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第一百四十四話:好人カード核弾頭!「やっぱ友達でいよう」

(場所:第13区・屋上)


アフロは完全に闇落ちした。ピンクの空が血のような赤へ変わる。病嬌の色だ。「優しくしてもダメなら――拉致する! 強制結婚! 宇宙法則を書き換える――【強制婿入り】発動!」


巨大な赤い鎖が降り注ぎ、紅糸の檻となってリンを捕える。リンはため息を吐き、財務報告書を閉じた。「本当は使いたくなかった。残酷だし、非人道的だ。だが……お前が逼るなら。禁忌の概念兵器を使う。」


リンは懐から、一枚の地味な灰白カードを取り出した。出現した瞬間、周囲の温度が十度下がる。カードの周りには肉眼で見える怨気――宇宙中の“都合のいい男”“健気な人”“誠実な敗者”が夜に流した涙の集合体。


【SSR級概念武装・好人カード(The Nice Guy Card)】


リンは女神を見つめ、深情な眼を作る(※演技)。そして、恋愛法則を滅ぼす禁呪を、優しく言った。「アフロ。君は……いい人だ。」


――ゴォン。一言で女神の動きが固まり、空の鎖に巨大な亀裂が走る。「本当に素晴らしい。感動した。でも――俺たちは合わない。」


――バキン。胸に矢が刺さったみたいに、女神が揺れた。空中殿堂が崩れ始める。「ずっと友達(妹)だと思ってた。それに――今は、仕事に集中したい。」


――ドォォォォン!!! 四句連発。四発の核弾頭が、女神の魂へ直撃した。


【概念級・失恋ダメージ】


「……やめて……その言葉は……やめてぇぇぇ!!」


女神は胸を押さえ、絶叫した。神格が崩れ、ピンクの世界が砕ける。「うわぁぁぁぁ!!」「クズ男! あなたクズ男よ!!」金色の神血を吐き、二百キロの子供みたいに泣き喚く。「もう愛なんて信じない! 男はみんな豚足よ!! 帰る! うわぁぁん!!」


――シュッ。ウェディング殿堂は光となって逃亡。ピンクの空は割れ、灰色のスモッグと冷たいネオンが戻った。あの吐き気のする恋愛BGMが消え、代わりに警報と機械音が帰ってくる。


【危機解除】


リンはネクタイを直し、熱を帯びた“好人カード”をポケットへ収めた。「……やっと静かになった」


街ではベルゼブブがツインテールを引きちぎって踏み、龍王が壁に頭を打ち付けて悶えている。リンは満足げに笑う。「恋愛? 儲ける速度を落ろすだけの荷物だ。アリス。さっきの“課金告白”でいくら稼いだ?」


【巻末フック】


リンが“独身万歳”を祝おうとした、その時。アリスが骸骨マーク付きの新規ホログラムを表示した。「ボス。恋愛危機は解除されましたが――女神が逃走する際、情緒崩壊で位面の壁を破壊しました。新しい座標が露出しています。」


裂け目から、古びた羊皮紙の宝の地図が落ちた。星の海。巨大な赤い×印。署名:【宇宙海賊王・ロジャー】


そして音声メッセージ。「俺の財宝が欲しいか? 欲しけりゃ全部くれてやる! 探せ! この宇宙で一番値打ちのあるものを、そこに置いてきた!」


リンの瞳が一瞬で“$”になる。「一番値打ちのあるもの……? 恋愛は要らん。だが宝は全部俺のだ。」


リンは吠えた。「下っ端ども! 第13区を船に改造しろ! 海賊になるぞ!!」

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