第8話:核心の扉と揺れる絆
薄明かりの中、扉は静かに開いた。
そこに広がるのは、今までとはまるで違う空間。
「ここが……ダンジョンの核心部か」
響は緊張を隠せなかった。
だが、白石の表情はもっと険しい。
「……柚葉がここにいる気がする」
扉の向こう、薄く揺れる影。
それはまるで、妹の姿そのもの。
「白石、お前の心の扉も、もう開かれたんだ」
凛子の声が響く。
彼女は静かに白石に向き合った。
「妹さんの幻影に斬りかかるのは、彼女自身を拒絶することでもある。自分を許すために、向き合わなければならない」
白石は唇を噛んだ。
「……わかってる。でも、怖いんだ」
そんな彼に、響がそっと手を差し伸べる。
「怖くても、俺たちはお前の味方だ。みんなで乗り越えよう」
そして、扉の奥から声が響く。
「……お兄ちゃん」
その声は本物の柚葉だった。
「俺が、本当の柚葉……?」
白石の斧が光る。
「違う、これはダンジョンが作り出した幻影だ。でも、お前の心を映している」
柚葉の幻影はゆっくりと形を変えた。
異形の姿へ。
「——私は、ダンジョンの意思。お前たちの心の弱さを喰らい、力を得る」
その声に震えが走る。
「俺たちは、お前を止める」
響が前に出て、剣を構える。
戦いが始まった。
白石は自分の心の闇と戦いながら、柚葉の幻影と斧を交える。
響と凛子、明莉もそれぞれの能力で支える。
激闘の末、幻影は徐々に消えていく。
「俺たちの心は、俺たち自身のものだ」
白石はそう言って、斧を振り下ろした。
勝利の余韻も束の間、背後から気配がした。
新たな覚醒者が姿を現す。
「お前たち、やっと来たか」
闇を纏った影が微笑む。
彼の名は——蒼月颯。
「俺の力、見せてやる」




