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第2話「筋肉大会、爆誕!まずはジム!」



「大会……か」


シーヴァは玉座の間で腕を組んでいた。いや、腕を“圧縮”していた。上腕二頭筋が二つの岩のように盛り上がり、左右の僧帽筋がまるで鎧のように膨らむ。


「その通りじゃ、シーヴァ。我が国と隣国が、魔法の代わりに“肉体”で争う。これが……**《マッスル・オリンピア》**だ!」


「名前ダサッ……いや、いい。名前なんてどうでもいい。大事なのは、“ルール”だ。」


シーヴァは、真面目に言ったつもりだった。しかし、その口調には自然とプロテインのような説得力がにじんでいた。



【マッスル・オリンピア ルール概要】

•1チーム6人制(男女不問)

•“美しさ・筋力・完成度”を競う審査制

•食事・体重管理・トレーニング記録も加点対象

•薬物・魔法による補助は禁止

•大会までの準備期間:3年


「まるで減量と増量のハイブリッド戦じゃねえか……」


シーヴァは思わず、懐かしい減量末期の地獄を思い出す。炭水化物の匂いに泣きながら生きていたあの日々。


「して、仲間は揃っておるのか?」


王の問いに、シーヴァは仁王立ちのまま、筋肉で答えた。


「いねぇッス!!」


王は一瞬絶句したが、次の瞬間、にやりと笑う。


「ならば集めるがよい。“そなたの筋肉に、魂で応える者たち”をな!」


(筋肉に魂で応える……それもう、筋肉じゃん)


そんなツッコミは飲み込み、シーヴァは旅立つ。

目指すは、国中に点在する若者たち。己を変えたいと願う者、筋肉に救いを求める者——


筋肉に人生を賭ける奴らに、出会うために。



「まずはジムだ。ジムがなきゃ始まらん!」


だが、この世界に“ジム”という概念はない。ならば——作るしかねぇ!


「ベンチもラックも手作りだ!まずは材木!次に鉄!いや、先に筋トレだッ!」


シーヴァの掛け声に、周囲の村人はぽかんとしていた。

だが、その日から村には奇妙な噂が流れ始めた。


——「筋肉で家を建てている男がいる」と。


筋肉の旅が、今、始まった。



【筋肉知識コーナー】第2話:筋トレルールと大会の基本


大会(ボディメイク系)には大きく分けて「美しさを競う審査型」と「重さを競うパワー型」がある。

本作で扱うのは「フィジーク・ボディビル系の大会」に近い。

審査項目はポージング、筋肉のバランス、体脂肪率、見せ方など。日々の食事・トレーニング・メンタル管理が勝敗を左右する。

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