは、サクヤだった。

 フードを被ったままで、表情は見えない。

 オレ達の方に視線を向けないまま、着地の直後から、足早に壁を離れていく。


 その背中を、すぐにオレとアキラも追った。

2015/07/13 初回投稿

2015/08/06 校正――誤字脱字修正及び一部表現変更

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