第一百二十五話 返品?――いいや、これは「課金DLC進化」だ
(場所:第13区・危機対応会見)
連邦艦隊が再び第13区を包囲した。
怒りの消費者が殺到し、
「返金!」「詐欺師!」と叫び、道路を埋め尽くす。
プライムは顔を真っ黒にしていた。
家のスライムが今も法典で彼を論破しているせいで、精神的に死んでいる。
「リン! これは生物兵器攻撃だ」
「直ちに全製品を回収しろ」
「さもなくば第13区を更地にする!」
万の指弾。
だがリンは謝罪しない。
マイクを取り、むしろ“情けないものを見る顔”で言った。
「返品?」
「……なんで返品する?」
リンは変異スライムの映像を指さす。
「欠陥だと思ってる?」
「違う。これは――“隠し進化システム”だ」
「狂暴化したのは、あなた方の“親密度”が足りないから」
「そしてプロの“しつけ道具”が無いからだ」
「本来なら次バージョンで出す予定だったが――」
「そこまで熱心なら、今、出そう」
リンが大きく手を振る。
棚が一瞬で更新され、新商品がズラリと並ぶ。
1.【深淵おしゃぶり(鎮静)】
暴走スライムの口に突っ込めば即おとなしい。
価格:5000星貨
2.【S級擬人化薬剤(SSR)】
狂暴を安定化し、高確率で“魔物娘/人型”へ。
価格:100万星貨
3.【戦闘進化チップ】
銃の扱いを学び、護衛に進化。
価格:50万星貨
――瞬間、世論が反転した。
返品しようとしていたオタクたちは、
「スライム娘」の一言で目の色が変わる。
「は? 嫁になるの!?」
「これ怪物じゃなくて、まだ完成してない嫁じゃん!」
「返品しない! 薬剤十本くれ!」
「銀髪ロリにする!」
破産不可避の生物災害は、
リンによって全宇宙規模の“育成課金ゲーム”へ変換された。
プライムは銃を握る手が震えた。
「……この文明、終わっている」
【幻鏡ライブ・コメント欄】
「守銭奴!! ……でも買った」
「隠し玩法=最強言い訳」
「美少女になるなら世界崩壊も許す」




