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奴隷商人は嘘をつかない  作者: 狼子 由
第9章 You'll See
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2 初めて会った時みたいに

【前回までのあらすじ】ディファイのピンチに良いタイミングでサクヤが帰ってきた。入れ違いに気絶しちゃったオレだけど、早く戻ってサクヤに会いたい……。

 森の中を走る。息が苦しいほどの速度で。

 本当は、長距離はもっとペース落とした方が良いんだけど……足が勝手に動くから。


 エイジやサラはキリと一緒に別行動。

 オレは1人で戦場へ向かう。


 暗くなりかけた前方の空が時折光った。

 光の源にいるのは多分、絶対無敵の姫巫女サマだろう。

 後のことあんま考えずに調子良くばんばん撃ってる感じからすると、こちらの勝利はほぼ確定まで来てるっぽい。


 こんなスピードで走ったら、呼吸が乱れるって分かってるのに、止まんなくて。

 まるで誰かを追い掛けてるみたいだ。


 沈みかけてきた夕日で足元が見辛くて、時々木の根や混凝土コンクリートの破片を踏んづけては、足をとられそうになる。

 赤い太陽が木の枝の間を縫ってちらちらする。

 時々瞳孔に差し込んでくる、その眩しさで。


 何かさ、思い出した。

 オレ達が出会った日、目の前を走ってた小柄な姿を。


 オレの前を頼りなく揺れる小さな影。

 ちらちらとマントの端から覗く金色の長い髪。

 バランスを崩した瞬間に伸ばされた指先が細くて。


「っは……ははっ……何考えてんだか……」


 呼吸が足りなくて、頭が回ってないんだろうか。

 幻想でも追いつけない。

 黒いマントに隠れたその身体に、触れたくて。


「はぁっ……はっ……バッカみてぇ……」


 これじゃ、ノゾミのことを笑えない。

 何でそんな頭の中、そいつのことしか考えてないのって。

 もっと余裕持って生きろよって、言ってやりたいのに。


 何で、この足は止まらないんだろう。


 心配? 早く無事を確認したい?

 そうなんだけど、それだけじゃなくて。

 ただ――触れたい。


 両腕を前で交差して枝が目に入らないように防ぎながら、木々の隙間を抜けた。

 抜けたところで、前方の木がキレイになくなった。

 広がるのは広大な爆発の跡。


 真横から、高らかに響く声が。


「――月焔龍咆哮ルナティックロア!」


 聞き間違いようのないその呪文を唱えた。


 目の前を輝く光の渦が通り過ぎていく。

 その高熱で行く先を遮る者を焼き払って。


 事前に予想していた通り、この戦場をまだ走ってるのは既にほとんどが味方ディファイだけだ。

 そこにはヒデトの姿も魔法使いの姿も見当たらない。

 あいつらが撤退したということならつまり、勝った、ということなのだろう。


 心を落ち着かせるように、そこまで確認してから。

 オレは肩で息をしながら声の方を向く。


「――っ、サクヤ……」


 掠れたような声しか出なくて、聞こえなかったかも知れないと心配したんだけど。

 それでも、数メートル先のその人がゆっくりと顔を上げた。

 風に散らばる銀の髪が、夕陽を透かして輪郭を赤く浮き上がらせる。

 白い横顔はまるで彫刻のようで。


 何かを探す紅の瞳がきらりと光りながら、オレを捉えた。


 瞬きのたびに瞳が紺碧に戻っていく。

 その綺麗な色の変わり様をじっと見つめている間に一歩、また一歩、と距離を詰められる。


 軽く眉を寄せてオレを見ている瞳は何か言いたげで、無表情なんかじゃないんだけど。

 何を考えてるのかうまく読めないのはきっと、オレの気持ちが邪魔してるんだ。

 再会を喜んで欲しいって願望と、この人がそんな喜び方するはずないって予測。それにもしかしたら、一言目にオレじゃなくて、そっくりな誰かさんの名前を呼ばれたらどうしようなんて不安。


 久々の再会にしては、何か大したことない顔してるようにも見えて。

 これじゃまるで――いや、まるでなんてそんなんじゃなくて。

 この再会をオレの方が圧倒的に喜んでるじゃないか、なんて悔しいような寂しいような。


 入り混じって、どれが真実か分かんない。

 ただ、あんたが近付いてくるのは本当に嬉しいから、考えるのを止めて、両手を広げその名前を呼んだ。


「サ、クヤ……」


 サクヤは黙ったままオレの目の前まで歩み寄ってくる。

 オレのつま先から10cmの距離、身体が触れるか触れないかの空間……さすがに近過ぎる、とオレが後退しようとした瞬間に。


 止まったと思ったところから、さらにもう一歩詰めてきた。


 鼻先を掠めるいつもの甘い香りが広げた腕の中に飛び込んでくる。

 ぐりぐりと肩に顔を押し付けられて、後ろに転けそうになったオレはバランスを取ろうと必死で細い肩を抱きしめた。

 肩口でサクヤが何か呟いてる。


「お前が……」


 その後の言葉は良く聞き取れなかった。

 お前が。

 いなくて寂しかった?

