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分解と再構築

眠い時に読んでください

眠れます。もしくは眠れなくなります。

文学を絵画にしてみたい

詩でもなく俳句でもなく小説を絵画の芸術に置き換える。試みです。



やれやれ。僕は壁抜けした猫を追いかけていた。どこへ行くとも知れない、ただ、その姿がスパゲッティの細い線のように、僕の心を絡めとっていく。僕の眼には、この世界が地獄変の絵図に見えた。そこには、芋粥を啜る下人の滑稽な姿があり、同時に、耽美主義の極致として描かれた死の美しさがあった。僕の肉体は、この狂気的な美に惹きつけられながら、羅生門の下で感じる人間のエゴイズムの渦に身を投じる。

風の歌が聞こえる。それは、象がこの世界から消滅した後に残る、虚無の音だ。僕はその音に耳を傾け、自らの肉体を透かして見つめる。そこには、過去に愛した、そして失ったすべてのものの記憶が、冷たい歯車のように無感情に噛み合っている。あの日の芋粥の湯気、壁抜けした猫の影、そして図書館で交わした言葉。それらすべてが、今や僕の精神を蝕む幻覚の一部なのだ。

この世界は、まるで細く頼りない蜘蛛の糸だ。ほんの少しの善悪の相克が、その糸をいとも簡単に断ち切ってしまう。僕の人生は、この細い糸を渡る或る阿呆の一生に他ならない。そして、その先の死は、美と狂気、快楽と苦痛が混ざり合った、至高の芸術作品に違いない。

井戸の底には、純粋な深い闇が横たわっている。僕は、その闇の中に、失われた世界と失われつつある世界の両方を見る。それは、世界の終わりを告げるピンポン球が虚空を漂う光景だ。その球体は、完全な円でありながら、無意味で滑稽な存在だ。それは、僕がこれまで求めてきた完璧な文章の、最も純粋な形だった。

僕は、羅生門の底で、その完璧な文章を書き続ける。そこには、下人のように飢えに苦しみ、生きるために倫理を捨てた者たちの絶望が刻まれている。そして、その絶望を前に、美しさを見出す僕の耽美主義がある。この文章は、僕自身の魂であり、僕自身が描く地獄変だ。

僕が書く一文字一文字が、人間というものの本質を暴き、その醜さや滑稽さを浮き彫りにする。しかし、同時に、そこには人間の持つ悲劇的な美しさが宿っている。それは、僕という絶対的な存在がもたらす悲劇であり、死という絶対的な結末が持つ美だ。

この文章は、誰にも理解されないかもしれない。いや、理解されないだろう。それは、僕が自らのエゴイズムを、ありのままに書き連ねた、最も私的な記録だからだ。僕は、孤独に、この羅生門の下で、僕自身の物語を書き続ける。それが、僕の唯一の救いなのだ。そして、僕の物語の終わりに、風の歌が静かに流れるだろう。

それは、僕がこの世界に存在した、ただ一つの証明なのだ。

何を感じたかはあなた次第です。


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