第一百四十一話:黒幕登場!「純愛女神、降臨」
(場所:第13区上空)
リンの“絶対冷静”が、黒幕の怒りを引き裂いた。「冒涜!」「愛への冒涜よ!!」
ピンクの雲が激しく渦巻き、白い雲、レース、水晶でできた【空中ウェディング殿堂】が降りてくる。聖なる――しかし甘ったるい結婚行進曲。
女神が姿を現した。黄金比の肉体。銀河みたいに垂れるピンクの長髪。常時“美肌フィルター”と“柔光エフェクト”。一歩ごとに薔薇が咲き、拍手が自動再生される。
【純愛女神・アフロ(Aphrodite・魔改造版)】
・神格:宇宙の恋愛、婚配、糖分供給を司る
・理念:「世界平和の唯一の方法は、全員が恋に忙しくて戦う暇をなくすこと」
女神は宙に浮き、上からリンを見下ろす。眼差しには“石をも感化してみせる”執念。「哀れなる魂よ。深淵悪魔も、機械飛升も、真愛の前では平等――! 全宇宙に永遠に別れない恋を! 銀河を巨大な結婚相談所にする! 星という星をピンクの泡で満たすの!」
「そしてあなた――リン・アドラー。宇宙最大の“独身釘打ち男”。あなたを攻略すれば、もう難攻不落の男はいなくなるわ!」
【スキル発動:神の魅惑・絶対初恋顔】
女神は攻撃しない。0.01センチの距離へ瞬間移動してきた。星を溶かす瞳で見つめ、吐息は甘い花のよう。「目を見て……」「……キスしたく、ならない……?」
古神ですら落ちる近距離美顔暴撃。――だがリンは、引かない。赤面しない。睫毛一つ動かない。
ただ黙って、懐から計算機を出し、“C”でリセットした。「この方、社会距離を保て。あなたの行為は《銀河連邦労働法》第72条により、重大な“職場セクハラ”に該当する。公人であるあなたがこれを行えば、私の精神損害は甚大。」
リンは無感情に続ける。「時給換算で――賠償金は……100万スターコイン。カード? それともQR決済?」
女神は固まった。完璧な“深情”が顔面で凍結する。(情話を一万句用意したのに、法と賠償金で殴られた)
「……あなた……!」「風情がない! 木か!?」「ロボットなの!?」




