ゲーム依存症A君の場合 第一話
私は隙間産業(有)会社の社長、樋口隼人と申します。
我が社は少々問題のある方々の心の隙間に寄り添い社会復帰を促す事業をしております。
今回はA君の場合を見てみましょう。
A君はゲーム依存症で親御さんから何とかならないかとご相談をいただきました。
彼がドハマりしているのはファーストパーソン・シューティングゲーム。
いわゆるFPSという奴です。
世界的にも大流行していますね。
理解を深めるために私も少しプレイしてみましたがよくできたゲームです。
おっと、話がそれましたね。
ゲーム依存症を解消する方法はいくつかありますが今回は初歩的な手であるゲームから切り離すという手法を取ってみましょう。
親御さんにも協力してもらい御飯に睡眠薬を混ぜさせていただきました。
あ、言っときますが不用意な睡眠薬の使用は辞めた方がいいですよ?
これでも私は医師免許も持っているので適正な量を処方させていただきました。
彼は睡魔に負けてぐっすりですね。
では、このまま隔離施設に運び込んでしまいましょう。
親御さんは心配しておられますが私はプロなので安心してください。
真人間とまではいきませんが必ず更生させてみせます。
施設についたので専用の部屋にA君を寝かせます。
この部屋はベッドとトイレがある隔離部屋となっています。
各所に隠しカメラが設置してあり常に彼のことをモニタニング出来るようになっています。
数時間が経ちA君が目覚めたようですね。
まずはマイクで彼に挨拶をしてみましょう。
「テステス。A君。聞こえていますか?」
「何だこの部屋は。あんた誰だ」
「私は君の両親から更生を頼まれた樋口隼人と申します。君には更生が完了するまでその部屋で過ごしてもらうことになります」
「ふざける。俺を家に帰せ」
「それは無理な相談です。まずは食事にしましょう。正面に棚があるでしょう?そこに朝食が用意されています」
A君は中々棚に近づいてくれません。
困りましたね。
健全な精神は規則正しい生活で育まれるものです。
朝食を食べてもらえないのは非常に困ります。
仕方ないのでここでは飴を用意することにしましょう。
「朝食を食べてくれるなら1時間だけゲームをすることを許可しましょう」
1時間だけとは言えゲームが出来ると聞いたA君は素早かったですね。
噛んでるのかわからない速度で朝食を食べ始めました。
ちなみに朝食は白米、魚、お漬物、豆腐とネギの味噌汁と和風の物をご用意させていただきました。
本日の事例報告はここまでです。
また、お会いしましょう。