第一百三十話 神迹決戦!――「うちの神は火を噴く。そっちは?」
(場所:法廷外・星空)
論破された。証拠も揃った。
ガブリエルは完全に逆上し、狂信者の顔を剥き出しにした。
「凡人の法で、神の使徒は裁けない!」
「悪魔に蒙蔽されたなら――神罰を受けよ!!」
「全軍、陣形展開!」
「召喚――【機械降神】!!」
熾天使艦隊の終極兵器が起動する。
白い教会船が合体し、
千メートル級の“人造偽神機甲”へ変形した。
十二翼。光槍。
その威圧だけで星域が震える。
ガブリエルが叫ぶ。
「見たか! これが神の力!」
「リン、跪け!」
「聖女を返せ!!」
リンはため息をつき、
横でポップコーンを食いながら観戦しているグラを見る。
「グラ。飯の種が潰されそうだ」
「俺が死んだら、ラー条もチキンもコーラも終わり」
「露と空気の聖餐生活に戻るぞ」
グラの咀嚼が止まった。
――柔らかな爆食ロリが消える。
瞳孔が縦に裂け、捕食者の眼になる。
周囲の温度が急降下した。
「……誰?」
「誰が私の“長期飯票”を潰すって?」
グラは口元の油を拭い、立ち上がる。
変身もしない。飛びもしない。
ただ――
偽神機甲へ向けて、口を開けた。
「お゛お゛お゛お゛お゛――――――ッ!!!」
真なる古神の威圧が降りる。
背後に、星を超える巨大な暴食の虚影が浮かぶ。
その口の深さは、銀河より暗い。
千メートルの偽神機甲は、
古神の前では精巧なプラスチック玩具だった。
――ひと噛み。
派手な演出などない。
虚影の口が、機甲の頭部を咬み、
「バキッ」
スナックのように砕いた。
胴体、四肢、翼――
ガブリエルの神罰は三秒で“おやつ”になった。
グラは顔をしかめ、反応炉の残滓を吐き捨てる。
「……カリカリ」
「金属味。まずい」
および満腹ゲップ。
「げふ」
静寂。
ガブリエルはその場にへたり込み、
食い尽くされた“神”を見て――信仰が崩壊した。
「……私の神が……食べられた……?」
【幻鏡ライブ・コメント欄】
「真神と偽神の差が露骨」
「偽神:レーザーと聖歌! 古神:歯が強い!」
「飯票パワーは無限。ラー条のため神殺し」
「グラ:これだけ? 歯の隙間にもならん」