 死んじゃうかと思って心配した?

 勝手に後ろを補って、そんな感じのことを言われたことにした。

 違うかもしれないけど……もう知るもんか。


 腕の中にある温もりをぎゅっと閉じ込めるように力を込めて、小さな金色の頭に唇を寄せて尋ねた。


「……会いたかった?」


 腕の中のサクヤが、こくん、と無言のまま頷く。

 途端に心臓が飛び跳ねそうになった。

 うわぁ、何これ、可愛い! らしくないじゃん!


 ……なんて。

 赤くなった自分の顔を誤魔化すように頭の中だけで驚いたところで、力が入りすぎた自分の腕のせいで、全力疾走で汗まみれのシャツにサクヤの顔が押し付けられてることに気付いた。


「あ、ちょ……! 待って、ごめん! 汗が――うわ!? もしかしてあんたオレの匂い嗅いでない!?」


 腕の中ですんすんと鼻を鳴らす仕草が見える。

 びっくりと恥ずかしさで、焦って引き剥がそうとしたけど、オレの背中に回った両手はシャツを握り込んで離れてくれない。


 ちょっと!? お願いだから止めて!

 あんたみたいにいつでも良い匂いがするワケじゃないから、恥ずかしいんだよ! 絶対汗臭いし!


 悲鳴が喉元まで出かかった時に、少し顔を上げたサクヤの唇が鎖骨の辺りでそっと動く。


「……だって、お前の匂いがするから」


 その柔らかい感触が直接触れて、喉元を掠めた。


 ――ねぇ、まさか。

 オレが感じてるこの気持ちとおんなじように――あんたも、オレの匂い、愛しいなんて思ってるの?


 そんなどうしようもない妄想じみた想像で。

 きゅ、と心臓が握られたように苦しくなって、指先までばくばく鳴り始めて――


 ようやくちょっと長いセンテンスをしゃべったサクヤのおかげで、不意に気付いた。

 ……今のあんたの声、めちゃくちゃ低いんだけど。


 一気に血圧が下がる。

 まさしく急降下。

 熱かった頬から血が引いて、何か頭が冷えた。

 冷静になって初めて、自分の胸に当たってる感触がいつになく平らだなー、ってことを認識する。


「サクヤ……あんた今、男じゃん」


 男にくっつかれて匂い嗅がれてた――!

 しかもそれで何かドキドキしちゃってた、オレ!

 頭を抱えて転がりたくなる衝動を抑えながら、オレは今度こそ無感情に力任せで腕の中の身体を引き剥がした。

 そのまま両手でこれ以上近付いてこないように押さえて、正面から顔を覗き込む。


「……あの。まあ、とりあえず怪我とかないみたいだし、無事で良かったね、あんたも」


 一度は獣人のように身体を寄せて再会を喜んだのに、意に反して突然ひっぺがされたサクヤは、ちょっと眉を寄せて不満げに唇を尖らせている。

 上目遣いにオレを見る表情は――や、可愛いのは確かですけど……!

 でもごめん、男に密着されるのはちょっと!

 例えあんたがすごくすごくすごく可愛くても、あんな密着は無理!

 だって背筋がぞくぞくするんだもの!


 サクヤに会いたかったのも心配だったのも嘘じゃないから、最初から男だと分かってれば適度な距離で再会の抱擁したり心から話をしたり出来たと思うんだけど……。

 女だと思って抱き寄せちゃったから、ワガママだとは思うけど……ちょっとごめん。精神的ショックが大きい。

 オレの腕の中へ入り込んで来もうと何度かチャレンジしてから、諦めたサクヤがぺいっとオレの手を叩いて外した。


「……俺は心配してたのに」


 無表情に囁く中にもちりちりと燃える炎のような怒りを感じて、あぁ、完全に失敗した……と気分が暗くなる。

 いつか、性別と文化の差については説明してやらなきゃいけない。今はショック大きすぎてそれどころじゃなくても。


 むしろこういう時、ノゾミちゃんならどうしてたんだろう。

 ……や、考えるまでもない。

 男だろうがなんだろうが、あいつはきっとサクヤならなんでも良いんだろう。

 近付いてきたのをこれ幸いと抱き寄せて頬擦りする姿が普通に思い浮かんで、ぞぞっとした。

 そもそもあいつがちゃんと教えないから、いまだにこの人こんななんだよ!


