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凜とレイ

 昼休み。

「ちょっと、ジュース買って来て」

 またいつかのように凜が言う。

 レイは、これまたいつかのようにそれを突っぱねる。

「ジュースくらい自分で買いに行け!」

 そんなレイに、凜はめげずに150円を押しつける。

「行って来なさい、下僕。オレンジジュースを買いに」

「好きだな、オレンジジュース!!」

 すると、凜の目付きが急に険しくなる。

「オレンジジュース以外を買って来たら、首輪を付けて『犬』って呼ぶわよ」

 そして懐から首輪を取り出す。

「人間ですらなくなった!」

 レイは軽くショックを受ける。しかし、彼は重要なことを思い出した。

「俺って病み上がりじゃん!」

 そんなレイに、凜は冷ややかな視線を送る。

「……は?何を言っているの?あなたは病気じゃなくて、ただの怪我でしょう?」

「怪我だけど!日本刀で刺されたんだよ!?に・ほ・ん・と・う!死にかけたんだからね!?」

「そんなの知ったことじゃないわ」

 凜は吐き捨てるように言う。

 レイは叫ぶように言った。

「自分の命を助けた奴を下僕呼ばわりして、その上ジュース買いに行かせるなんて、どうなってんだぁー!」

 しかし、レイの叫びは凜には届かない。

「命……?あぁ、そんなこともあったわね」

「………っ」

 レイは、ガクリとその場に膝をつく。

 凜は明るく言った。

「まあ、良かったじゃない。とりあえず、これで学園の平和は守られたわ」

 レイは力いっぱい叫ぶ。

「ぜんっぜん、良くなぁーい!!」

 彼の叫びは、晴れ渡った青空へと吸い込まれていったのだった。




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