眠れない時の神話
この物語を理解するまで脳を疲れさせれば寝落ちできます。
第一の歌:廻星の結びと原初の対立
太古より世界は、二つの根源的哲学に支配されていた。
一つは、「無声の空虚ザイフォス」を崇めるシェドウラ族の思想、「虚無と存在の二元論」。彼らは存在を「無限の闇に浮かぶ一瞬の光」と捉え、光は虚無へと還る運命であると信じた。その血脈を引く者は、光を嫌悪し、虚無に帰することこそが真の解放であると説いた。
もう一つは、「深淵の渦動クヴェル」を崇めるフレイムハート族の思想、「永遠と再生の動機」。彼らは、存在を「絶え間ない燃焼と再生」の循環と捉え、情熱と闘争こそが生命の証であると信じた。その血脈を引く者は、炎を愛し、絶え間ない燃焼こそが宇宙の真理であると説いた。
この二つの相容れない思想は、互いを滅ぼす運命にあった。
しかし、「調和の理オルフェリス」は、彼らの間で「廻星の結び(エテロス)」という概念的呪詛を課した。
それは、虚無と永遠という相反する概念を無理やり結びつけ、どちらか一方が消滅すれば、もう一方も存在を失うという、「絶望的統合」の哲学であった。
この思想的束縛により、二つの種族は、互いの滅亡を恐れ、ルナリスとヴァルカンに分かたれた。
第二の歌:秘められし愛と歪んだ正義
時が流れ、ネクロポリスの若き王子アルテミス・カリストは、シェドウラ族の虚無哲学に疑問を抱いていた。彼は「非在の顕在化」という独自の思想を唱え、闇の中にこそ真の存在を見出すと説いた。彼は、アステロスの麓にある「忘却の森シルヴァン」で、フレイムハート族の偵察兵リアナ・レオンハルトと出会う。リアナもまた、フレイムハート族の情熱哲学に息苦しさを感じ、「静止した燃焼」という、内なる情熱の探求を理想としていた。
アルテミスは、闇を吸収し虚無を顕在化させる長剣「エクレール・ヴォイド」を帯び、リアナは、内なる熱を凝縮し放つ弓「ヘリオス・フレア」を背負っていた。
彼らの思想は共鳴し、エテロスという概念的呪縛を超えた愛が芽生えた。
一方、パイロスの副官グレゴール・リヴァエルは、「循環的必然性」の思想を掲げていた。彼は、二つの種族の闘争は避けられない循環であり、その闘争を終焉させる唯一の方法は、シェドウラ族という虚無を完全に消滅させることだと信じていた。
彼は地底に潜むドワーフ族の王ドゥーリン・ブロンズモウルに、エテロスを破壊する「星蝕の装置」の鋳造を命じた。グレゴールは炎を纏う重装甲「プロメテウス・グラディウス」を身につけ、ドゥーリンは古代の呪文書「グラナトゥス・アウルム」を紐解き、アブソロンの設計図を完成させた。
第三の歌:運命の絡み合いと概念的真実
ネクロポリスの王カリスト・ゼフィラスは、シェドウラ族の魂の光を奪う「影の病」という概念的病に悩まされていた。妹の「月の巫女」セレネ・ガリアスは、この病の真実を幻視する。それは、世界の均衡を司るオルフェリスの分身、「星の紡ぎ手アストラル・オルフェリス」が、虚無と永遠という二つの思想を再び統合しようと発動した力であった。
物語に加わる登場人物も、それぞれの思想を抱く。学者ルナ・カリストは、エクリプスを「現象の還元主義」によって解明しようと試みる。「炎の聖女」フェニックス・レオンハルトは、「自己犠牲の絶対性」という信念のもと、自らを犠牲にしてでもシェドウラ族を滅ぼすことが使命だと信じる。
彼らの思惑が複雑に絡み合う中、オルフェリスのもう一人の分身、「沈黙の監視者ウラヌス・オルフェリス」が、アルテミスとリアナの前に姿を現す。言葉を持たぬウラヌスは、ただ静かに、彼らが唱える概念的愛が、虚無と永遠の哲学を調和させるか、それとも完全に破壊するかを見つめていた。
第四の歌:第三の勢力「否定者」の覚醒
虚無と永遠という二つの哲学が、シェドウラとフレイムハートの間で燻る中、世界の真の闇から、真の恐怖が覚醒した。彼らは「混沌の虚無」に宿る、存在そのものを否定する種族、「否定者」と名乗った。