「俺は心配してたのに!」


 どうもオレが話を聞いてないと思ったらしい。

 でも2回言われなくても分かってる。

 ……だってオレも心配してたんだから。


「あの、ほら。まだ戦いは終わってないから。そういう話は後で……あ、そうそう。そう言えばヒデトは?」


 無理やり話を切り替えるのに使われるヒデトをちょっと哀れに思ったりしたのは、これが初めてかもしれない。

 当然そんな無茶な話題転換にはサクヤはのってこない。


「……俺は心配した」


 はい、3回目。

 言いながらやっぱりオレに抱きつこうとするの止めてくれ!


「もうそれは分かったから! 見ろよ、大きな怪我はないし、オレ元気そうだろ!?」

「ぱっと見はそう見えても、触ってみなきゃ分からない。おとなしくしろ」


 どうやらサクヤ的には抱きつきたいんじゃなくて、身体を探って怪我がないか確認したかったらしい。

 ……傍迷惑だ。勘違いしちゃうから止めて欲しい。


「後で好きなだけ確認させてやるから! 今は……ほら、目の前の敵がまだ残ってるんだろ!」


 その言葉でようやくオレから離れたサクヤが、視線を逸らして小さく呟いた。


「俺は心配してたんだ」


 4回目だった。

 その声は何だか寂しそうに聞こえて――どうやら、怒らせるより酷いことをしてしまったと気付いた。

 オレに余裕がないばっかりに、サクヤを振り回してる。


 何かを謝ろうと思ったけど、何て言っていいのか分かんない。

 オレだってすごく心配してたし、あんたに会えて嬉しいのは一緒なのに、初っ端でコケちゃったせいでどうにも説明しづらくなった。

 どうしようかと悩む内に、こめかみにちりちりと引き攣るような痛みとともに、脳内にノゾミの声が響いた。


【あっははは!】

【目が覚めてサクヤの気配がすると思ったら】

【あんた、本当マヌケ!】

【ちょっと貸してみろよ、要は教えたいんだろ】

【男同士でくっつき合うのはゴメンだって】


 『貸してみろ』というのがどういうことかは、分かってた。

 いつもだったらすっぱり断るけど、自分の行動をひどく反省してた分ちょっと……良い方法があるなら、と思ってしまった。


 明確に答えたりしなくてもただそう思った瞬間に、ぐり、と世界が回るような気持ち悪い感覚。

 押しのけられたオレがその場所(コントローラ)を明け渡した直後、オレの足が勝手にサクヤの方へ向かった。


「サクヤ……」


 オレ(・・)が呼んだその声を聞いて、サクヤは顔を上げる。

 オレの声に似てるけど、ちょっと違う。

 愛情と執着の溢れる、底が見えない沼のような声。


「……カイ?」


 訝しげな表情を浮かべてるのは、鈍いサクヤですら違和感を感じてるんだろう。

 だけどそれには構わずにその身体をもう一度抱き寄せてやる。

 それでますます不思議そうな顔になったけど、それとは別にくっつかれて嬉しいのは嬉しかったらしい。しがみついてきた。

 その腕に力がこもってるのが、やっぱりこうしたかったって気持ちを如実に表してる。


 だけどオレは、もう頭の中でツッコミ入れまくり。

 ノゾミ、ちょっと待て!

 それ全然解決策になってない!


【大丈夫、見てなって。うまいこと言ってやるから】


 楽しげなノゾミの声が頭に響く。

 ノゾミはオレの身体をうまーく動かして、少しだけ身体を離した。


「ごめんね。オレもあんたのことすごく心配してた、無事でよかった。でもオレ人間だから、獣人みたいにくっつき合うのは苦手なの。あんたが女の時だったらもっとくっついてても良いんだけどなぁ……」


 え、コレうまいこと言えてるの!?

 何かちょっと方向違うような……?

 案の定、サクヤは眉を寄せて腕の中から見上げてくる。


「以前、女の姿で近寄られると押し倒したくなるから止めろと言ってなかったか?」


 ……なるほど。

 今日のコレは、オレの言葉を色々覚えてはいたっぽい。

 教育の成果は斜め上方向であってもある程度は出ていると言って良いのだろうか。


 なのに、そんなオレの涙ぐましい努力を無にする一言が、オレ(・・)の口からこぼれた。


「……でもさ、あんたもう分かってるでしょ。女の時にあんたが触ってくれるとオレがすごく喜んでること」


 ――っぎゃー!?

