第一百三十五話:物理説得?「符を貼ればガンダムもキョンシー」
(場所:第13区・幹線道路)
ネット戦は壊滅。
零一は“ソフトは無理”と判定し、即座に結論を出す。
「ならばハードで潰す」
「電子戦, 全廃棄」
「《タイタン級鎮圧機甲》出撃――物理的に踏み潰せ!」
ドドドドド――!
大地が震える。
十数機、全高百メートル超。厚い反応装甲に重レーザー砲、反物質シールド装備。
一歩ごとに道路が砕ける。
純粋な戦争機械。
物理防御はMAX、魔法耐性も振り切れた“鋼の怪物”。
零一の声が都市上空に轟く。
「リン! 恐怖映画など無意味だ!」
「絶対火力の前では、恐怖など塵だ!」
リンは屋上でそれを見上げ、ため息を吐いた。
「うん。物理防御フル振りね」
「じゃあ……こっちは玄学で行くしかない」
リンがパチンと指を鳴らす。
高級スーツが消え、代わりに明黄色の道袍。方巾。
手には桃木剣――実は“世界樹の枝”で、神器級の硬度。
「下っ端ども! 開壇だ!」
背後に古ラ(筆を咥える)、ガブリエル(屈辱顔)、龍王(朱砂を磨る)らが並び、黄紙に狂ったように符を書き散らす。
古ラ:
「ボス、これ食える? 紙、あんま美味そうじゃない」
ガブリエル:
「私は熾天使だぞ!? なぜ東方符術を! 異端だ、冒涜だ!」
リン:
「黙って書け」
「これは“文化交流”だ」
「そして“神秘学ヘッジ”だ!」
リンは符を一掴み。
深呼吸。七星歩。桃木剣を天へ突き上げ、呪を唱える。
「天霊霊、地霊霊!」
「太上老君、急急如律令――」
「止まれッ!!」
符が放たれる。
軽い紙切れのはずが、金の流光となって反物質シールドを無視し、各機甲の“額”(主カメラ)へ正確に貼り付いた。
――奇跡(?)が起きた。
激昂しレーザーを撃とうとしていた機甲が、魂を抜かれたように硬直した。
内部電子系統が、得体の知れない法則干渉で全停止。
冷却ファンすら止まる。
零一:
「あり得ん!! 反物質シールドが紙切れを防げぬだと!?」
「エネルギー保存則に反する!!」
リン(真顔で嘘):
「符の墨に“深淵電磁干渉粉末”を混ぜて……」
「――いや、法力無辺で“鉄尸”の煞気を鎮めただけだ」
さらに恐ろしい光景。
リンが攝魂鈴を振る。
「チリン――」
鈴が鳴った瞬間、百メートル級の鋼鉄巨神が、両腕を前に伸ばし、膝を硬直させ――
キョンシーみたいに、ぴょん、ぴょん、と跳び始めた。
どん、どん、どん。
市街地で十数機の巨大ロボが“跳ね回る”。
その映像は宇宙中へ配信され、機械神教の信徒はCPUを焼いた。
「なに……この戦術動作……!」
「これが東方神秘……!?」




