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第八十二話 新たな情報

 中々管理者は話したがらなかったが、ようやく聞き出すとこの世界には複数の管理者がいて、その中で気が向いた者が転生者を連れて来るそうだ。


 転生者の条件は元の世界で多大な功績を上げた者達で、この世界で楽に暮らせる為の力はご褒美と言う事らしい。

 

 しかし間違った情報で私みたいな何のとりえもない男が転生されてしまう事もあるが、そのネクロマンサーの男は私と違ってちゃんと条件を満たしているのだそうだ。


『僕が話せるのは此処迄かな、それでね、もし引き受けてくれたらもう少し魔力を増やしてあげるよ、これで魔力切れ何て心配しなくていいんだぜ』


(少しか、せめて魔王や勇者並みに魔力を貰えたら魅力的なんだけど、少しだけか)


『そうかいそうかい、それならもういいさ、まぁ君がやらなくてもどうせ誰かが戦うんだろうからな、ただね、誰かに止められるまでにどれ程人達がグールにされるんだろうね、ちなみに今は村一つだけで済んでいるけど、もっと被害者は増えるだろうな、君は元勇者だと言うのにそれでいいのかい』


「あのさ、そいつは善人だったんだろ、それがどうして転生したらそんな風になっちゃうんだよ」


『それがさ、そいつは元の世界では自分の事を犠牲にしてまでも人の為に生きてきた医師で、最後も患者を心配しながら死んで逝ったらしいよ』


 そんな立派な男がどうしてそうなったのだろうか。


『この世界では農家として生活して綺麗な奥さんとも出会えたらしいんだけど、その妻がさぁいつも彼が他の街に行っている時に数多くの村の男とそう言う関係になっていたんだってさ、それで暴走したらしいよ』


 確かに怒る気持ちは理解出来るけど、関係ない人にまで手を出すのはち違うじゃないか。


 あのさ、そいつはいつからネクロマンサーになったんだ。


『それは最初からだよ、まぁ意味を分かっていなかったらしいけど、知ってからはその力は封印していたらしいね、まぁ今は違うけどね』


 それでそいつを倒せばグールにされた人たちは元に戻るのかな?


『ネクロマンサーって言うのは死者を操るんだよ、その意味は分かるよね』


 あぁ死者は生き返らないし、どうして私が対処しなくてはいけないのかも分かって来たよ、魔王リシオの記憶があるから何だろ……。


『惜しいな、何でそこで間違えるかな、魔王リシオは不死族何だよ、そんな事したらまた変な事になるかも知れないじゃないか、それより勇者の記憶を探りなよ、効率のいい魔法をいくらでも知っているさ』


 そう言えば、魔族を討伐するエキスパートが勇者なんだよな。


『そうそう、グールもネクロマンサーも君にとっては楽勝な相手さ』


 おかしな、そいつを殺す前提になっているけど、彼は元善人何だろ、悪いけど自分で見極めてからにするけどいいよな。


『その判断は君に任せるよ、まぁ先に魔力を増やしてあげたから確認しておいてね』



 ◇



 アーリアとムックと合流すると、既にかなりの量を食べているらしく、足元には串の残骸が何十本と転がっている。


「ちょっと遅いんじゃない、この街は結構おいしい屋台が多いからね、早く買ってきなよ」


 美味しそうに頬張っているアーリアと一心不乱に食べているムックを見ていると心が和んでくるが、新たな寄り道をしなくてはいけなくなったことをどう話せばいいのだろう。


「ちょっとムックと買い物に行ってくるよ」

「分かったよ、何か飲み物買って来てね」

「はいよ」


『何を買うのですかご主人様、出来れば私は果物が欲しいのですが』


 ムックの為の果物を選びながらムックに相談を持ち掛ける。ネクロマンサーをもしかしたらしているのかも知れない。


『あのさ、ネクロマンサーは勇者の力に弱いのかな』

『ネクロマンサーだけではなく、勇者は魔族の天敵ですよ、あ奴らは聖なる力を秘めていますからね、それがどうかしましたか』


『ちょっと情報が入ってな、戦う事になりそうなんだよ』

『そうですか、私は別に気になりませんが、あの小娘はそれで納得しますかね』

『そうなんだよな、どういえばいいんだろうそれに危険なんだよな』


 グールが一体何体操れるのか知らないし、そもそも勇者の魔法が使えたとしても私の魔力に聖なるものが入っているかが分からない。

 

『まぁ私がネクロマンサーの情報を得たと言えば良いんじゃないですか、それで付いて来るか別れるのかは小娘に任せればいいのではないでしょうか』

『そうだよな、任せるしかないか』


 またしてもアーリアに嘘を積み重ねる事になってしまい、最初こそ難色を示したアーリアであったが、結局一緒にマスカール村へ行く事が決定した。

 



 

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