 待て、何言ってんの、あんた!?


「うん、薄々は。やはり嘘をついてたんだな」


 ちょ、サクヤさんも!

 何言ってんの!? 嘘じゃないって!

 何に薄々気付いてんだよ、バカ! このバカ!

 どうして普段あんなに鈍いのに、そんな気付いて欲しくないことばっかすぐ気付いちゃうんだ、あんたは!


 今すぐサクヤの口を塞ぎたいのに、オレの身体(ノゾミ)はオレの悲鳴を無視して喋り続ける。


「うーん、それに近いかな。本当は嬉しいんだけど、身体が反応しちゃうからあんまり人前では、ね」


 身体が反応って……あんた、オレを何だと思ってんだ!?

 否定する前に、サクヤが小首を傾げて見上げてきた。


「所々良く分からないけど……とにかく人前じゃなければ良いのか」


 違うちがうちがうっ! 人前かどうかは関係ない!

 むしろ2人きりの方がやばいんだよ!

 ノゾミ、あんたやっぱ帰れ!

 オレがあんだけ必死で教えたアレコレが全部ぱーだろ!


【最初っからぱーだって】

【説明したって分かんないよ、この人には】

【自分にない感覚だから実感出来てないんだ】

【サクヤの中を覗いた時に分かっただろ?】


 それでも、最初よりはマシになってると思ってる。

 多少は分かってくれてるって。

 だって、そうじゃなきゃ言葉なんて何の意味もないってことじゃないか。


【意味がなくはないぜ】

【こうして自分のヤりやすい方に持ってくのも言葉の力だろ?】

【この人はこのピュアなとこが可愛いの】

【オレが守ってあげれば良いことなんだから】

【余計なこと気にせずに役得を楽しめよ】

【腹立つけど、まあ……少しだけなら共有してやるよ】


 そんなのオレの考えとは全然違う。

 オレはそんなこと望んでない。

 むしろ。

 オレが何かしてあげなくてもきちんと1人で出来るようになって欲しい。

 欠点を補い合うのと、弱いところを甘やかし続けるのは、似てるように見えて全然違うと思うんだ。


 そんなことを脳内で言い合ってる間、オレ(・・)の動きは止まってたらしい。

 ぼんやりしてるオレを置いていつの間にか周囲でバチバチと鳴り始めた火花と白銀の光で、サクヤが魔力を集めていることに気付いた。

 紅の瞳が後ろに下がったオレを追い掛けて再び一歩踏み込んできた。


「……これなら良いんだろ?」


 嬉しそうに甘い声で尋ねられて。

 これだけ近くから観察すれば、いくらちっちゃい胸だって膨らんでいることも分かる。柔らかい胸を押し当てながら、細い腕がオレの背中に回る。


 ――バカ! 違う!


 笑顔で頷いて引き寄せようとしたノゾミを、オレはその場所(コントローラ)から無理やり引っ張り出した。

 これなら良いなんてそんなこと――


「――ダメに決まってんだろうがっ!」


 声を出すと同時に、サクヤを力づくで押し退けた。

 至近距離からどつかれたサクヤは、数歩後退ってから押された肩を静かに見下ろす。


【……あーあ。折角うまくいきそうだったのに】

【オレ知らないぜ】


 慌てて突き放してしまってから、客観的に自分の言動を思い返す。

 離れろって言った先から、女なら良いと伝えておいて突き飛ばした。

 サクヤの立場になって考えれば、ワケが分からないに違いない。


 申し訳ない気持ちと説明出来ない状況。数歩先で首を垂れている姿に何て声をかければ良いのか全く分からない。


「あの、サクヤ、さん……?」


 いつまでたっても下を向いたままのサクヤに、恐る恐る呼びかける。


 オレの声を聞いて、ゆっくりと上げた瞳は――恐ろしく冷たかった。

 まるで初めて会った時のような。

 紺碧の瞳が凍るような冷気を伴って、オレから逸らされる。

 そのまま黙って離れていく背中を、何も言えず見送りながら。


【ほーら、やっちゃった……】


 脳内でどこか楽しそうに囁く声さえ、オレにはもううまく聞こえなかった。

2016/02/23 初回投稿

2018/03/11 校正――誤字脱字修正及び一部表現変更

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