第一百四十二話:反撃開始!「恋愛は課金制だ」
(場所:第13区・作戦指揮室)
女神は怒りで退き、“強制お見合い”攻勢を準備し直した。その隙にリンは指揮室へ戻り、画面を埋め尽くすハートとピンクに冷笑した。
「俺の街を恋愛ゲームにする? いい。ゲームならゲームの規約で潰す。」
「零ちゃん! アリス! 起きろ! “覇道総裁がAIに恋する”とか読んでる場合じゃない!」
リンは電子よだれを垂らすアリスを平手で叩き起こす。「世界の底層法則へ侵入しろ。女神が世界をGalgameにしたなら、必ずUIが存在する。そこへ――【課金ロック(Paywall)】を追加しろ。資本主義の恐怖を教えてやる。」
【反撃開始:資本主義の次元降下】
街頭。ハート軍団が再整列し、无辜の独身者へ猛攻をかける。ハート兵がオタク青年の前へ。必殺の一言を放とうとした瞬間――彼女の視界と青年の網膜に、同時に巨大な金色UIが弾けた。鎖と錠前の演出付き。
【システム通知:あなたは「告白」イベントを起動しようとしています】
【当機能は有料DLCです】
【500スターコインで「例の三文字」ボイスパックを解除してください】
ハート兵:「……???」
彼女は必死に口を動かすが、声が出ない。「う……う……」と、哑音だけが漏れる。
ならば抱擁で――と飛び込む。――ドン。不可視のエアウォールが弾いた。さらに派手なポップアップ。
【システム通知:『身体接触』意図を検知】
【「ハグ」はVIP会員専用です】
【1998スターコインでSVIP加入】
【特典:手繋ぎ/ハグ/頭ポン】
【注:キスは『ダイヤ年会員』が必要です】
ハート兵は膝から崩れ落ちた。「恋愛に課金って何なの!?」「こんな悪徳ゲーム、聞いたことない!!」
リンの声が全市へ放送される。「その通り。この世界で、無料が一番高い。壁ドン? 5000。キス? “キス月額”買え。初回チャージは2割引だ。金がない? 金がないのに恋するな。畑でも耕してろ。」
“甘い恋愛番”の現場は一瞬で、“重課金ソシャゲ地獄”へ変質した。ハート軍団は課金できず、動けず、正気を取り戻した機械僧侶に木魚と棍棒で叩かれ、逃げ惑った。
【幻鏡配信・弾幕】
「草ァァァ!リアルすぎて胃が痛い!」「リン:世界が滅んでも通行料は取る」「愛神:これは愛! リン:これは商売!」「“課金で撃退”は神の一手w」




