第一百一十八話 黒林恩を買収!「深淵環境ホールディングス」設立
(場所:王座の間)
“ゴミ箱”を確保した。
次は“運営”だ。
黒林恩は窓外を見た。
破壊していた触手は、今や行儀よく一列に並び、餌を待つ子犬のよう。
しかも瓦礫を片付け、有用な資材を脇に積み上げている。
「……お前、神を躾けたのか?」
黒林恩は夢でも見ている顔。
「お前は救世主か? 悪魔か?」
林恩は分厚い『資産買収契約書』を取り出した。
「どっちでもない」
「俺は――資本家だ」
林恩はペンを差し出す。
「黒林恩、お前の“恐怖帝国”は実質破綻してる」
「よって今ここに、俺はお前へ【敵対的買収】を仕掛ける」
「硬貨一枚で、この宇宙の所有権(負債込み)を買う」
「代わりにお前は――」
「【深淵環境ホールディングス・鏡像支社】の執行CEOになれ」
「仕事は簡単だ」
「この廃墟宇宙を――」
「銀河最大の“ゴミ埋立地”に改造しろ」
「主宇宙の廃棄物を受け入れ、古神に食わせる」
「古神の飢えを満たし、主宇宙を浄化し、連邦から処理費を巻き上げる」
林恩は笑って言った。
「――三回勝つ。これが“勝ち三つ”だ」
黒林恩は、契約に書かれた“再建資金”と“社会保険完備(意味は不明だが強そう)”を見て、震える手で署名した。
彼は黒鎧を脱ぎ、緑の蛍光ベストを着る。
背中には大きく――【深淵清掃】。
そして箒を握り、かつての王座を見てため息。
「……分かった」
「人が生きるなら、ゴミ掃除でもいい」
「今日から俺を魔王と呼ぶな」
「“ステーション責任者”と呼べ」
【幻鏡ライブ・コメント欄】
[ 黒林恩、転職おめ!職業:清掃現場監督。 ]
[ 緑ベスト草。魔王の尊厳どこ行ったw ]
[ 大ボスの末路がゴミ処理場勤務って誰が予想する ]
[ 林恩:深淵グループは無能を養わない。 ]




