表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/144

第一百一十三話:闇落ち主人公パーティ? “中二”には“中二”で殴れ

 (場所:第5層:黒の王座・前室)


 外周ダンジョンを突破し、リンエンはコア区画へ辿り着いた。

 立ちはだかるのは――闇落ち版・主人公パーティ。


 黒アーサー:【デスナイト】。

 漆黒の魔甲に身を包み、左眼に青い鬼火。

 だが彼は斬りかかってこない。代わりに、極めて複雑なポーズを決めた。

 右手で顔を覆い、左手で魔剣を逆手。身体は45度後傾。

 台詞:「ククク……我は深淵の処刑者……漆黒の魂よ、我が魔剣の下で震えるがいい……」


 黒ジャンヌ:【堕落シスター】。

 露出多めの黒レザー、棘付き鞭。目は空洞で残酷。こちらを見る目が“ゴミを見る目”。


 闇落ち版は道徳リミッターがない分、原版の十倍強い。

 原版アーサーが突っ込んだ瞬間、剣で叩き割られて吹き飛び、吐血して倒れた。

 「強すぎる……これが闇落ちの力か……俺、無理だ……」


 「違う、アーサー。勝つ必要はない」

 リンエンが拡声器を取り出し、薄く残酷な笑みを浮かべる。

 「お前がやることは一つだ」

 「――奴に“死にたくさせる”」


 リンエンが黒アーサーへ呼びかける。

 「黒アーサー。お前、カッコいい。マジで」

 「でもさ――お前の“iCloudバックアップ”、俺が握ってるの知ってる?」


 【公開処刑:中二黒歴史・朗読】


 再生ボタンが押される。そこに流れたのは、変声期の少年の幼い声。

 「西暦202X年、2月14日、雨」

 「今日も右手の封印が緩んだ。太古の黒竜が咆哮している……痛い! 俺の麒麟腕が痛い!」

 「クラスの女子が話しかけないのは、俺の力を恐れているからだ……そう、孤独は強者の宿命」

 「母が醤油を買ってこいだと……フン、愚かな人類め、闇の子に命令するとは……」


 ホールに4K音質で反響する。

 「ぶはっ!!」

 ポーズを決めていた黒アーサーが、突然盛大に吐血した。

 高冷・憂鬱キャラの仮面が、ガラスみたいに砕け散る。

 顔は瞬時にレバー色。魔剣が「カラン」と床に落ちた。


 「や、やめろォォ!!」

 黒アーサーは頭を抱え、断末魔みたいな叫びを上げる。

 「読むな! あああ! 頼む、殺してくれ! それだけは読むなァ!!」

 床で転げ回り、鎧で耳を塞ごうとして――つま先で床を削り、三LDKを掘り出す勢い。


 【第二の処刑:聖女の秘密】


 リンエンは無表情の黒ジャンヌへ向き直る。

 「お前、堕落シスター。虐待が趣味っぽいな?」

 「じゃあ私生活を見ようか」


 リンエンがホログラム映像を投げる。

 映像の中。高冷SM女王のはずの黒ジャンヌが、ピンクのクマ柄パジャマ。髪はボサボサ。

 布団に潜って魔法少女アニメを観ながら、紅焼豚足を脂まみれで貪っている。

 「うぅ……魔法少女、感動する……」

 「豚足、うまい……」


 「きゃあああああああ――!!」

 黒ジャンヌはソプラノ超えの悲鳴を上げた。

 冷酷の仮面が完全崩壊、顔は真っ赤、羞恥で死にそう。

 鞭を投げ捨て、両手で顔を覆い、壁際にしゃがみ込み――“自閉キノコ”になった。

 「見るな! 消せ! 今すぐ消せ!! 私、嫁に行けなくなる!!」


 結末:

 戦わずして勝利。

 闇落ちパーティは全員“社死(社会的死亡)”で戦闘力ゼロ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