回らないお寿司2
掲載日:2025/10/06
「1」もあるので、よければ、ご一読ください。
貧しくないけど、裕福ではない我が家では、週末に家族みんなで、よく回転寿司に行っていた。
いわゆる「正統派の寿司」ではないけど、僕も妻も小学6年生の息子も、その下に生まれた4歳の弟も、みんな回転寿司が大好きで、みんなで楽しんでいた。
そんなある日、僕たち家族が回転寿司を楽しんでいることを知った元寿司職人の義父は、とても嘆いて、孫に1度くらいはきちんとした「本物の寿司」を食べさせた方が良いと忠告をしてきた。
僕は、みんなが美味しく食べられればよいように思ったけど、妻が間に挟まれて対応に困らないように、義父が納得する高級寿司店に息子2人を連れて行く約束をした。
すると、義父は大張り切りで、昔馴染みの仲間の中から、これは!という名店を選び抜き、予約を取ってくれた。
当日、義父母、僕ら夫婦、それから息子たちが店を訪れたが、勝ち気で何でもはっきり言う下の息子は、初めての高級寿司店にも物怖じしない雰囲気だった。
頑固一徹を絵に描いたような店の大将が、シャリを手に取り、最初にヒラメを握ろうとすると、下の息子が椅子の上に立ち上がり
「おい、手で握ってんじゃねぇ、汚ねぇだろ。」
と怒り出し、僕は義父の「本物にも触れた方が良い」という考えの正しさを認め、平謝りした。




