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第一百零七話:地下バー? 違う、“二次元秘密結社”だ

 (場所:廃棄小惑星・地下深部)


 連邦の目の下で、巨大な地下都市がひそやかに生まれた。

 名は【地下漫展城(ネオ・アキバ/Neo-Akiba)】。

 合言葉を知る者だけが入れる。

 合言葉――「天王蓋地虎、ゼロちゃん身長一・五」


 ここは無法地帯。

 ネオンの海の下、外星人たちは堅い制服を脱ぎ捨て、奇抜なコスプレに身を包んだ。

 虫族の女王が魔法少女の衣装を纏い、機械族の戦士が猫耳を付け、気高き精神体がサイリウムを振り回す。

 巨大スクリーンには禁制の『覇道魔王』と『あの花』がループ再生。

 空気には、フライドチキン、コーラ、辣条の匂い。

 抑圧され続けた数万年――彼らにとって、ここは天国だった。


 だが、危機が来る。

 “連邦理性警察”の精鋭分隊が、一般客に偽装して潜り込んだのだ。

 隊長:純水晶で組まれた水晶星人。剛直で、精神毒瘤を根絶する誓いを立てた男。

 任務:中枢の再生源を突き止め、都市を破壊し、リンを捕縛する。


 「各員、注意」

 水晶隊長は回線で低く命じる。

 「目標はA区。行動準備。低級文化に精神を汚染されるな」


 彼らはスクリーン下へ潜った。

 ちょうど『あの花』の最終話。BGM『Secret Base』が流れ――

 画面のめんまが微笑み、消えていく。

 「見つかっちゃった……」


 水晶隊長の足が止まった。

 「……これは……何だ」

 視線を逸らし、任務に戻ろうとする。だが――透明な水晶の心臓に、一本の亀裂が走った。共鳴だ。

 「なぜだ……俺の光学センサーが……漏水している……?」


 五分後。

 副隊長(機械族):「隊長! リンが前方に! 確保しますか!」

 バァン!

 水晶隊長が反手で副隊長を殴りつけた。衝撃で、自分のダイヤモンドの掌すら砕けた。

 「確保だァ? バカ言うな!!」

 隊長はダイヤの涙を流しながら咆哮する。

 「めんまが消えるところだぞ!? 最終回を邪魔する奴は――俺が“崩す”!!」

 「う、うぅ……めんま……守る……天使だ……!」


 結末は、荒唐無稽だった。

 掃討に来た精鋭分隊は、誰も逮捕しなかった。

 どころか年パスを購入し、限定フィギュアを一式買い、リンの“警備隊”に加入した。


 【幻鏡ライブ・弾幕(暗号チャンネル)】

 [警察:すまん、俺は潜入だが、それ以上にオタクだ]

 [二次元から生きて帰れる奴、いねえ]

 [この回タイトル「インファナル・アフェア:二次元編」]

 [リン:計画通り。文化勝利]


 

 闇市の暴走は、ついに連邦最高評議会の逆鱗に触れた。

 「禁令が効かない? 警察が寝返った?」

 「生体は信頼できぬ。なら“概念体”を出せ」

 空に、惑星一つを覆う幾何学的光球が降臨する。

 【論理法官・プライム(Prime)】

 感情を持たず、肉体を持たず――“規則”そのもの。

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