第一百三十一話 天使堕落!――「払えない? じゃあ翼を抵当にしろ」
(場所:戦後の瓦礫地)
熾天使艦隊は壊滅。
ガブリエルは竜王バハムートに地面へ押し付けられ、白ローブは埃まみれ。
リンは長大な請求書を持ち、電卓を叩く。
「ガブリエル小姐」
「お会計しようか」
「精神的損害」
「営業妨害」
「グラの出演料(S級古神は高い)」
「第13区・光害清掃費」
「合計――8000万億星貨」
ガブリエルは髪を振り乱し、
かつての傲慢な目は絶望に濁っていた。
「……殺して」
「教会に金はない」
「全部、あの機甲につぎ込んだ……」
リンは首を振る。
「殺す? いやいや」
「俺は文明人だ。殺戮はしない」
リンはしゃがみ込み、指でガブリエルの顎を持ち上げ、
雪のように白い六翼へ視線を滑らせる。
その背後で、普通の天使たちが震えていた。
リンは悪魔みたいに笑った。
「金がない?」
「でも、君たちの“見た目”は悪くない」
「翼は白い。手入れも良い」
「声も良い」
「顔も宇宙の雄性生物の好みに刺さる」
「返せないなら――肉体で払え(※労働)」
リンは用意済みの書類を出す。
【深淵エンタメグループ・終身売身契】
「サインしろ」
「種族ごと、うちに入社だ」
「俺が借金を肩代わりする」
「代わりに君たちは――稼げ」
ガブリエルは震えながら訊いた。
「……な、何をさせる気……?」
リンは遠くの改装中の店舗を指差す。
第13区の一等地だ。
「簡単だ」
「アイドル」
「あるいは――メイド」
「聖歌でポップソングを歌え」
「翼で客をもてなせ」
「それが“民衆奉仕”だろ?」




