第一百二十話 帰還と大儲け! “真理要塞”もゴミなのか?
(場所:位面ゲート・ゴミ中継ステーション)
一週間後。
林恩は仲間を引き連れ、主宇宙第13区へ帰還した。
着地して、まだ金を数える前――
ゴゴゴ……!!
第13区が巨大な影に呑まれた。
【銀河連邦・真理級裁決要塞】。
論理法官・プライムが無敵艦隊を率い、完全包囲。
数千門の主砲が既に充填完了。照準は林恩。
プライム(全域放送):
「林恩。高危険位面への無断接続を検知」
「判定:重大な“違法増築”および“外来侵入種の導入”」
「銀河系の安全のため、執行する」
「【強制撤去】」
「第13区ごと蒸発せよ」
主砲が白光を溜め始める――その瞬間。
「またそれ?」
「連邦さん、芸が無さすぎない?」
林恩はゴミ山の頂上で、怖がるどころか電卓を取り出し、空へ叫んだ。
「プライム! 撃つな!!」
「最近、“反物質廃棄物”の捨て場がなくて困ってるだろ?」
「首都星の地下水、毒ガスで死にかけてるはずだ!」
プライムが一瞬止まる。主砲充填が止まった。
「……それは連邦最高機密。貴様には無関係」
「関係ある」
林恩が指を鳴らす。
背後のゲートが開く。
巨大な触手が、ぬっと出てきた。
手(?)には“おなかすいた ごはん”の札。
「紹介しよう」
林恩はセールスマンの熱量で触手を指す。
「俺の“全自動・生物分解装置”だ」
「どんな猛毒核廃棄物でも、向こうで綺麗さっぱり消化する」
「無公害」
「効率はお前らの焼却炉の一億倍だ」
「連邦の危険廃棄物、全部処理してやる」
「1トンあたり、100万スターコイン(友情価格)でな」
プライムの論理核が超高速演算。
【比較:連邦自力処理 10億/トン vs 林恩 100万/トン】
【結果:協業時、財政赤字90%削減】
【結論:破壊より協業が論理的。利益最大化】
主砲は完全停止。
赤い警戒灯が、緑の通行灯へ変わった。
「……林恩氏」
「価格と契約詳細について、着席して協議したい」
林恩は笑い、零ちゃんへ振り向く。
「メモしろ」
「第一号の客だ」
そして付け足すように叫んだ。
「あとプライム」
「要塞の“廃バッテリー”置いてけ」
「向こうの子(古神)、鉄分不足だ。ちょうどいい」
――だが。
金を数える直前。
零ちゃんが、急激な赤色アラームを鳴らした。
「警告:喰らい尽くす者、データ異常」
「高エネルギー廃棄物の過剰摂取により、新たな変異を確認」
「対象は物質だけでなく――」
「“時間”を摂食し始めました」
林恩の電卓が、手から落ちた。
「……は?」
「豚を太らせすぎたら……成精した??」
周囲の景色が突然、巻き戻る。
艦隊が後退し、音声が逆再生し、
プライムの放送が逆向きに流れる。
林恩は気づいた。
自分が、また“着地した瞬間”へ戻っている。
プライムの声が、もう一度響いた。
「林恩。高危険位面への無断接続を検知――」
【タイムループ(Time Loop)】開始。
【幻鏡ライブ・コメント欄】
[ え、巻き戻った!?配信が逆再生!? ]
[ 林恩の顔だけ変わってないの草 ]
[ 古神、食いすぎて“明日”を食ったwww ]
[ ようこそ“終わらない八月”へ…… ]
[ 林恩:稼ぎたいだけなのに、時間線が毎回壊れるんだが?? ]