彼らが信奉する「消滅の倫理」は、万物の消滅こそ至高の安息であると説き、その目的は、ザイフォス、クヴェル、オルフェリスによって創られた全ての宇宙を無に帰すことであった。否定者の兵士は、物理法則すら歪める力を宿し、その武器「アノマリー・ブレード」は、触れるものの存在を概念的に消失させ、鎧「メタ・シェル」は、あらゆる属性の魔術を吸収し無効化した。
否定者のリーダーは、「無の王」を自称するヴァレリウス・ノヴァ。彼の杖「虚空の呼び声」は、周囲の魔力の流れを乱し、魔術師の詠唱を妨げる。
彼は、まず廻星の結び(エテロス)の概念そのものを破壊するため、ルナリスとヴァルカンの両方に、同時多発的な侵攻を開始した。
第五の歌:混迷の戦場と装置の起動
アルテミス・カリストとリアナ・レオンハルトは、アステロス山頂にて、始祖たちの魂に触れ、エテロスの綻びを修復しようとしていた。アルテミスは長剣「エクレール・ヴォイド」から影の魔術を放ち、リアナは弓「ヘリオス・フレア」で炎の矢を雨あられと降らせる。
だが、その時、ネクロポリスとパイロスから轟音が響き渡る。否定者の侵攻が始まったのだ。
グレゴール・リヴァエルは、ヴァルカンの最深部にて、ドワーフ族の王ドゥーリン・ブロンズモウルに命じ、「星蝕の装置」の最終調整を急がせていた。グレゴールは炎を纏う重装甲「プロメテウス・グラディウス」を身につけ、魔力砲「インフェルノ・カノン」を構える。
ドゥーリンは、「グラナトゥス・アウルム」に記された古の術式に従い、装置の起動レバーを引く。彼の目的は、シェドウラ族の殲滅であり、そのためにアブソロンの力を信じていた。
第六の歌:最終戦争の激化とオルフェリスの介入
ネクロポリスでは、カリスト・ゼフィラスがエクリプスの進行に苦しみながらも、影の魔術で否定者に応戦していた。学者ルナ・カリストは、禁忌の古文書から解き明かした「虚無の回帰術」を使い、エクリプスの魂を逆に活性化させようと試みる。近衛兵団長ドレイク・ネクサスは、「イージス・シャドウ」という闇の盾を手に、副官シグルド・ヴォイドと共に、王を守るために否定者軍と激しく衝突する。
パイロスでは、「炎の聖女」フェニックス・レオンハルトが、グレゴールの暴走を知りながらも、「自己犠牲の絶対性」という信念のもと、炎の力を増幅する胸当て「カオス・マキナ」を身につけ、否定者の軍勢に単身突撃する。彼女は「フレア・ストーム」の魔術で、敵を一掃しようとする。イゾルデ・リヴァエルは、リアナを救うため、父グレゴールの元へ急ぎ、アブソロンの破壊を試みる。
その混沌の戦場に、オルフェリスの分身、「沈黙の監視者ウラヌス・オルフェリス」が、そして「星の紡ぎ手アストラル・オルフェリス」が、ついにその姿を現した。
ウラヌスの杖からは、天地を鎮める「ユニバーサル・ウェーブ」が放たれ、アストラルは、星の光を集め、全宇宙の魔力を束ねる「コズミック・シンフォニー」を奏でる。彼らは、ヴァレリウス・ノヴァの「虚空の呼び声」**と、アノマリー・ブレードの概念破壊を阻止しようと試みる。
アステロス山頂では、アルテミスとリアナが、エテロスの結びの概念を、自らの「静寂なる爆発」という新たな魔術で書き換えようとするが、その前にヴァレリウス・ノヴァが立ちはだかる。
「貴様らの魔術は、所詮、存在するものの戯言に過ぎぬ」と、彼はアノマリー・ブレードを振り下ろす。
虚無、永遠、そして無。三つの種族の存亡をかけた最終戦争が、今、ここに勃発した。
全ての存在は、消滅か、あるいは新たな統合か、その運命を賭して戦う。
最後まで読み切れたあなたは逆に寝れないかもしれないね。
この物語はチョコレートプラネットからインスピレーションを受けて作りました。
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