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第九十一話 リシオ会談

「あのさ、この話は本当の事なの? 訳が分からなくなるんだけど」

「後で全てを話すからちょっと黙っていてくれ」


 アーリアはかなり混乱し始めたのでじっくりと説明してあげたいがまずはリシオとの話が終わってからだ。


「質問が多すぎて順番が分からないんだけどさ、今の国王が狂った原因の魔力ってどうやって分け与えたんだ」


「簡単じゃよ、儂が長い事魔石に魔力を溜めておいたんじゃ、それをあ奴の身体に埋めただけじゃ」


「そうなると強制的に魔人にしたのか?」


 私の読みは正解だと思ったが、リシオは呆れたような表情で見てくる。


「そんな事が出来る訳ないじゃろ、魔力だけじゃ。儂はその昔ある人間に身体を乗っ取られて国を滅ぼしてしまったが、あ奴は自分の意思で動いとるわ」


「魔王の身体を乗っ取るってそんな人がいたんだ。ちょっとやり方が卑怯だね」

「あのさ、まだ黙っていてくれないかな」

「はいはい、黙っていればいいんでしょ」


 アーリアはリシオに少しだけ同情をしてしまったようだが、その原因が私にあると知ってしまったらどんな反応をするのか心配になってしまう。


「まぁ何百年も前の話だし、その代わりに奴の記憶を得る事が出来たからまぁいいでないかと思ってはいるがの」


「それであれか」

「食べ物だけじゃないぞ」


 そんな事は言われなくても分かっているが、まだそこを問い詰めている場合じゃない。


「話を戻すけど魔王の魔力が原因なんだよな」

「きっかけにすぎんな、あ奴の怒りを増幅させてしまったようじゃ」


 儂が既に死んだ事にしてあ奴が三代目となってようやく国が正常に動き出そうとしていた頃、王国に現れた勇者と謁見した際に魔力の根本を見たそ奴に魔族だと罵られたそうだ。それに怒ったクレイグや憲兵によってその勇者は惨殺されてしまう事件が起こった。


「それじゃ本当に勇者殺しに国じゃない、それに一緒に来ていたはずの仲間はどうしていたのよ、その国と戦争になるんじゃないの」


「あ奴が部下に命じて全ての者達を殺したんじゃ、それに勇者が訪問した事をその国に認めなかったからの、有耶無耶じゃよ」


 勇者を殺しても誰も文句も言わずに隠ぺいに協力した部下達や、他国も嘘だと分かっているが勇者を殺せる程の力をも言っている王国に対して文句を言う事が出来なかった。

 そのせいでクレイグは闇の世界に墜ちていく。


「その国もその国だな、ちゃんと抗議をすればいいのにな」

「それだけ勇者の力が強かったんじゃ、その国の全ての兵士の力よりも勇者一人の方が強かったんじゃからの」

「そんな勇者を殺したのか」

「儂の濃縮魔力じゃからの」


 自慢げにリシオは言ってくるが、全然自慢になっていない事には気が付かないのだろう。


「そんな事はどうでもいいわよ、その魔力のせいで国王は狂ったんでしょ」

「まさかアドリアーノの息子があんなに心が弱いとは誤算だった。儂が死んだ設定にした事を悔やんでも悔やみきれんわ」


 管理者はこの状況をどう助けろと言うのだろうか、国王の壊れた心を取り戻すなど私に出来る訳がない。そもそも勇者を殺せる程の魔力を持った相手にどうしろと言うんだ。


「ねぇ前国王に他に子供はいないの? まさか一人息子じゃないよね」

「上に姉がいるが他国に嫁いでしまっているわい、もう一人息子がいるが今は何処にいるのか全く分からん」


「だったら今の国王を倒してお姉さんを女王として国に呼び戻すか、もう一人が何処かで生きていると信じるしかないのか」

「ねぇその事も大事かもしれないけどさ、魔王には情ってものがないわけ? 殺されるのを願っているんでしょ」


「あぁそうじゃ、奴は壊れてしまったんじゃ、いいか魔族の魔力は人間にとっては害なる物かも知れんがあそこまで豹変させる力はもっとらん、お主には分かるんじゃないのか」


 確かにリシオの魔力に触れていた俺には理解出来る。あの力を使うと好戦的になってしまう私もいたが、それに飲み込まれるしまうかどうかは本人次第だと思う。


「殺すしかないのか」

「儂もいろんな方法を試みたが駄目じゃったな、あ奴の中にあるのは野心だけじゃ」


 まさかこの私がリシオの心を助けるなどと想像もしていなかったが、あの管理者はリシオの事が気になっているのだろう。


「あ~もう分ったけどさ、ただ俺だけじゃ倒せないのは分かっているだろ、あんたにも協力してくれないと出来ないからな」


「本当は直接手を出したくなかったんじゃがの」


「そんな事を言っている場合じゃないんだろ、どうせ国王が何かを企んでいるから俺が呼ばれたんだろうな」


「…………」


 リシオはこんな山の中でどうやって情報を手に入れたのかは知らないが、クレイグの考え通りに進むと、この周りにある人間の国と魔国の全面戦争が始まってしまう。


 クレイグにとってはどちらが勝利しても関係なく、ただ疲弊した勝利国から滅ぼそうとしているだけだ。


「滅茶苦茶な奴じゃないか」

「昔に書いた儂の書物を読んだんじゃろうな、全くその通りにしようとするとは情けない奴じゃ」


(それじゃお前の計画が原因じゃないか、まぁ言えないけどな)


 あらかたリシオとの話が終わったので、アーリアに私の秘密を全て洗いざらいは話すと、頭がショートしてしまったようで固まったまま動かなくなってしまった。

 今週は仕事が忙しくなったので次は来週に投稿します。

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